ファクタリングでの登記とは|何のために行う手続きなのか


登記とは、一定の事項を公に示すために、後悔された帳簿に記載するための手続きのことで、第三者に不測の損害を与えないために必要な制度です。

権利関係などを公示するために行いますが、申請手続きは登記所である法務局で行います。

一般的に周知されている登記には、土地や建物に関して行う不動産登記、会社設立などで行う商業・法人登記などが挙げられますが、他にもマイホームを購入するときに利用する住宅ローンに必要な抵当権設定登記、成年後見登記、債権譲渡登記、船舶登記、工場財団登記などいろいろな種類があります。

融資やファクタリングなどで資金を調達する場面でも登記は行われますので、何のためにどの登記を行うのか、その内容をご説明します。

 

登記という制度が設けられている理由

登記は、土地や建物、会社や法人などを公示することで、円滑な取引と安全に寄与することが目的です。

大切な財産ごとに設けられた登記簿というファイルに、その財産の情報を記録し、取引などが安全に行われるような保障をしているといえます。

 

資金調達の場面で行われる登記とは

資金調達の場面で行われる登記には、不動産などを担保として差し入れて融資を受けるときの抵当権設定登記などが挙げられますが、ほかにも債権譲渡登記も行われます。

担保価値の高い不動産を所有していなければ、資金需要を満たすことができないので希望する資金を調達できなくなります。

そこで、取引先の売掛債権などを担保として融資を受けるために、債権譲渡登記が行われる流れです。

 

債権譲渡登記を行う目的

債権譲渡登記を利用することで、簡単に第三者に対する立証が可能となる点が大きなメリットでといえます。

たとえば、企業が銀行から融資を受ける担保として、取引先の売掛債権を担保として銀行に譲渡するといったことが一般的な使われ方です。

譲渡に係る債権は、債権者が特定していて債権の発生や行使に書面を必要としない指名債権であり、金銭の支払いが目的のものに限られますが、債務者が特定していない将来債権でも登記は可能です。

 

債権譲渡通知を行わなくても対抗要件が取得できる

債権譲渡について、当事者間で効力が生じた権利関係を第三者に主張する対抗要件を取得するには、民法では売掛債権の譲渡人である企業が、取引先に対して確定日付のある証書債権譲渡通知を行わなければなりません。

ただ、例外として債権譲渡登記を行うことにより、取引先以外の第三者との関係では、民法の規定による確定日付のある証書で通知されたものとみなされるため対抗要件を取得することが可能となります。

 

取引先に知られることなく資金調達が可能に

債権譲渡登記を行えば、わざわざ取引先に債権譲渡の通知を行わなくてもよいので、資金繰りが悪化しているのではないかなど、無用な勘ぐりや不安を抱かせることもないでしょう。

これと同じことがファクタリングでも行われているわけです。

 

ファクタリングでの債権譲渡登記

ファクタリングには2社間と3社間での契約がありますが、3社間ファクタリングの場合には、利用者から取引先に対して、ファクタリング会社に債権を譲渡した旨を知らせることが必要です。この債権譲渡通知が行われることで、対抗要件を取得することになります。

ただ、多くの企業が、取引先に売掛債権を譲渡したことは知られたくないと考えるため、取引先を間に挟まずに契約する2社間ファクタリングが多く利用されています。

ただし2社間ファクタリングでは売掛先に債権譲渡通知で債権譲渡の事実は知らされませんので、ファクタリング会社は自社が買い取った売掛債権であることを主張することができません。そこで、債権譲渡登記により第三者に対する対抗要件を取得することが必要となります。

 

債権譲渡登記を行うと余計な費用が発生する

債権譲渡登記を行う場合、1件につき7,500円の登録免許税が必要となり、その他、司法書士に対する報酬なども発生します。

 

債権譲渡登記を行えば情報は公開される

なお、債権譲渡登記は東京都中野区の東京法務局民事行政部債権登録課でのみの取り扱いです。登記事項証明書の取得も同様の扱いとなっています。

さらに、登記事項証明書として請求可能なのは、譲渡人、その他一部のものに限定されている上に、申請書もしくは委任状に実印と印鑑証明書などを添付して請求することとなります。

いずれにしても債権が譲渡された事実は法務局に登録されるので、公開情報という扱いになります。法務局にわざわざ出向き、売掛債権が譲渡されているかどうか調べる方はほとんどいないでしょうが、絶対に取引先に知られることはないともいい切れません。

 

債権譲渡登記を行わないファクタリング会社も存在する!

ファクタリング会社によっては、債権譲渡登記を必要とせず、留保という形で2社間ファクタリングを取り扱うところもあります。

債権譲渡登記の費用が気になる、または登記自体に不安を感じるという場合には、債権譲渡登記を行わずに契約できるファクタリング会社を利用した方が安心ともいえるでしょう。

 

個人は債権譲渡登記が条件となるファクタリングは利用できない

売掛債権の譲渡人は法人に限りますので、個人がファクタリングを利用する場合で2社間での取引を希望する場合には、債権譲渡登記を行わずに対応してもらえるファクタリング会社を選ぶことが必要です。

 

まとめ

登記は一定事項を公に示すために必要な手続きです。融資やファクタリングなど、資金調達の場面でも登記は行われますが、公開情報となるため取引先に債権が譲渡された事実を知られたくないという場合には不安を抱えたまま手続きを行うことになってしまいます。

もしファクタリングで資金を調達する場合には、債権譲渡登記を行わずに手続きが可能なファクタリング会社もありますので、サービス内容などをよく確認した上でどこに依頼するか決めるようにしましょう。