セール&リースバックとは?資産を上手く活用する注目の資金調達方法を徹底解説!


所有している不動産や設備、機械などを、一旦、リース会社や金融機関に売却し、その資産をただちにリース契約で利用し続けることをセール&リースバックといいます。

事務処理の手間を軽減させながら資金を調達する方法として活用されることが多くなりましたが、具体的にどのような流れになるのかその方法を徹底解説していきます。

 

セール&リースバックで資金調達が可能となる主な流れ

所有する資産をリース会社などに売却して現金化することで、資産のオフバランス化(流動化)が可能となり、さらにリース契約を結ぶことによって費用の平準化も可能となる方法がセール&リースバックです。

セール&リースバックの主な流れは、

  1. 事業会社からリース会社(金融機関)に資産を売却
  2. リース会社(金融機関)から事業会社に購入代金の支払い
  3. リース会社(金融機関)から事業会社にリース契約で買い取りした資産を貸出
  4. 事業会社からリース会社(金融機関)にリース代金の支払い

と、なっています。

 

なお、同じく資産を流動化させる方法に、保有する売掛金を売却して現金化するファクタリングもありますのであわせて検討してみましょう。

 

セール&リースバックの特徴とメリット

セール&リースバックの利用が近年増えているのは、利用することによるメリットがあるからですが、どのような特徴やメリットがあるのかは次のとおりです。

 

【資産の継続利用と有効活用が可能に】

所有する資産は売却で手放すことになっても、そのまま継続して使うことができるので、売却により得た資金を使いやすい資産を探して購入するといった手間はかかりません。

また、再度資産を購入することになれば、せっかく手元に調達した資金が少なくなるので、十分な資金調達に至らなくなってしまいます。

このような時間や費用のロスをなくし、資金調達しながらこれまでと変わりなく事業を続けることができるのがセール&リースバックの大きなメリットです。

 

【総資産計上利益率(ROA)改善により銀行からの評価も上がる】

近年は、総資本に対する経常利益の割合を示す指標である総資産経常利益率(ROA)が重視されることが多く、数値が高い方が効率的な資本運用が可能となっていると判断されます。

そのため資産をスリム化することは企業経営で不可欠な要素となっていますが、セール&リースバックを導入しても経常利益がほとんど変わりません。

なぜなら資産の売却益は本業以外で得た利益となるため営業外収益となり、リースに対する賃借料も営業外費用となるからです。

総資産経常利益率(ROA)を改善させることができ、銀行融資を受ける際の審査にもよい影響を与えることができます。

 

●借入枠も温存できる●

融資の審査では総資産経常利益率(ROA)も審査対象になるため、向上等で融資の審査などにおける評価を高めることができるのもメリットです。

また、新しくリースを利用することで他の金融機関からの借入枠も確保できるようになり、資金調達力を強化させることにも繋がる可能性があります。

 

【キャッシュフローを改善させることが可能】

所有する資産を流動化させて手元の資金を確保すればキャッシュフローは改善します。

キャッシュフローとは現金の流出入のことですが、いくら決算書上の利益が上がっていても手元の資金が枯渇すれば企業は倒産します。

余裕資金を手元に確保することができるようになり、スムーズな事業運営が可能となるでしょう。

 

なお、同じようにキャッシュフローを改善させる資金調達の方法としてファクタリングの利用も検討してみましょう。

ファクタリングは保有する売掛金をファクタリング会社に売却し、期日到来よりも前倒しでその代金を受け取ることができる資金調達の方法です。

融資を受けるわけではないので決算書に悪影響はなく、手元の資金不足ですぐに資金調達が必要!という場合でも、即日現金化されることもありますのでおすすめできます。

 

【資産保有コストの平準化に役立つ】

セール&リースバックは、減価償却費や固定資産税などの負担をリース料という形に変えることができるので結果としてコスト削減に繋がりやすいことが特徴です。

 

●管理事務の合理化●

資産を所有していれば、毎年減価償却費を計算して計上しなければなりませんし、固定資産税や保険料の支払いなども必要です。

修繕も必要になるなど管理上の手間が発生してしまいますが、セール&リースバックを利用すれば毎月一定金額をリース料として支払えばよいだけなので、会計処理の負担を軽減させることが可能です。

管理事務を合理化させ、経営上のコストを見通しやすくなるでしょう。

 

●税金負担を軽減●

資産を所有していれば毎年、固定資産税を負担しなければなりません。他にも保険料や修繕費用など、事務的な手間だけでなくコストが発生します。

しかし、所有者でなくなればこれらを負担する必要はなくなりますので、コスト削減に繋がります。

 

セール&リースバックはこのように活用されている!

たとえば不動産を所有している企業の場合、保有する敷地に本社ビルを建築し、営業拠点を各地に設けながら営業展開しています。

ただ、本社は管理業務を一元化しているだけで、所有することと収益が結びついていないことも多くみられます。

また、資産は豊富に所有しているのに、それに見合う収益を発生させることができていない企業などは、有効に資産を利用できていない可能性もあるといえるでしょう。

このような場合、収益を生まず管理業務だけ行う本社ビルは売却し、それによって得た資金を設備投資や事業成長への資金に投入しつつ、本社はそのまま継続使用するといったことが行われています。

 

【資産効率を向上させ成長投資を可能とする一石二鳥のツール】

所有する不動産に対してセール&リースバックが多く導入されてきたのは、資金のねん出や有利子負債の圧縮が目的だったのは過去のことです。近年では業績が好調の流通系小売企業なども、新たに店舗を出店するための戦略方法として導入するケースもあります。

立地条件のよいエリアに出店したい場合など、土地を購入して店舗を建設し、その後、売却して賃借するといった方法です。

有利子負債を圧縮させるという後ろ向きだった目的ではなく、戦略的手法として活用されるようになっているといえるでしょう。

 

また、有利子負債の圧縮同様に、未回収の売掛金も発生させないことが重要です。このような場合、ファクタリングを利用して先に現金化させることにより、貸し倒れリスクをファクタリング会社に移転することが可能となります。

リスクの移転や回避、円滑な資金調達の手法として活用されている方法ですし、セール&リースバック同様に所有する資産を売却して資金を得る方法です。

 

まとめ

セール&リースバックはすでに所有している資産をリース会社などに売却し、そのままリース契約を結んで引き続き資産を使用することが可能となる資金調達の方法です。

様々なメリットがありますが、資金繰りに余裕がある場合ではなく、資産を売却して資金を調達したいけれど売る資産はそのまま続けて利用したいという場合に有効な資金調達方法です。

経常利益はほとんど変わらない状態で資産の資金化が可能となるため、導入よる総資本経常利益率(ROA)向上など財務体質を強化させ、企業価値を向上させようとする動きにも活用されています。

もし資金調達しなければならなくなったときには、手法の1つとして検討してみるとよいでしょう。