ベンチャーキャピタルの収益構造|管理報酬と収益報酬


ベンチャーキャピタルは出資による資金提供を実施しています。創業前の会社であるとか、創業直後など資金調達が比較的難しいとされる状況にも対応しているので、多くの起業家が利用し始めています。

ベンチャーキャピタルは前述したように融資ではなく出資となっています。月々の返済も必要ありません。ではどのようにして収益を上げているのでしょうか?

そもそもベンチャーキャピタルはファンドです。様々な人から資金を募り、その資金の運用先としてベンチャーキャピタルを行っているのです。よって一定の収益を挙げなければなりません。そして出資者に利益を配分するだけではなく、ビジネスで行っていることなので自らも収益を得る必要があるわけです。

こちらではベンチャーキャピタルの2つの収益である「管理報酬」と「成功報酬」について徹底解説します。

ベンチャーキャピタルの収益その1~管理報酬(マネジメント・フィー)~

・管理報酬(マネジメント・フィー)とは?

日々の運用を行う上で必要となってくる管理コストのことを指しています。
管理報酬は一定率となっており、それほど高額に設定されているわけではありません。

ちなみに出資に成功したからといって管理報酬がアップすることはありません。失敗したからといって下がることもないのです。

ベンチャーキャピタルによっても管理報酬の額は大きく異なってくるので注意しましょう。

・管理報酬の額とは?

ファンド総額の2.0%から2.5%程度に設定されていることが多くなっています。
ただし管理報酬だけでは、大きなファンドではない限りは運営していけません。人件費や販管費などをまかないきれないのです。

よってベンチャーキャピタルは管理報酬だけではなく、成功報酬も狙っていかなければなりません。

実はここが味噌なのです。仮に管理報酬だけで十分に利益が出るのであれば、ファンドは出資に力を入れません。しかし大きな利益を獲得するためには成功報酬を得なければならないのです。よって彼らは真剣に出資先を選び、出資をしたら様々な協力を実施し出資先の会社を成功させようと努力します。

ベンチャーキャピタルの収益その2~成功報酬(キャリード・インテレスト)~

・成功報酬(キャリード・インテレスト)とは?

儲けのうちのファンド側が受け取る報酬となっています。
要は儲けがなければ、成功報酬をファンド側は受け取ることができません。だからこそ成功報酬と呼ばれているのです。

ベンチャーキャピタルは、必ずしも儲けが出るとは限りません。出資した企業のすべてが上場を果たせるわけではありません。途中で倒産してしまうこともあるのです。

ベンチャーキャピタルの出資の成功率ですが20%程度とされています。高かったとしても30%台とされているので、半分以上の出資先は思ったようにいっていない、ということになります。

ベンチャーキャピタルとしても必ずしも成功報酬が受け取れるわけではない、ということは覚えておきましょう。

・成功報酬の額とは?

儲けのうち20%から25%程度となっています。
仮に200億円の儲けが出たとします(100億円を出資し300億円で株式が売却できたケースなど)。

成功報酬が20%であれば、40億円がファンド側の受け取りとなります。残りの儲けについては出資者に分配される、ということになります。

成功報酬の20%から25%を高いと見るか低いと見るかは人それぞれでしょう。ただしベンチャーキャピタルはリスクを背負っていることも事実です。
仮に出資先が失敗してしまえば、成功報酬はゼロです。下手すると元本割れの状況になってしまう可能性もあります。

マイナスを出さずになるべく儲けが出るようにベンチャーキャピタルは様々な努力を実施しています。取引先や提携先を紹介してフォローしてくれるようなところもあります。経営経験者を送りこんで、様々なアドバイスをしてくれることもあるのです。

GPとLPの報酬例について

※GPとは・・・ジェネラル・パートナーのこと、ファンド運用者をさしている
※LPとは・・・リミテッド・パートナーのこと、出資者を指している

以下の条件で報酬の例を掲載します。

・総額200億円のファンドである
・年間の管理報酬(マネジメント・フィー)は2%
・成功報酬(キャリード・インテレスト)は20%
・儲けが100億円出たと仮定

GPの報酬は、まずは年間の管理報酬(マネジメント・フィー)があります。200億円の2%なので、4億円となります。
さらに成功報酬として100億円なので、その20%の20億円が報酬の対象となります。
こちらのケースであればGPの報酬は全部で26億円となるのです。

LPの報酬については200億円のうち4億円が管理報酬としてまずは差し引かれます。残りは196億円となるわけです。
さらに成功報酬のうち20%はGPの取り分となるので、残りの80億円がLPの報酬についての取り分となります。
よって276億円がリターンとなるわけです。
ただし実際に返ってくるわけではありません。儲け分のリターンがあり、元本分に関してはそのまま運用されることになります。