中小企業が優良企業であると判断されるための基準とは?


企業間の取引において、優良とする企業には定義や基準がありません。

優良と判断する上で用いられる項目には、収益や株価、労働環境、事業展望などいろいろなことが挙げられます。

会社規模が大きければ優良というわけではなく、たとえ非上場の企業や従業員が数名ほどの企業でも、優良企業に該当することもあります。

優良企業とは、何かの指標により他よりも優れていると認められることであるといえるでしょう。

 

どのくらいの利益が出ていれば優良企業?

では、実際、優良企業とされる上で収益を基準とするのなら、どのぐらいの利益がでれば合格なのでしょう。

健全な判断基準をもつことは大切なので、具体的な判断基準がわかっていなければ、本当はうまくいっているのに必要のない改善を行おうとしたり、ダメな会社であると思いこんでしまう原因となってしまいます。

利益の絶対額により業績を判断しようとするのは意味がありません。仮に従業員数名の会社で当期利益が1千万円なら合格と判断できても、従業員100名の会社なら合格とはとてもいえないからです。

利益の適正額で判断する場合には会社規模も関係してきますので、絶対額だけを基準に優良かどうか判断できないといえます。

 

売上高利益率だけでも判断はできない

売上高利益率も適正な判断基準とはいえませんが、その理由として業種によって粗利率が異なることが挙げられます。

たとえば、製造業などは人件費が多くかかるので粗利率は低めである傾向がみられますし、卸業なども低めであることが一般的です。ただ、大きな売上を比較的小人数で実現させることが可能なため、売上高利益率が低いから利益も低いと決めつけることはできないでしょう。

こちらも企業規模に比例した利益の尺度で判断するべきです。

 

限界利益率を判断の基準とする場合

売上から直接、外部に支払った費用を差し引いて計算されるのが限界利益です。限界利益は会社規模をあらわしますが、それに対する固定費は経営効率を意味しています。

そのため、売上高から外部コストを差し引いて計算される限界利益から、さらに固定費を差し引いても20%残るようなら、経営は効率に実施されていて年々財務も向上されていく利益体質であると判断できます。

会社が生んだ価値といえる限界利益の80%で、事業を営むために必要な費用をまかなうことができるのなら、将来、投資に充てるための利益を確保しながら成長させていくことができると判断してよいということです。

 

各業種の判断方法

たとえば製造業なら、売上から製品原価を差し引いた粗利益から、販売費や物流費、管理の内部費用などを差し引いて算出する経常利益が、粗利益の20%であるなら優良企業であると判断できるということです。

卸業なら、粗利益から販売費一般管理費を差し引いた金額が粗利額の20%であるかで判断しましょう。ただ、見せかけの売上などが大きい部分も否定できないため、売上高利益率が10%未満になってしまうこともあるかもしれません。その場合でも、粗利益に対して経常利益額の比率が20%であれば、経営効率という部分では合格と判断できるでしょう。

サービス業やIT業の場合、売上が粗利益であるわけではないので、業績を判断する基準にこの考え方は採用しにくい部分があります。そのため、販売費および一般管理費を売上の80%に抑えることができれば優良であると判断してよいでしょう。

製造業や卸業よりも企業規模に比べて売上が少なくなりがちですが、粗利益の20%を経常利益として確保できているなら財務的にみたときには優良企業であると判断できます。

 

無理にねん出した利益では意味がない

優良企業と判断する基準として、限界利益の残存率は20%と目安としていますが、残る利益率は高ければ高いほうがよいわけでもありません

なぜなら、将来に向けて投資を続けなければだんだんと会社は弱い体質になってしまうからです。何の投資も行わず、無理にねん出した利益は単なる一過性のものにすぎません。

そのため、利益率が高すぎるなら必要な投資まで抑えた状態なのでは?と判断されることになるので、限界利益に対する経常利益率は、高すぎるのも好ましくないということです。

 

通常売上高経常利益率で判断する場合

通常売上高の経常利益率を判断基準とするのなら、優良企業とは通常売上高の経常利益率が5%以上あることが条件となり、超優良企業は通常売上高の経常利益率が10%以上あることが必要とされます。

通常売上高経常利益率が10%以上であれば、たとえ中小企業でも給与は大手ほどの規模になるでしょうし、上場することも検討できる状況になると考えられます。

 

まとめ

日本で事業を営む中小企業の割合はとても多いですが、その数多く存在する中小企業の中から優良企業を探そうと思うと、様々な判断項目を用いることになります。

単に売上高や利益という単体で判断することはできず、そこには業種や事業規模など様々な項目を含めて判断することが望ましいといえるでしょう。