個人事業主の資金繰りが厳しくなるのは税金が増えるから?


個人事業主は資金繰りが厳しいという現実に向き合いながら事業を続けていることが多いようです。

開業して間もないころは成長が早く、一時的に収入なども増えて潤っていると感じることもあるかもしれませんが、事業を継続して数年経過すると、税金の支払いに追われるなど負担が重くなるようです。

そこで、なぜ個人事業主は資金繰りが厳しくなるのか、税金負担が重く感じるのかなどご説明します。

 

サラリーマンより個人事業主のほうが納める税金の種類は多い?

個人事業主が納める税金は、サラリーマンとして勤務していたころよりも種類が多くなったと感じてしまいがちです。

たとえば個人事業主が負担する税金として挙げられるものは、

  • ・所得税
  • ・住民税
  • ・事業税
  • ・消費税
  • ・償却資産税

などが挙げられますが、サラリーマンとして勤務していたころも所得税や住民税は課税され、給料から源泉徴収されていたでしょう。

事業税や消費税、償却資産税は会社に勤務する方は負担する必要がなく、勤務先が変わりに納税していたといえます。

しかし、個人事業主として自分で事業を始めると、自らが経営する立場となるのでそれまで会社が負担していた税金も納めなければならなくなります。

納めなければならない税金の種類が増えたということは、納税期日の管理も多岐に渡るようになったことを意味します。

 

個人事業主として開業した後のお金の使い道

個人事業主として新しく事業を開始する方の多くが、サラリーマン時代に資金を貯め、その資金を元手に始めるという形です。

それに加え、政府系の金融機関である日本政策金融公庫の新創業融資制度や新規開業資金といった、創業融資を利用することもあるでしょう。

事業を初めてすぐ業績が安定することは少ないので、売上があがり続けるまではある程度、毎月発生する固定費の支払いなどの費用を準備しておく必要があります。

 

売上が安定してくると設備投資なども増える

開業して2年目くらいになると、少しずつ売上も増え、売上代金が回収されるようになれば手元の資金が増えたように感じてしまい、設備投資などに使い始めるようになります。

売上が増えたことにより発生した利益を使うことで、無意識に節税しているともいえるでしょう。設備投資などにより、さらに新たな売上を増やし、事業が軌道に乗っていく流れです。

 

減価償却資産は一括で経費に計上できない

安定して売上が増えていけば、経費で落とすことができない費用にお金を使っても大丈夫だろうと思うようになってしまいます。

その例として挙げられるのが減価償却資産で、一括で経費に計上できず、それぞれの多様年数に応じて数年かけて少しずつ経費に計上していくことが必要となります。

購入のタイミングでは手元の資金がまとまって減少しますが、数年かけて出費を伴わない経費を計上できるため、節税対策にも有効です。

ただこのあたりから、手元には資金がないのに帳簿上は利益が出ているという状況がみられるようになってきます。

 

所得が増えれば国民健康保険料の負担が重くなる

サラリーマン時代は勤務先の社会保険に加入していたでしょうが、個人事業主の場合国民健康保険に加入することになり、年金も二階建ての厚生年金から国民年金のみに変わります。

現在、国民年金保険料は月額16,410円ですが、国民健康保険料は事業利益が大きく出て所得が増えればその分、高くなります

売上を向上させて利益を生みだせるように頑張っても、国民健康保険料が高額になり負担が大きく感じてしまうこともあるようです。

 

自治体によって保険料は大きく異なる

さらに国民健康保険料は、安い自治体と高い自治体があるなど自治体によって差があります。その差は年収によって頃なりますが、1.5~2倍差がみられる場合もあるので、もっとも保険料が高い自治体になるとサラリーマンが加入する健康保険の3倍に負担が膨れ上がるケースもみられます。

せっかく稼いだお金を国民健康保険料の支払いに充てなければならなくなり、事業税も多く納めなければなるなど、何のために稼いでいるのかわからなくなってしまうこともあるようです。

 

売上が増えれば消費税の課税事業者に

消費税は、商品やサービスの販売・提供などの取引に対して幅広く課税される税金です。個人事業主が事業として対価を得て行う取引も対象となりますが、暦年の課税期間の前々年の課税売上高が1,000万円を超える場合に納税義務が生じます。

前々年の課税売上高が1,000万円以下の場合でも、その年の前年の1月1日から6月30日までの期間の課税売上高が1,000万円を超えた場合は、その課税期間は納税義務を負うこととなります。

消費税は取引先などから消費税相当分を一旦預かり、納税義務者となれば納付する形ですが、すでに運転資金として使ってしまっている場合も少なくないようです。

消費税の納税対策をしておかなければ、もし納税義務者となったときに納めることができなくなってしまうと理解しておきましょう。

 

まとめ

このように、個人事業主として事業を継続すると様々な税金負担が発生します。いざ税金を納めるタイミングで納税資金が準備されておらず、手元の資金不足に悩まされる個人事業主も少なくありません。

せっかく脱サラして自分で事業を始めたのに、まったくお金が残らない状態になれば意味がありません。

利益が出れば国民健康保険料などの負担も重くなりますし、消費税などもかかってくるため、納税対策をしっかり行っておくことも必要といえるでしょう。