売掛金はどのように管理すればよいのか具体例を交えて徹底解説!


掛け取引により、商品を納品、またはサービスを提供しているけれど、その代金をまだ受け取っていない場合、代金を請求することができます。その権利を売掛債権といい、支払いが手形で行われないものは売掛金として扱われます。

企業間での商取引では、現金取引や前払いが用いられることは一般的ではなく、多くは後払いである掛け取引で行われています。

ただ、代金が入金されるまで、1か月や2か月、業種によっては半年など期間が空いてしまうので、その間、資金が不足しないように注意が必要です。

資金不足に陥らないためには、売掛金を適切に管理していくことが必要となりますが、どのように行えばよいのか具体例を用いてご説明します。

 

現金取引ではなぜだめなのか?

商取引に現金取引が用いられない理由はなぜなのでしょう。具体例として、飲食店が料理の材料となる食品を仕入れるケースで説明します。

もし仕入れの際、現金により取引を行うのなら、卸業者も飲食店も毎日現金での入出金が発生することになります。納品書だけでなく、取引に対する請求書と領収書を日々作成し、現金での受け渡しが行われることになるので、小口現金の管理の手間も増えるでしょう。

手間にかかる時間も無駄ですし、ミスが発生しやすくなるので合理的な取引とはいえません。

頻繁に取引が行われる場合には、一定期間をまとめて請求する形としたほうが、取引にかかる手間を省くことができます。

多く用いられている1か月分をまとめて請求するという取引は、双方の業務や手続きを効率化させるために生まれたといえるでしょう。

 

便利さゆえのトラブルも…

1か月分など、まとめて請求を行い、前もって取り決めておいた期日に入金してもらえば、業務や手続きにかかる手間は軽減されます。ただ、期日にもし入金される予定の代金が口座に入っていなかったら…?予定していた支払いができず、売掛金を保有する事業者の資金繰りは一気に悪化してしまいます。

すでに商品やサービスは販売・提供し終わっているので、そのために発生した仕入れや製造、人的なコストへの支払いができなくなるわけです。

売掛金は取引の手間を省く上では便利ですが、この未回収のリスクがつきまとう取引なので、売掛先の経営状況は悪化していないかなど常に気をつけておく必要があるでしょう。

 

売掛金管理台帳を作成して徹底した管理を

では、発生した売掛金を適切に管理していくために何を行えばよいのか具体例を交えてご説明します。

まず行いたいのは売掛金管理台帳の作成です。売掛先ごとに発生した売掛金を管理できるように、それぞれ作成しましょう。

売掛金管理台帳に記載する項目は、

  • ・売掛先の名称・担当者の名前
  • ・販売した商品・サービスの名称
  • ・計上した年月日
  • ・回収予定の年月日
  • ・回収ステータス
  • ・売掛金残高

などです。

日々管理を徹底し、期日になっても回収されていないままの売掛金が放置されないようにしましょう。

 

売掛金管理台帳から与信管理も徹底して行う

売掛先の信用力を売掛金管理台帳の記録や、内外部からの情報収集により管理していきます。信用力が下がっていると判断できる場合には、取引限度額の設定の範囲で取引を行ったり、現金取引に切り替えるなどで対応します。

信用力が低下している状況においては、取引金額も少額に抑えておかなければ、もし未回収となった場合のダメージに影響してしまいます。

 

売掛金を回収する方法の具体例

売掛金がもし未回収のまま残っているのなら、定期的に売掛先に電話で連絡したり、訪問して支払ってもらえるように交渉しましょう。

売掛先がすでに支払いができないほど資金に困っている場合、様々な支払い先から請求や催促を受けているはずです。

催促を行わない企業は後回しにして、まずは何度もしつこく支払いを請求してくるところから済ませようと考えるはずなので、黙って放置しているのは得策ではないといえます。

 

催促しても支払ってもらえないなら

催促しても支払いがなされない場合、売掛先から同意を得た上ですでに納品した商品回収したり、売掛先に対する買掛金相殺することで売掛金を回収することを検討しましょう。

それでもだめなら、督促状や内容証明を送るなど、売掛先に対して支払いへの圧力を強めることを行います。

ただ、法的な拘束力はないため、最終的には法的な手続きで支払いを請求することになるでしょう。

 

支払いを請求するための法的手続きとは

売掛先に対して支払いを請求するための法的手続きにも種類があります。どの方法が適しているかは、取引の状況や未回収の売掛金の金額などによって異なるため、専門家などに相談して決めたほうがよいでしょう。

 

●支払督促

債務者に対し裁判所から金銭などの支払いを命じる督促状を送ってもらう制度です。

 

●民事調停

裁判官や調停委員会が間に入り、和解の成立を図る非公開の手続きです。

 

●少額訴訟

未回収の売掛金が60万円以下なら、簡易裁判所にて1日で審理を終わらせることができる少額訴訟の利用が可能です。

 

●差し押さえ

裁判で訴訟を行い、強制執行の許可を出してもらう方法です。それにより、裁判所の執行官による差し押さえが可能となります。

 

まとめ

商取引において当たり前に発生する売掛金ですが、注意しておかなければ回収ができなくなり、資金繰りを悪化させる大きな要因となってしまいます。

回収できていない売掛金は早期に支払ってもらえるように手続きを進めるようにしましょう。また、未回収の売掛金が発生しないよう、日々、適切な管理を行うことがより重要です。