代表者が過去に自己破産していても法人カードは作成できるのか


会社経営において、事務用品を購入したり、従業員の立て替え費用を精算したり、小口現金が出入りするタイミングが増えるとミスに繋がりやすくなります。

そのような場合、法人用のクレジットカードがあれば、ちょっとした事務用消耗品の購入も簡単にできますし、従業員に立て替えしてもらう必要もなくなります。

わずらわしい経費処理を軽減するために便利ですが、代表者が過去に自己破産したことがある場合、この法人用のカードは発行してもらえるのでしょうか。

 

代表者の過去の自己破産は法人カードに影響するのか

中小企業などの場合、ビジネスを動かすのは代表者自身というケースが多く、個人の信用力が低いと法人カードを発行できるか気になるところです。特に過去に自己破産をしていたり、任意整理や民事再生をしたことがある場合や、保有していたカードの返済が滞っていた場合など、いわゆるブラックリスト入りしている可能性が高いため気になるところです。

そもそも法人カードは、起業して1年を経過していなければ信用力が十分とはいえず、審査も厳しくなることが予想されます。ただ、設立後1年未満でもカードが発行されないわけではありません。

 

ネガディブ情報が信用情報機関に掲載されていると…

個人で借り入れを行い、その返済が滞った場合などは信用情報機関にその事実が掲載されます。たとえば個人がカードを作成したいとカード会社に申し込みを行うと、信用情報機関に他社からの借り入れはないか、返済状況など、様々な項目の確認が行われます、

このとき、信用情報機関にネガディブな情報が記載されていると、新たな借り入れはできなくなりますし、カードを発行することもできません。

カード会社が最も恐れるのは、カード利用後にその返済がされなくなることです。過去に自己破産や任意整理を行っている方の場合、返済能力が低いとみなされるためその情報が消えるまでは新規でカードを発行することはむつかしくなるでしょう。

 

信用情報機関はどのくらいの期間掲載されるのか

信用情報機関に掲載されたネガディブ情報は、たとえば返済分の延滞や滞納の場合で5年、自己破産や任意整理では最大10年は登録されたままになります。

さらに返済が滞ってからではなく、問題が解決してからの年数なので、新たにカードを発行したり新規で融資を受けることは、当分の間難しくなるでしょう。

どれだけ業績が好調で、企業自体は黒字だとしても、代表者が自己破産によりブラックリストに掲載された状態では新規でカードを作ることは難しいと判断できます。

 

そもそも自己破産していても起業できるのか

そもそも自己破産をしているのに、会社経営が可能なのかという部分でも疑問を感じる方もいるでしょう。

実際、起業の際には資金が必要なので、自己破産していることで調達が難しくなることが予想されます。

その場合、公的金融機関である日本政策金融公庫が再チャレンジを支援してくれる制度の活用を検討してみてはいかがでしょう。

業種や年齢などにより様々な融資制度が設けられており、創業を希望する方の強い味方になってくれます。

 

再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)とは

一度は自己破産や廃業に至るなど、事業に失敗した経験があっても、再び起業して成功したいと言う方を応援するのが日本政策金融公庫の再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)です。

様々な理由により、廃業や自己破産という選択しかなかった…。でももう一度挑戦して今度こそ成功させたい!という方にぴったりの融資支援制度です。

 

再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)の内容

 

●融資の対象となる方

新しく開業する方や開業後(おおむね)7年以内の方で、

  • ・廃業歴などがある個人または経営者が営む法人であること
  • ・廃業時の負債が新しい事業に影響を与えない程度で整理される見込みがあること
  • ・廃業の理由や事情がやむを得ないものであると判断できること

の要件を満たす方です。

 

●その他制度の概要

新しく事業を開始するため、または事業開始した後で設備資金や運転資金が必要な場合、最高7,200万円(運転資金は4,800万円)を融資限度額として低金利で借り入れができます。

返済期間は、

  • ・設備資金 20年以内(うち据置期間2年以内)
  • ・運転資金 7年以内(うち据置期間2年以内)

となっているので、ゆとりをもって返済できることも特徴です。

 

●再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)を利用する上での注意

もし制度を利用する場合、7年以内に廃業している経験がなければ申し込みはできません。担保や保証人を付ける場合も、まずは担当者に相談することから始める必要があります。

要件を満たした上で、過去に自己破産などの経験がある場合や、完済できる見込みがあっても負債が原因で借り入れが難しいという場合などのほうが、むしろ融資を受けやすくなるかもしれません。

 

まとめ

自己破産してしまうと、新しく法人カードを作成したいという希望はかなわない可能性もあります。

ただ、自己破産している方などを対象とした国の融資制度もあるので、資金を調達する場面で困ったときには、このような制度を活用することを検討しましょう。

また、売掛金を保有しているのなら、期日より先に現金化させるファクタリングなども、過去の自己破産や現在の財務状況に関係なく利用できる可能性が高いので、あわせて検討することをおすすめします。