下請法適用会社に対しファクタリング契約が結べるのか?


下請法の適用会社に対してファクタリング契約を結んでもらう、ということも大きな企業としてはあり得ることでしょう。そもそも多数の取引を行っていると手形をたくさん発行することになります。手形を発行するのも手間となるので、避けたい、と考えている方は多いわけです。

そこで出てくるのが、下請け会社にファクタリング契約をしてもらう、という部分です。ファクタリング契約をしてもらえれば手形を大量に発行する手間も省けます。会社としてずいぶんと業務が楽になるわけです。

しかし下請け会社に関しては「下請法」と呼ばれる法律があります。下請け会社を守ることを目的とした法律であり、仮にファクタリング契約を依頼したとなると抵触するのでは、といったことを考えてしまう方もいるでしょう。

こちらでは、そもそも下請法とはどういった法律なのか。さらに下請法適用会社に対しファクタリング契約を依頼できるのか、ということについてお伝えします。

下請法(下請代金支払遅延等防止法)とは?

・下請け会社の立場を改善するための法律である

下請け会社は、親事業者からの厳しい要望であったとしても対応しなければならない状況が多くなっています。定額な賃金や過酷な労働条件などを押し付けられてしまうこともあるのです。立場的にしたくないことでも拒否できないケースが以前は多くありました。

そこで下請け業者の権利と正当な対価を確保するために、下請法ができたわけです。

※下請法の正式名称は「下請代金支払遅延等防止法」といいます。

・下請法の主な中身

・下請代金の支払期日を明確にしなければならない
・支払いが遅延した場合には利息を支払わなければならない
・(契約時に)書面を交付しなければならない
・下請代金の減額や買いたたきを禁止する
・割引困難な手形の交付を禁止する
・不当な給付内容の変更を禁止する
・不当な業務のやり直しを禁止する

下請法には上記したようなものが掲載されています。
要は親事業者の勝手が通らないようになったのです。まずは契約を明らかにするために、契約関連の書類をしっかりと作成しなければなりません。契約関連の書類がなければ、そもそもどのような契約がされているかもわかりません。親事業者の言いなりになってしまわないようにするためにも、書類の作成が義務付けられたのです。

下請け業者は資金難になることもあります。その時に手形割引を利用して、受取手形を早く現金化する方法もあります。しかし下請法が確立される前は、手形割引ができない設定にされてしまっていたこともあったのです。資金がショートしそうであったとしても手形を自由に割引さえできませんでした。

要は下請け会社が会社として一般的な権利を行使できるようにしたのが下請法なのです。当たり前のようにも思えますが、会社にはそれぞれ立場があります。その立場の強さと弱さによって状況が大きく異なってくるわけです。

下請法適用会社にファクタリング契約を依頼できるのか?

・下請法に抵触することはない

ファクタリング契約を依頼することに関しては、特に大きな問題がありません。もちろんあくまで「依頼」という部分に注目してください。

仮に下請け会社に対してファクタリング契約を矯正した場合には「独占禁止法」に抵触してしまいます。さらにファクタリングの導入に応じない下請け業者を不当に扱うことも独占禁止法の違反となるので、取り扱いには十分に気をつけましょう。

あくまでファクタリング契約に関しては依頼にとどめ、応じてくれなかったとしても問題視しないことが必要になってくるわけです。

・なぜ下請法ではファクタリング契約依頼が問題視されないのか?

そもそもファクタリングは、売掛金を早く現金化して資金を確保する資金調達法の一つとなっているのです。会社が資金難に陥った時には、何かしらの方法で資金調達をしなければなりません。その時の選択肢の一つがファクタリングなのです。下請け会社の中にも、言われなくても勝手にファクタリング契約をしているケースは珍しくありません。

下請け会社にもファクタリングをする権利があるわけです。

確かにファクタリングを利用すると、ファクタリング業者に対して手数料を支払わなければなりません。満期まで保有するよりも獲得できる資金が少なくなってしまうのです。しかし親事業者が得するわけではありません。あくまでファクタリング業者が利益を得ることになり、親事業者としては支払う金額は一緒なのです。よって親事業者が得することはないので、下請法には抵触しない、という考え方もできるでしょう。

下請法とファクタリングの支払い期日

ファクタリングを利用した時に支払いの期日ですが、60日以内に納めなければなりません。60日を超えてしまうと、下請法の違反となってしまうのです。
前述したようにファクタリングを依頼すること自体には問題はありませんが、支払期日の制限があるので注意しましょう。