売掛金と仕入れの買掛金を相殺する会計処理の方法とは?


同じ取引先に「売掛金」と「買掛金」がある、というケースも珍しくありません。仮に同じ取引先に売掛金と買掛金があるのであれば、お金のやり取りは面倒ではありませんか?

そこで考えるべきなのが売掛金と仕入れ費用の相殺処理なのです。売掛金も買掛金も掛取引によって行われています。入金も先ですし、支払いも先になります。その時期を待って支払いを行ったり入金を待っていたりしてもあまり意味はありません。

こちらでは売掛金と買掛金の相殺における会計処理についてお伝えします。
まだ相殺処理をした経験がない、といった企業は必見です。

そもそも売掛金と買掛金の勘定項目とは?

売掛金と買掛金は決済の上でどの様に扱われているのかみなさんはご存知でしょうか。しっかりと知識をつけておきましょう。

買掛金は代金後払いの時に発生する仕分けの一つで、仕入れ債務の一つなので、貸借対照表の中の夫妻に含まれるものです。買掛金が発生したときには借方に仕入れの勘定項目として金額を記載し、貸方として買掛金として同一金額を記載します。

また、買掛金の支払いが行われたときには借方に買掛金として金額を記載し、貸方に支払い手段を記載した後に金額の記載を行います。

売掛金の場合にはこの逆で貸借対照表の場合には債権として取り扱われます。記載も買掛金の逆になるので、買掛金の取り扱いがわかれば非常に簡単だと思います。

売掛金や買掛金というのは企業と企業の間の信用をもとに成り立っている取引で、この様な取引を行う時に一番注意したいのが信用を損ねてしまうことです。取引の回数が増えることでその都度現金で決済をするのが難しいという実情に合わせてこの様な掛取引が行われていますが、掛取引の支払いが遅れてしまった場合には大きな迷惑を相手企業にかけてしまいます。

売掛金や買掛金があるおかげで資金決済をまとめて行うことができるので、掛取引を続ける場合には取り扱いに注意しながら利用をしましょう。

売掛金と買掛金の相殺処理とは何だ?


取引先企業と債務を対当額のみ消滅させるもの

対当額ということですが、仮に100万円の売掛金と100万円の買掛金が同じ取引先にある場合には売掛金を100万円減らして買掛金を100万円減らすだけです。特に難しい処理となるわけではありません。

一方で売掛金と買掛金の金額に差異がある場合には、対当額のみを消滅させる処理を行います。例えば売掛金が150万円あり買掛金が100万円ある場合には、買掛金は全額消滅し売掛金は50万円残るわけです。

相殺処理のメリットとは?

まずは現金のやり取りの量を減らすことが可能です。相殺できてしまえば、とりあえず会社からお金を移動しないで済むわけです。資金を確保できる、といった面もプラスの影響となります。

もう一つ注目してほしいのが、債権の回収が難しい場合の対処方法としての利用です。売掛金に関しては、貸し倒れが発生することもあるのです。貸し倒れが発生してしまえば、回収ができないことになります。予定していた入金がない事により、資金繰りが悪化する可能性まであるわけです。

しかし相殺処理ができるのであれば、回収の手間が省けます。さらには会社から出ていくお金を減らすことにもつながってくるわけです。売掛金と買掛金が同額であれば、プラスマイナスゼロです。

回収の遅れが発生しそうな売掛金があるのであれば、「相殺による回収」といったことも考えておきましょう。ただし売掛先と同じ企業に買掛金があることが条件となります。どの会社の買掛金とでも相殺できるわけではありません。

相殺処理の手続きについて

相殺は勝手に行うことは禁じられています。取引先としても入金があるものと思っているかもしれないからです。

仮に相殺をする場合には、必ず取引先に対して相殺を実行する旨を伝えてください。内容証明郵便を利用すると「伝えた」「伝えられていない」といった齟齬が発生することもありません。

相殺については特に承諾を得る必要はありません。しかし前もって伝えておく、ということが必要になってくるのです。ビジネスマナーにもなるので、覚えておきましょう。

相殺処理の仕訳を徹底解説

まずは売掛金発生時と買掛金発生時の仕訳について軽く記載します。

同じ企業に対し商品を200万円で売上げ、商品を120万円で購入したとします。

(借り方)売掛金 200万円 (貸し方)売上 200万円
(借り方)仕入れ 120万円 (貸し方)買掛金 120万円

相殺した場合の仕分けに関しては以下のようになります。

(借り方)買掛金 120万円 (貸し方)売掛金120万円

相殺できるのは、対当額となっているので120万円までとなります。よって売掛金の80万円は保持したままとなります。

当初は200万円の回収をしなければなりませんでした。さらに120万円の買掛金を支払わなければならなかったのです。経理処理としてもかなり面倒です。お金の出入りについてもしっかりと確認しておかなければなりません。

相殺することで上記の場合は売掛金の80万円が入金されているかを確かめるだけです。他にしなければならないことはありません。

ちなみに相殺処理をしたものの残りの売掛金が貸し倒れてしまう、ということはあるでしょう。相殺処理は取引先の資金繰りの悪化の結果として行われることもあるのです。

では上記のケースで引き続き考えてみましょう。売掛金が80万円余っているわけですが、取引先が倒産したことで回収できなくなったとします。その場合の会計処理は以下の通りになります。

(借り方)貸し倒れ損失 80万円 (貸し方)売掛金 80万円

まずは貸し方項目に売掛金の残額を記載して、該当する業者の売掛金をゼロにします。これで売掛金の会計処理は済んだことになります。
さらに売上が計上されているので、損失で対応しなければなりません。その時に計上する勘定項目は「貸し倒れ損失」となります。損失を計上することになるので、利益からマイナスされることになり、結果として損益が正しい金額になるわけです。

仮に入金されていないのに損失計上しないでいると、売上がそのまま反映され税金がより大きくかかってしまう結果を招くかもしれません。よって倒産など回収できない事実が発生したときには、必ず損失計上しましょう。

ちなみに翌年度以降になったとしても、貸し倒れ損失は計上できるので安心してください。