ファクタリングは小口の売掛債権や個人事業主でも利用可能?


個人事業主や中小企業などの資金調達の方法として、銀行などからの借り入れが用いられることが一般的ですが、銀行に借り入れを申し込んでも審査に通らなければ資金は調達できません。

そこで、借り入れに依存し過ぎないための事業資金の調達方法として、近年ファクタリングが注目を集めるようになりました。

ファクタリングは保有している売掛金などの売掛債権をファクタリング会社に売却し、入金される期日よりも先に現金化することで資金を調達する方法です。

しかし、個人事業主や規模の小さな中小企業など保有する売掛金などの売掛債権は、比較的小口である場合も少なくなく、それでもファクタリングは利用できるのかと不安を感じる方もいるようです。

そこで、経営基盤の弱い個人や企業が保有する小口の売掛金でも、ファクタリングに利用することは可能なのかご説明します。

 

個人事業主とは契約しないファクタリング会社が多い理由

ファクタリング会社は年々増えている上に、会社によってセールスポイントや強みとしている部分が異なります。

そのため、どのファクタリング会社にファクタリングを依頼するのか迷うことも少なくないようです。

しかも、個人事業主でも利用可能としているファクタリング会社の数も圧倒的に少なく、どこにでも依頼できるわけではありません。

なぜ個人事業主との契約は行わないファクタリング会社が多いのかというと、保有する売掛金が比較的小口であることが多いこと、さらに譲受人が対抗要件を持つために必要とする債権譲渡登記ができないことが挙げられます。

 

売掛金が小口だと手数料でほとんど手元に残らないこともある

ファクタリングを利用する場合には、手数料をファクタリング会社に支払うことが必要です。支払う手数料には、債権譲渡登記にかかる印紙代、登記を依頼する司法書士に対する報酬、その他交通費や紹介料などの10~15万円の諸費用分も含まれますので、売掛金の金額が低すぎると現金として渡される金額がごくわずかになる場合もあります。

そのため、最低100万円からの買い取りというように、売掛債権額に下限を設けているファクタリング会社も少なくないようです。

 

小口の売掛債権はファクタリング会社にも好ましく思われない

小口の売掛債権を買い取ることは、ファクタリング会社にとって手間がかかる割には儲けが少ない案件と捉えられるケースも少なくありません。

売掛債権の金額が大きくても小さくても、ファクタリング会社の手間はそれほど変わりません。多少は審査項目に違いがでたり、書類が複雑になることもあるでしょう。

しかし、小口の売掛債権の場合、手間にかかる人件費や広告宣伝費などを差し引けば、ファクタリング会社にとっては利益が残らないだけでなく損失を抱える可能性も出てくるようです。

もし、ファクタリングを利用する会社の年商や、売掛債権額の下限を高めに設定しているファクタリング会社があった場合は、儲けが少ないので小口は扱わないという考え方が根底にあるといえるでしょう。

一定規模から上のユーザーを狙うファクタリング会社よりは、小口の売掛債権でも買い取りを可能としているファクタリング会社のほうが、個人事業主や中小企業にとって利用しやすく親身になってくれる会社だといえるでしょう。

 

対抗要件を持つために必要な債権譲渡登記ができない

ファクタリング会社は、売掛債権を買い取るにあたり、第三者に対する対抗要件に備えるため債権譲渡登記を行います。ただし、債権譲渡登記を可能とする対象は法人が行う指名債権なので、個人事業主が取引相手では債権譲渡登記を行うことはできません

そのため、個人事業主と契約を結ぶことはファクタリング会社にとってリスクが高い取引となるため、個人事業主は取引の対象外としているケースも少なくないようです。

 

ファクタリング会社によりどこまで対応できるかは異なる

ただ、ファクタリング会社の中には、登記を行わずにファクタリングを行ってくれる柔軟な対応が可能な会社もあります。登記を行わないファクタリング会社であれば、個人事業主でも利用できるでしょうし、登記にかかる費用が発生しないので小口の売掛債権でも対応してもらえるはずです。

また、1件ずつの売掛金の金額は小口だとしても、何十件など複数合わせれば調達希望金額に達するというケースもあるでしょう。

小口債権をまとめて集合債権とし、債権譲渡契約を結んでくれるファクタリング会社や、主要取引先との間で毎月発生する売掛債権を継続的にファクタリングして、数か月間の資金供給を行うといった対応が可能なケースもあるようです。

ファクタリング会社によってどこまで対応してくれるのか異なりますので、まずは個人事業主との取引を可能とし、小口の売掛債権も買い取ってくれるような柔軟な対応を可能とするファクタリング会社を見極め、相談してみることが必要です。

 

まとめ

ファクタリングを利用する場合、売却する売掛債権は最低でも100万円くらいは必要というケースも少なくありません。

その理由として、ファクタリングを行うために登記などにかかる費用が少なくても10万円程度はかかるため、売掛金を現金化しても残るお金が少なくなること、ファクタリング会社側も手間がかかる割に儲けが少ないことが挙げられます。

また、個人事業主の場合は、必要な登記自体が行えないため、法人のみとの契約としているファクタリング会社もあります。

しかし、中には未登記のままでファクタリングを行い、個人事業主とも取引を可能としている場合や、小口の売掛債権でも買い取り可能としていることもありますので、このような柔軟な対応を行ってくれるファクタリング会社に依頼することをおすすめします。

発生する手数料により、現金化した後で手元に残る金額も異なります。できるだけ良心的な手数料が設定されているファクタリング会社に依頼できるように、必ず複数社から相見積もりを取得し比較・検討するようにしましょう。