個人事業主が「代表」や「社長」という肩書きを使ってもよいのか


個人事業主として事業を営んで行く上で、たとえば名刺の肩書きを「代表」などにしている方もいるでしょう。

実際に法的に使うことができる要件などが厳密に定められていればそれに従う必要がありますが、自営業者にも利用できる肩書きにルールはあるのでしょうか。

営業活動などにおいて名刺は自らのプロフィールであり、相手に与える印象も肩書きで大きく異なる可能性があります。

そこで、個人事業主として事業を営む上で、名刺に記載する肩書きにルールなどは存在するのか、どの肩書きを使うことが望ましいのかご説明します。

 

個人事業主は「代表」という肩書きを使うことが多い

名刺に載せる肩書きは、たとえば会社勤務している方なら「課長」や「部長」などの役職名、代表としての立場なら、株式会社なら「代表取締役」、合同会社なら「代表社員」、特殊法人などでは「代表理事」などの肩書きが用いられることが一般的です。

仮に1人で事業を営んでいて、従業員など雇用していなくても事業の「代表」であることにかわりはありません。トップとしての立場にあるため、代表という肩書きが一般的に用いられることが多くみられます。

 

その他、使用されやすい肩書き

他にも店を出しているなら「店長」、士業として事務所を開設しているなら「所長」、福祉事業や地域活動など事務局を運営していれば「局長」などの肩書きが使えます。

組織の中で「課長」や「部長」といった役職を肩書きにすることもできますが、「社長」という肩書きも職務上の事柄に関する地位を示しているだけなので、個人事業主でも代表として社長を名乗っても問題はありません。

 

英字やカタカナ表記の肩書きも可能

「CEO」や、「マネージャー」や「ディレクター」といった肩書きを使うこともできます。

「CEO」は最高経営責任者であることを意味する肩書きで、一般的に欧米の企業や、日本でも欧米型の経営を行う企業などで使われています。

「マネージャー」や「ディレクター」などのカタカナ表記の肩書きは、「チーフ」や「サブ」といった階級がつけやすいので、事業を拡大させ従業員を雇うことになったときなど、肩書きを提供することがしやすくなります。

 

個人事業主は「社長」や「取締役」などの肩書きは使えない?

個人事業主の方で、名刺の肩書きを「社長」や「取締役」にしているケースをみたことがあるでしょうか。

企業のトップであれば、「代表取締役」や「取締役」などの肩書きを使っていますが、実は個人事業主でこれらの肩書きを使うことはできません

取締役とは取締役会が設置されている株式会社を経営する立場の方が使用する肩書きなので、法人でも取締役会が設置されていない場合や個人事業主は代表取締役や取締役という肩書きは使用できないのです。

 

個人事業主でも代表者印が必要か

個人事業主として事業を始めるときや、継続する上で、様々な書類を提出するときに必要となる印鑑。法人であれば、銀行や取引先との間で契約を結ぶときなどに押印する代表者印を会社実印として登録します。

法人の印鑑登録は、会社設立時の法人登記のときに同時に行うことが一般的ですが、個人事業主は登記を行いませんので代表者印を作成することは必須要件とされていません。

そもそも代表者印は会社が登録した印鑑のことを指しているので、法人ではない個人事業主は必要ないということになります。

 

個人事業主が取引で使う印鑑とは

代表者印とは事業のトップの印鑑という解釈があるため、個人事業主でも代表者印が必要だと考える方がいるようです。

ただ、個人事業主の場合、開業届出や、不動産、ローンなどの契約の際には個人の実印を押印しますし、簡易的な書類であればこちらも個人の認印を使用します。

 

個人事業主でも複数の印鑑を使い分けてもよい

屋号がある場合には屋号名の入った印鑑をビジネス用として作成しておくのも方法の1つです。

請求書などに屋号の記載された印鑑が押印されていることで、取引先などの担当者からの印象がよくなる可能性もあります。

本当は法人として事業を経営したいけれど、まだ事情があってできない場合や、体裁が気になるという方、取引先が文化を重んじるという場合などはじ用意することも検討してみましょう。

 

まとめ

個人事業主が使用する肩書きに制限は特に設けられていませんが、取締役会が設置されていないので「代表取締役」や「取締役」といった肩書きは使用できないと理解しておきましょう。

ただ、1人で事業を営んでいても代表者として「社長」を名乗ることもできますし、「代表」という肩書きを使用することもできます。

名刺は、お会いした相手と将来に向けて取引をするためにお渡しするものなので、相手に事業内容と名前、連絡手段を伝えることが重要です。

他にも店長や所長、マネージャー、プランナー、CEOなど自由に使用可能ですし、組み合わせた肩書きを用いることもできます。

ただし個人事業主としての事業内容や規模を認識し、相手が違和感をおぼえることのないふさわしいと思える肩書きを使うようしましょう。