経営で必ず必要となる運転資金を調達する方法は借入れだけじゃない!


会社が経営を続けるためには、そのために必要とする運転資金が途切れず供給し続けることが重要です。

無理の生じない方法で事業計画を立て、売上を向上させながら資金がショートしない運営が求められますが、不測の事態が訪れることで資金繰りがむつかしくなることもあるでしょう。

そのような場合、どこからか資金を調達すればよいか頭を悩ませることになりますが、資金を借入れるのか、それとも所有している資産を売却して資金化するのかなどが考えられる方法といえます。

どちらがよいのかはケースバイケースですが、借入れを行うと「返済」という負担が増えることは確かです。そこで、ここでは資産を売却して資金化する方法をご紹介します。

 

売掛債権を使った資金調達方法

会社の流動資産のうち、売掛債権を利用して資金調達を行う方法です。

取引先などに商品やサービスを販売・提供したとき、現金で決済される企業はそれほど多くないでしょう。実際には、後日、請求書などを発送し、その請求額が企業の口座に振り込まれるといった掛け売りが行われています。

この掛け売りによって発生した売掛債権は、取引の内容によって異なるものの、入金されるまでの支払いサイトが、3~6か月など長期に渡るケースもめずらしくありません。

しかし、入金がなされるまでの間、材料や仕入れにかかる費用、製造や管理にかかる費用、人件費など、とても様々な経費の支払いは発生し続けます

売上に対する入金があってから支払いを行いたくても、支払いは待ってくれませんので、その間は支払いに充てるための運転資金が必要になります。

そこで、将来入金予定の売掛債権を利用し、支払期日より早く資金にかえてしまおうという考え方です。

ただ、売掛債権を使う方法もいろいろあるので、それぞれの特徴など把握した上で決めるようにしてください。

 

売掛債権を証券化する

決済期日に支払われることになる代金を裏付けとして、売掛債権を証券化する方法です。

SPVという事業体に売掛債権を譲渡しますが、譲渡された売掛債権はSPVが金融商品として投資家に販売することになります。

SPVを介さなくても、自社で売掛債権を証券化すればよいと思うかもしれませんが、万一、売掛先が倒産した場合などは投資家に対して売掛債権の買い戻しを行うことが必要になります。

また、自社が倒産してしまった場合においては、譲渡した売掛債権が差し押さえの対象となるため、投資家に支払いができなくなる可能性が高いといえます。

しかし、SPVを介することにより、売掛債権と自社を切り離すことができます。万一、売掛先が倒産しても買い戻しの必要はありませんし、自社が倒産してしまっても差し押さえられることはなくなります。

さらに、貸借対照表に表示される売掛債権の額が減少するので、資産のオフバランス化にも役立つでしょう。

 

売掛債権を担保として借入れを行う

売掛債権の信用力を担保に金融機関から融資を受ける方法です。

信用保証協会の売掛債権担保融資保証制度を利用して融資を受ければ、銀行も安心して売掛債権を担保にすることができるので、資金を調達しやすいでしょう。

ただし、借入れを行うということは、返済負担が増えることを認識しておく必要があります。

万一返済ができなくなった場合、借入残高の9割は信用保証協会が弁済する形となりますが、信用保証協会と金融機関で担保に設定している売掛債権から回収を行うことになってしまいます。

不動産を失う可能性があることは十分に理解しておきましょう。

 

売掛債権を売却する

ファクタリング会社に売掛債権を売却し現金を受け取る方法ですが、この方法はファクタリングと呼ばれ、近年、多くの企業で実施されている資金調達方法の1つといえます。

売掛債権証券化や売掛債権担保融資は手続きが煩雑で手間がかかりますが、ファクタリングは比較的簡素な手続きで資金を調達できることが特徴です。

また、売掛債権が回収できなくなったときに弁済負担を負う必要は発生しないファクタリング会社を利用すれば、万一、売掛先が倒産してしまった場合でもその責任を負うことはありません。

比較的容易に資金化でき、売掛債権に伴うリスクは完全に移転することができることがメリットです。

さらに流動資産から売掛債権を減少させることができるので、オフバランス化やキャッシュフロー経営に繋げることが可能となるでしょう。

 

売掛先の信用力を把握するきっかけにもなる

また、ファクタリングを利用する場合は手数料が発生しますが、売掛債権の安全性、額面金額、支払いが行われるまでの期間など、様々な要素を総合的に判断した上で手数料の金額が決まります。

これらを判断するにあたり、ファクタリング会社では売掛先の信用調査を行うことになりますが、その結果を知ることでその後、売掛先との取引に生かすこともできるでしょう。

ファクタリング会社の数はとても多いですが、中にはコンサルタント業務も並行して行っている企業があります。コンサルタント業務も行うファクタリング会社に依頼できれば、新規取引先の選定、与信限度額の決定などでアドバイスを受けることもできます。

 

まとめ

資金調達に使える方法というと、借入れくらいしかないだろうと考える方もいるようですが、実際にいろいろな方法があります。

手元の資産を上手くつかって資金を調達できれば、キャッシュフローの改善にも繋がりやすいですし、借入れでない方法であれば返済負担を増やすこともなくなります

現状とどの資金調達法が最も適しているのか改めて確認し、将来負担が増えない資金調達の方法を採用するようにしましょう。