中小企業が気にしておきたい経営に影響する可能性のあるニュースとは


経済の動きは中小企業にとっても注視しておきたい部分ですが、特に雇用や事業承継など、問題が深刻化している部分の直結するニュースなどには特に注意しておきたいところでしょう。

そこで、中小企業に今後大きな影響を与える可能性のある最近のニュースのうち、いくつか気になる状況をピックアップしてご紹介します。

 

政府の骨太方針に関するニュース

2019年6月、政府の閣議決定で策定された経済財政運営の指針「骨太方針」の中で、議論が最も盛り上がったのは最低賃金の引き上げについてです。

最低賃金とは企業が労働者に支払う賃金の下限を示すものであり、設定された金額以上の賃金を労働者に支払う必要があります。

もともと骨太の方針は「経済財政運営と改革の基本方針」という正式名称があり、国の予算に関係する政権の経済政策の方針のことです。企業活動を活発にさせるための規制緩和や、たとえ予算がなくても経済成長を促すための取り組みなどが含まれます。

この最低賃金の引き上げは、成長力を強化することや人づくり革命の推進など、新たな時代を迎える上でふさわしい仕組みづくりの一環として考えられているようです。

他にも10月に予定されている消費税増税にあたって、需要が変動することを平準化させること、全世代の社会保障構築させる給付と負担の在り方などを含めた政策が取りまとめられるとされています。

 

最低賃金引き上げに関する情報

政府・与党でのいろいろな意見が交錯する中で、具体的な数値目標が明記されることはありませんでした。ただ、引き上げペースを加速させることに期待を示すとしていることからもわかるよう、7月上旬には早速、厚生労働省の審議会で引き上げ額の目安をめぐった労使の議論が開始されました。

2019年7月21日には、令和に入って初の国政選挙となる参院選が行われます。与野党では最低賃金の引き上げを公約に盛り込んでいる状況ですが、時給は全国平均1,000円、またはそれ以上を目指す姿勢はどの党でも共通しています。

過去3年に渡り、年率3%程の引き上げが続いた最低賃金ですが、このペースを上回る引き上げが期待されており、骨太方針による最低賃金の引き上げは平均1,000円を目指している状況であるようです。

厚生労働省の中央最低賃金審議会では、参院選の後に非公開で行われる小委員会により、労使代表者が意見を述べ合い議論を重ねながら、7月末に引き上げ額の目安がまとめられると考えられています。

もし前年度程度の引き上げに留まったとしても、全国加重平均は900円台となることも考えられるので、人材不足で頭を抱える中小企業にとってさらに人件費の負担が大きくのしかかってくることも予想されるでしょう。

 

建設業界に関連するニュース

最低賃金の引き上げと同時に気になるのが、国土交通省・中小企業庁が実施する調査です。

毎年、国土交通省と中小企業庁では、建設工事において下請取引の適正化を目指すことを目的とした下請取引等実態調査を行っていますが、本年度もこれまで同様に郵送により実施されています。

大臣許可業者と知事許可業者をあわせた全国1万4千の建設業者を対象としており、この調査で建設業法令違反行為などが発覚した場合には、是正措置を講じる指導が行われるようです。

調査期間は2019年8月16日までとなっており、下請契約の締結下請代金の支払期間とその方法、元請による下請に対するしわ寄せ、消費税の転嫁といった状況への調査による確認が行われます。

なお、調査対象となる元請と下請の取引は、元請と1次下請だけでなく、2次と3次や3次と4次といった下請と孫請の取引も含まれています。

 

事業承継問題に関するニュース

雇用や賃金、取引による代金の支払いなど、どれも気になるニュースですが、中小企業で深刻化している事業承継の問題も今後どのように解決していけばよいのか考えていかなければなりません。

今回、中小企業庁では、中小企業に対して経営革新や事業転換をサポートするための補助金制度である「事業承継補助金」の2次募集を開始しました。

補助の対象となるのは、後継者承継支援型と事業再編・事業統合支援型の2類型となっており、このうち後継者承継支援型の要件として、

  • ・2016年4月1日から補助事業期間完了日(最長2019年12月31日)までの期間に事業承継を行った、もしくは行うこと
  • ・雇用や取引などで地域に貢献する中小企業などであること
  • ・経営革新や事業転換などの新しい取り組みを行うこと

などの要件があります。

事業再編・事業統合支援型についても、

  • ・2016年4月1日から補助事業期間完了日(最長2019年12月31日)までの期間で事業再編・事業統合を行ったこと、もしくは行うこと
  • ・雇用や取引などで地域に貢献する中小企業などであること
  • ・経営革新や事業転換などの新しい取り組みを行うこと

という要件を満たすことが必要です。

2次募集に伴う申請は2019年7月26日まで受け付けとなっているようです。

 

まとめ

このように中小企業が気にしておきたいニュースは日々発表されています。経済や市場の動きだけでなく、制度改革などの変化を直で受けやすい部分もありますので、新しい情報を常に収集するよう心がけましょう。