売掛金額の適切な予測方法|経営者が知っておくべき基礎知識


経営者に関しては、会社をうまくまわしていくことが求められます。特に資金繰りについては理解しておかなければなりません。仮に理解できないでいると、資金繰りの悪化に気づけずにキャッシュのショートを招く可能性もあるのです。利益ばかりに注目していると黒字倒産になってしまうかもしれません。

その資金繰りに大きく関わってくる資産が「売掛金」です。売掛金とは売上に付随して発生するものであり、後に現金として入金されます。

よって売掛金に注目することで、後の資金繰りも予測できるわけです。売掛金の予測がうまくいけば、会社の将来が見通せるようにもなります。

こちらでは売掛金の適切な予測方法をお伝えします。

■売上高に対する売掛金の比率を計算すること

あなたの会社では売上高のうちどのくらいの割合が売掛金でしょうか。

売掛金以外にも

・受取手形
・現金

上記のもので受け取っているケースもあるでしょう。各企業によって売掛金の売上高に占める割合は異なっているのです。

毎月一定の売上高がある場合には、計算は簡単かもしれません。数カ月分の売上高とそのうちどれだけの売掛金が入ってきているかを調べていけば、割合が導き出せるはずです。

しかしほとんどの企業が月によって売上高が異なっているでしょう。特に繁忙期と閑散期がある企業に関しては、時期によって売上高が大きく異なっているわけです。

売上だから各月によって大きく異なっている場合には、もう少し簡略化した計算方法があります。前期の売上高と前期の売掛金残高を用意してください。

例えば前期の売上高が1,000万円であり、売掛金の残高が200万円であるとします。
売掛金残高を売上高で割ってみましょう。200万円÷1,000万との計算式となるわけですが、結果は0.2となり期末には20%の売掛金残高が残っていることになります。

そこで今期の売上目標額はいくらでしょうか。ここでは1,200万円としておきます。
1,200万円に売掛金残高の割合である20%をかけてみましょう。結果は240万円となるわけです。

かなり簡略化した計算方法なので必ずしも正しいわけではありませんが、ある程度安定している企業であればそれなりの精度は有しています。

さらに売掛金の残高がわかれば1年間で会社に入金してくる額もある程度は把握できます。手形を取り扱っていない、というケースであれば、売上高から残高をマイナスすればよいのです。上記のケースであれば、1,200万円-240万円となり、当期売上分の現金入金額は960万円となります。

ただしその計算結果はあくまで当期売上分です。前半に関しては前期売上分の売掛金の入金もあるのでさらにプラスしなければなりません。こちらでは前期の売掛金の期末残高は200万円なので、960万円+200万円となります。その結果は1,160万円となるのです。

大まかではありますが、売掛金予測から資金繰りの状況が見えてきたのではありませんか?

■さらに予測精度を高める方法

・貸し倒れ比率を計算に含めること

売掛金は必ず入金されるものではありません。貸し倒れが発生する可能性があるのです。
各企業では貸し倒れ比率を把握しているはずです。その貸し倒れ比率を含めることで、より正確な資金繰り予測も出来るようになります。

貸し倒れ比率を3%とした場合で計算してみましょう。
前期の売掛金残高を500万円とし、売上高に占める売掛金の残高比率を30%とします。

今期の売上予測は2,000万円であった場合には、期末の売掛金残高予測は600万円となります。

今期分の売掛金の入金額は2,000万円-600万円となり、1,400万円です。さらに前の売掛金残高が500万円なので、あわせて1,900万円の売掛金が入金されたはずです。しかし貸し倒れが発生するので、その分を差し引かなければなりません。

貸し倒れ比率に関しては3%としているので、1,900万円×3%で計算します。貸し倒れ損失の予測額は57万円となるので、1,900万円からその57万円を引いてください。結果は1,843万円となります。

要は上記のケースであれば今期の売掛金における入金予測は1,843万円となるわけです。

貸し倒れ比率に関しては必ずしもあたっているとは限りません。しかし企業としても貸し倒れ引当金を設定しているのではありませんか?貸し倒れ引当金を設定しているのであれば、貸し倒れ損失の比率を把握しているはずです。

貸し倒れ比率を含めた資金繰り予測についてもそれほど難しいわけではありません。

■貸し倒れ比率が高い場合にはどうすればよいのか?

貸し倒れ比率が高いのであれば、取引先選びを誤っていることになります。与信調査をしっかりと行っているでしょうか。掛取引をすることになるので、信頼できる企業でなければ取引先としては適当ではありません。

かならず審査を実施し、債務超過に陥っていないか?などの情報を集めましょう。

あまりに貸し倒れ比率が高い場合には、一定割合をファクタリングすることも考えましょう。ファクタリングとは売掛金の売却を指しています。期日前に現金化させる方法であり、仮に貸し倒れたとしても自社で対応する必要はありません。