給料が高いランキング上位の中小企業は必ずしも安心といえない?


現在はまさに求人応募者の売り手市場といわれており、従業員300人未満の中小企業などは1人の新卒学生に対して10社の求人がある計算になるといわれているほどです。

地方企業や中堅・中小企業などは大手企業より待遇や給与面に劣るイメージが高いですが、様々なランキングの上位に位置する企業などは大手並みや大手より高い年収を得ることができると評判です。

ただ、このランキング上位に挙げられるから倒産しないとも限りません。特に中小企業は大企業と比べ、資金力が乏しいことから仮に利益が出ていても倒産する可能性がある点に注意が必要です。

 

中小企業で給料の高い企業ランキング上位なら優良?

ただ、人手不足が深刻な流通業や建設業での求人は多いものの、金融業やサービス・情報業は求人倍率がごくわずかと落差が見られるのも事実です。

業績が良好で人手が足らないという企業が中小企業には多い、ということではなく、以前から若い働き手がみつかりにくいことを問題視されている建設業などでは求人倍率が高いですし、若い世代に人気の業種は低くなる傾向が見られています。

また、ランキング上位に位置していれば安心とは限りません。実際、大企業で新卒者が就職を希望する人気企業として常に上位に名前が挙がる企業で働いていた社員が、過酷な労働環境に耐えかね自殺してしまったという事例もメディアを騒がせました。

ランキングを鵜呑みにせず、どの企業が本当に潤っているのか、働きやすい職場環境が整備されているのか見極める必要がありますが、いずれにしても倒産してしまうリスクの低い企業を選ぶ必要があります。

 

重要なのは人気ランキング上位であることではない

事業の元手となるお金や、経営を続けるために必要なお金を資金といいますが、人間が空気や身体の血液を失うと生きていられないように、会社にとっても資金はなくなれば命を失う存在です。

黒字倒産という言葉を耳にしたことがあるかと思いますが、これは帳簿の上では利益が出ているのに倒産してしまうことです。利益が出ていて儲けているはずなのに会社がつぶれてしまうのは、手元の資金が底を尽きてしまうから。それくらい、資金は事業を営む上で重要な存在といえます。

 

資金の管理ができていなければ黒字でも倒産する

中小企業の中でも年収が高いランキングに位置していたり、新卒者が辞めずに働き続けるランキングなどにも常に上のほうにある会社なら、まず安心で間違いないと思うかもしれません。

しかしそのような状況でも、まさかあの会社が?と思う企業が黒字倒産してしまうのは、日常の会計処理による結果として出した試算表や決算書の損益計算書や貸借対照表の数値と、資金の動きを管理しているキャッシュ・フロー計算書や資金繰り表の数値とは、同じではないからです。

損益計算書や貸借対照表上の数値を確認するだけで、資金不足に陥っていないか、資金繰りが悪化していないか確認することはできません。利益が出ていて黒字でも、それは商品やサービスを提供した段階の売上による数値のため、その売上に対する代金の回収ができていない状態の数値だからです。

いくら売上がどんどん上がっても、その代金が回収できないままの状態が続けば会社は倒産してしまう可能性もあるということを理解しておくべきでしょう。

 

適切な資金繰りができているか

中小企業が黒字倒産してしまわないために、最も注意しておきたいことは資金繰りを適切に管理し続けるということです。

会社の資金状況はどのようになっているか日々把握し、どのタイミングでいくら資金が必要になるのか、もし不足する可能性があるのならどのような方法で資金を調達すればよいか検討しておく必要も出てきます。

資金繰りとは、突然の資金ショートしてしまう事態を防ぐため、資金の管理を常時行うことを指しています。資金の管理をまったく行っていないという会社はないとしても、その方法が適切なものなのかといわれればそうではない可能性もあります。

 

どこまでの範囲まで資金の管理ができている?

まず、現在行っている資金の管理は、どこまでの範囲か確認してみましょう。将来発生する資金の流出入に対して、どれくらい先まで把握できているでしょうか。

数日先、1か月や3か月先、半年や1年単位などいろいろかと思いますが、突然資金がショートしてしまう事態を防ぐなら、最低でも3か月先までの管理が必要です。

今後、銀行融資を検討していたり、売上向上やコスト削減などを踏まえて資金繰りを改善させる対策を検討したいなら、半年から1年先まで管理するようにしましょう。

 

資金の出入りは見える化させることが基本!

資金の管理を行うときには、資金繰り表を作成し将来発生する資金の流出入りを見える化していきましょう。

資金の流出入を管理するなら、月次の資金繰り表と年間資金繰り表を作成した上での管理が求められます。

資金繰り表は、

  • ・経常収支の部(本業による収支を把握できる部分)
  • ・経常外収支の部(設備投資や税金の支払いなどによる収支を把握できる部分)
  • ・財務収支の部(借入による収支を把握できる部分)

という3項目に分けて管理を行うとよいですが、必ずという決まりはないので管理しやすい資金繰り表を作成するとよいでしょう。

 

まとめ

重要なのは、手元の資金が不足しないような管理が可能となることですので、いつ売上の代金が入金されるのか、それまでに経費などの支払いはいつ、いくら発生するのかを把握し続けることです。

もし資金が不足してしまうタイミングが訪れたら、支払いの後に訪れる売上代金の入金日を前倒しできるファクタリングなどで資金調達することで、借金を増やさずに資金繰りを改善できる方法などを活用すれば資金繰りは改善されやすくなるでしょう。