優良企業と判断されることの重要性|銀行の信用格付けの基準とは?


企業活動を行う上で、メインバンクと良好な関係を築いておくことは、融資が必要になったときのためにも大切なことといえます。

しかし、実際に銀行が融資を行うのは優良と判断された企業であり、格付けによって融資ができないと判断されてしまえば借り入れを行うことはできません。

そこで、どうすれば銀行に優良な企業と判断されることになるのか、格付けごとの基準を確認しておきましょう。

 

銀行が優良企業か判断する格付けはいわば通知表

バブルが崩壊した後、新しい融資の基準として設けられたのが企業格付です。この格付けは、企業にとっては通知表みたいなものといえます。

企業が優良であると判断される基準は、それまでの銀行との付き合いの長さや支店長との親しさなどに左右されない、財務バランスとキャッシュフローを重視するものに変わったといえるでしょう。

日本の中小企業の約7割は赤字といわれていますが、その状況でも大企業と同様の財務体質改善が要求され、融通がきかないと感じられる審査基準にも立ち向かうしかないのです。

 

どのような格付けに分類されるのか

銀行では、企業を、正常先、要注意先、破綻懸念先、実質破綻先、破綻先などに格付けして分類しています。新規で融資を受けたい場合には、これらのうちどの区分に分けられるかが重要です。

正常先から下の格付けと判断され分類された場合、融資を受けることはできなくなる可能性が高くなるため注意が必要であると理解しておきましょう。

 

格付けごとの判断基準の内容

銀行から正常先と判定されるには、安全性成長性収益性(今後の見込み)、自己資本比率や財務の健全性などの財務内容などで信用格付けを行います。正常先の中でも、さらに優良と判定された格付けを得られれば、有利な条件で融資を受けることが可能となるはずです。

まずはそれぞれの格付けの判断基準の内容を知っておき、銀行に優良な企業と判断されるために必要なことを確認しておきましょう。

 

正常先

業況は良好で、財務内容も特に問題がないと認められる場合には正常先と格付けされます。決算書上の当期利益はプラスであり、純資産の部に累積損失であるマイナスの表示がないことも必要です。

ただ、創業して5年以内の企業において、事業計画で予定された赤字であり黒字化が見込まれる場合や、固定資産売却損や役員退職金などが要因となった一過性の赤字の場合、会社に余剰資金や経営者に資産があることで返済能力に問題ないと判断されれば、正常先と判定されることもあります。

最もよい判定が1として、10段階まで信用格付けがされるとすれば、1~6までであれば正常先に分類されることとなるでしょう。

 

要注意先

業績が不調であり、財務内容に何らかの問題が生じている場合や、延滞などがある場合には要注意先と判定されます。10段階評価における格付けの評価では、7程度に相当することとなります。

決算書上の当期利益がマイナス、または純資本の部にマイナス表示がある場合や、融資に対する返済が1か月以上延滞していたり債務超過であるなどの項目の中で、いずれかを満たす場合は要注意先に格付けされる可能性があると考えておきましょう。

 

要管理先

要注意先のうち、融資に対する返済の延滞が3か月以上である場合や、融資条件の緩和対応などが実施されている場合は要管理先と判定される可能性が高いでしょう。10段階評価における格付けは同じく7程度に相当しますが、要注意先よりもさらに評価が下がります。

 

破綻懸念先

今のところは経営が破綻する状況にはないものの、厳しい経営状況に置かれているため破綻する可能性が大きいと判断される場合に分類される格付けです。10段階評価における格付けは8程度に相当することになります。

決算書では、2期連続して債務超過である上に融資に対する返済が3か月以上延滞している、もしくは返済が6か月以上遅れているなど、どちらかの要件を満たす場合は破綻懸念先に分類される可能性が高くなります。

新規で融資を受けることができないだけでなく、すでに利用している借り入れの早期回収や金利上昇などを求められることもあるため、事業が継続できなくなるリスクはさらに高まってしまいます。

 

実質破綻先

経営破綻という状況にはないものの、実情はかなり厳しく深刻な経営状態であり、再建の見通しが見込めないなど実質上の経営破綻であると判断される場合に分類される格付けです。10段階評価の格付けでは9に相当することになります。

 

破綻先

倒産や清算、更生の手続きを行っていたり、手形交換所の取引停止処分を受けているなど、法的に経営破綻している状態である場合に分類される格付けです。10段階評価の格付けで最も低い10に相当します。

 

銀行から優良企業と評価されるために必要なこと

銀行が企業の格付けを行うときには、具体的に近年の売上や収益状況、今後の収益見込などを評価することになります。

評価が高くなるケースとは、

  • ・安定して黒字経営が続いている場合
  • ・大幅な黒字がある場合
  • ・自己資本比率が高い場合
  • ・財務状況が健全な場合
  • ・収益増加傾向が見込まれる場合

などです。

また、価値の高い担保や個人資産を多く保有する保証人など、信用リスクをカバーできる担保や保証人が設定できる場合、銀行も融資に積極的になりやすいといえます。

経営者の経営能力、資質、企業を取り巻く経営環境なども加味されるため、業歴が長いほうが安定した企業と捉えられやすくなると考えられるでしょう。

 

まとめ

いつでも銀行から融資を受けることができるようにするには、優良企業として格付けされておくことが求められます。

銀行の信用格付けや区分の方法はマニュアル化されているため、あとは金融機関ごとに定めされた評価や基準に従うこととなります。

しかし、いずれの銀行でも基本的な方法や考え方に差はなく、決算書に基づいた第一次評価が重視される傾向にあります。

中小企業の多くは、格付けのうち正常先と要注意先の境界線にいると考えられるため、ちょっとしたきっかけで正常先から要注意先にランクが低下することもあると考えられます。

正常先と判定されていなければ、資金調達は難しくなると理解しておき、キャッシュフローが悪化していると判断されない状況を継続できるようにしておきましょう。