売上代金の回収方法のうち「売掛金」には注意が必要な理由


商品やサービスの販売・提供において、どのタイミングで売上を計上するのかは、業種が行う取引内容ごとに税法で規定が設けられています。

売上を計上した後でその代金を回収する方法が重要になりますが、その中でも売掛金には特に注意が必要です。

 

なぜ売掛金には注意が必要なのか

売上代金を回収する方法には、

  • 引き渡しと同時に受け取る方法
  • 後日受け取る方法
  • 前受金として受け取る方法

などがあります。

この中でも、後日に代金を受け取る「掛け売り(売掛金)」の取り扱いを行う場合、締め日に取引先ごとに請求額を集計・発行し、期日を定めて代金を回収するという流れになります。

売掛金とは、売上はあがっているけれど、その代金がまだ回収できていないものなので、仮に毎月200万円の売上があり、その代金は翌月末に入金されるとします。

1月末の売上200万円は2月末に入金されることになるので、仮に年度末を2月に迎える会社であれば、翌年度に売掛金として200万円、回収できないまま残る形になります。

翌月末入金ではなく、翌々月末入金の支払いサイトの場合であれば、12月と1月の売上分である400万円が年度末時点で回収されまま残ってしまいます。

 

売掛金と売上の関係

たとえば、年間売上1億2千万円、月の売上は毎月1千万円の会社があり、決算書をみると売掛金として4千万円計上されていたらどう感じるでしょう。毎月1千万円売上があるので、4か月分が売掛金として残ったことになります。

売上から入金されるまでの期間が長期に渡る業種の場合、たとえ売上の4か月分の売掛金が残っていても違和感はないかもしれません。

年度末を迎える少し前に大きな契約があり、売上としてあがったけれど入金はまだされていないという場合など、起こりうる状況ともいえます。

しかし、このようなケースでない場合は、単に売上の4か月分の売掛金が残っただけのことです。

 

その売掛金に不良債権は混ざっていないのか

一般的に、売上から売掛金が入金されるスパンで最も多くみられるのは、翌月、または翌々月ですので、決算書に売掛金として残っているのは月の売上の1~2か月分となります。

売掛金が月の売上の4か月分残っていれば、一般的なケースよりも多いという印象を持たれるでしょうし、回収が不能な状態の不良債権があるのではという想像を働かせる可能性もあります。

売掛金は回収することができるもののため、決算書では流動資産に振り分けられています。会社の資産となるものですが、その中に回収できないマイナスの不良債権が混ざっているとなれば、プラスとして表示されている数字と実際の数字が合っていないことになります。

数字と実情にズレが生じている状況が不利になるのは、銀行融資などを申し込み、担当者が決算書を確認したときです。

 

売掛金の未回収は経営に大きな打撃となる

いずれにしても、売掛金は売上の後で代金を回収するもののため、その支払いサイトが翌月や翌々月だろうが、リスクを負うことにかわりはありません。

仮に10万円の商品を売ったけれど、その代金が回収できなかったとします。回収できなかった分、より多く商品を販売して利益を出せばよいと考えるかもしれませんが、回収できない10万円の商品分を補うためには、どのくらい同じ商品を売ればよいと思いますか?

10万円の商品なのだから、2倍売れば問題ないと考えるのは大きな間違いです。仮にこの商品の粗利益率が20%とすると、10万円分回収する必要があるので、

10万円÷20%=50万円

となり、商品を50万円分販売しなければならなくなります。

2倍ではなく、5倍売れば同じ粗利率を保つことができると考えられますが、それ以上にも経費や時間が必要です。

売掛金が回収できないという状況は、企業にとって大きな打撃になるということを理解しておくことが大切といえるでしょう。もし回収できない売掛金が出てくれば資金繰りが悪化する可能性も高くなるので、かなり注意しておかなければなりません。

 

売掛金の未回収リスクを回避するには?

売掛金が回収できないリスクを回避するために最もよい方法は、代金はすべて前払い、または掛け売りはやめてその場で現金払いしてもらうことでしょう。ただ、実際に取引先に交渉したとしても、受け入れてもらえる可能性は限りなく低いはずです。

しかし、すでに資金繰りが悪化した状態である場合や、決算書にも売掛金として多く数字が記載されることが気になるという場合もあるかもしれません。

このような場合、売掛金を売却し、現金化するファクタリングを検討することで、売掛金に対する悩みを解決することができます。

売掛金を売却する相手はファクタリング業者ですが、売掛金の貸倒リスクはファクタリング業者が負うことになりますので、手数料としていくらか差し引かれた分が売掛金の買取代金として入金されます。

 

まとめ

掛け売りを採用することにより、得意先や売上が増えることは悪いことではないのですが、未回収リスクを抱えることになる点は理解しておくことが大切です。

確実に請求したとおりの金額が確実に入金されているかを管理し、支払いが遅れがちの取引先などには注意しておく必要があります。

支払いサイトの長い売掛金が多く残っている場合など、資金繰りを悪化させる要因となりますので、早期に現金化できるファクタリングなど検討するようにしてみましょう。