【2020.7】ファクタリングを申し込んだ後で行われる審査で重視される基準とは?


資金調達にファクタリングを活用する場合、申し込みはしたものの審査に通るのか心配という経営者もいるようです。実際、ビジネスローンなどの審査通過率は3割程度ともいわれていますし、銀行のプロパー融資の場合はさらに審査に通ることは難しくなります。

しかしファクタリングの審査はハードルが低めとされており、中小企業なども資金調達しやすいことが特徴です。

その理由として、ファクタリングは融資ではないので申し込み者の返済能力の有無が重視される審査ではないことが挙げられますが、それでは何を重視した審査が行われるのでしょう。

これから資金調達にファクタリングを活用したいと考える経営者のために、ファクタリングの審査では何を重視されるのか、審査に通るために注意しておきたいポイントなどを徹底解説します。

 

ファクタリングの審査のハードルが低いといわれる理由

ファクタリングは、企業などが保有する売掛金をファクタリング会社に売却し、入金期日よりも前に現金化させる資金調達の方法です。

早ければ即日手元のお金を増やすことが可能となるため、中小企業などで急な資金を必要とする場合などの活用されつつあります。

なぜそれほど早く審査が実施され、ファクタリング利用者に売掛金の買取代金が支払われるのかというと、ファクタリング会社で実施される審査のハードルが低いからです。

売掛金を買い取るファクタリング会社にしてみれば、現金化した売掛債権が本来の売掛先からの入金日に回収できなくなることが最も困ります。

そのため、申し込みを行った企業の経営や財務状況よりも、売掛先の経営や財務状況を重視した審査を行うことがハードルの低さに繋がっているといえるでしょう。

仮に融資で資金調達した場合は、短期融資でも完済させるまで数年はかかります。そのため貸し付けを行った銀行は、融資した企業が返済途中で倒産してしまう、または経営難で返済不能状態に陥り返済されなくなることを不安に感じることとなります。

そのため融資を受ける企業の信用力を重視した厳しい審査を行うことがより重要ですが、ファクタリングなら売掛先から売掛金入金までの期間は2~3か月程度ですので、その期間待てばファクタリング会社は資金回収が可能です。

銀行融資など金融機関とファクタリングでは、資金をこ提供する側のリスクの種類が異なるため、審査のハードルにも違いを生んでいるといえるでしょう。

 

ファクタリング審査で重要視されるポイント

比較的審査が緩いといわれるファクタリングですが、銀行融資で資金調達する場合には債務者が長期に渡る返済期間において、滞りなく返済を続けることができるか重視した審査が実施されます。

しかしファクタリングは企業などが保有する売掛金という売掛債権をファクタリング会社に売却し現金化させる方法なので、先に述べたとおりファクタリング会社は買い取った売掛債権が期日に無事決済され回収できるか重視します。

そのため申し込みを行った企業の経営状況より、売掛先企業の経営状況が重要となるため、ファクタリング申し込み者の財務状況が多少悪化していたとしても審査を受けやすいことが大きなメリットいえます。

 

ファクタリングの申し込みで審査を受ける前に確認しておきたいこと

ファクタリングで資金調達する場合、ファクタリング会社の審査を受ける前に確認しておきたいポイントをおさえておきましょう。いくら審査が甘いとはいえ、どのような売掛金でも買取可能となるわけではないため知っておきたい項目です。

 

売掛先企業の状況

ファクタリング審査の流れにおいて最も重視されるのは売掛先企業の信用力です。そのため売掛債権を確実に回収できるかは、売掛先企業の次の項目を確認することとなるでしょう。

  • ・信用情報
  • ・利益額(利益率)
  • ・借入件数や返済履歴
  • ・自己資本比率
  • ・申し込みのあった企業との取引期間

 

売掛金が入金される期日

売掛金を回収できる日がいつなのか、その入金までの期間が長くなればファクタリング会社が抱える貸し倒れリスクは高くなります。そのため、入金される期日までの日数が短いほど、貸し倒れリスクは低くなり審査も通りやすいはずです。

 

申し込みを行った企業などの状況

審査で重視されるのは売掛先企業の信用力ですが、申し込みを行った企業などの経営状況はまったく関係ないわけではありません。

資金繰りの状況や借入件数と返済履歴、滞納している税金の有無なども確認されることになります。これは、2社間ファクタリングを利用した場合などにおいて、売掛先企業からの回収は申し込みを行った企業がファクタリング会社に代行して行うことになるからです。

万一売掛先企業から売掛金の入金があった後で、税金滞納により税務署から売上金が差し押さえられてしまったり、ファクタリング会社に渡す売上金を使い込まれてしまうリスクの大きさを判断します。

 

さらにこのような部分も確認

ファクタリングの審査で確認されるのは、売掛先企業の信用力や差し押さえなどのリスク、売掛金が入金されるまでの日数などですが、他にも売掛金の種類や二重譲渡の危険性などについてです。

信用性が高いとされる売掛金は、建設業者が保有する大手企業の売掛金、公的機関が相手となる医療報酬債権などが挙げられるでしょう。

さらにファクタリング会社に持ち込まれた売掛金が、すでに他のファクタリング会社に譲渡されているものではないか、二重譲渡に関してしっかり審査を行います。

 

ファクタリングに利用できない売掛債権とは?

ファクタリングは売掛金を保有していることが利用する上での最低条件ですが、どのような売掛金でも買い取ってもらえるわけではありません。

ファクタリング会社で行う審査において、買い取りを断られてしまうのは次のようなケースが多いと考えられます。

 

証拠書類が不十分

売掛債権は目に見えない資産ですので、いくら売掛金を回収する権利があるから売却したいと訴えても、そのことを証明することができなければファクタリング会社も買い取りができません。

そこで、売掛債権が発生していることを証明する書類を提出することになりますが、具体的には売掛先企業に対する請求書や契約書、過去の入金履歴を示す通帳などです。

ファクタリング会社によって求められる書類は異なる場合もあるので明確な基準はないものの、たとえば請求書や売掛先企業からの入金に関する資料はなくても、建設業などで工事に関する具体的な書類があったことで売掛債権が発生している信憑性が高いと判断され、審査が通ったという例もあるようです。

また、請求書は提出したものの、その裏付けとなる過去の入金履歴を示す通帳口座の写しなどを提示するよう求められたのに拒否したことで審査が通らなかったというケースもあります。

請求書は売掛債権が発生していることを示す重要な書類ではありますが、作成しようと思えば誰でも作ることができるので、持ち込まれた請求書が架空のものである可能性も否定できないのです。そのため何らかの裏付けを行うことが必要となると理解しておきましょう。

裏付けとして提出する書類は、過去の入金履歴を示す通帳口座や、両社の印鑑が押印されている契約書などがあれば特に問題ないでしょう。ただ、それらの書類を提出することを拒んだ場合、審査は通らなくなる可能性が高いと考えられます。

 

偽装工作でファクタリングが利用されるケースは実際にある?

ファクタリング会社は基本的に、申し込みを行う企業などから提出された書類や面談により伝えられた内容などを信用して買い取りを行おうとします。

しかし中には書類の偽装を行う悪意を持った利用者も存在し、たとえば架空の請求書が提示されるケースは最も多く、悪質なケースになると取引先と共謀して詐欺行為を行おうとするケースもみられます。

さらに悪質なケースになると、通帳の写しの画像を加工し過去に取引があったようにみせかける入金履歴偽装を行うなどの行為が確認できています。

いずれの行為も詐欺罪になりますので絶対に行ってはいけないと認識しておいてください。

 

個人相手の売掛債権は買い取り不可で審査対象外

個人を相手とする売掛債権はファクタリングに利用できません。信頼性を判断することが困難であり、もし回収不能となった場合に深追いしにくいことがその理由といえるでしょう。

そもそもファクタリングは、ファクタリング会社が売掛金を買い取り現金化した後で、売掛先企業が倒産してもその責任はファクタリング会社が負うことになります。ファクタリングを利用した企業などに売掛債権を買い戻すことを要求することはない点が、手形を売却して現金化する手形割引との大きな違いといえます。

そのため未回収となり貸し倒れとなるリスクはできるだけ抑えた上で、売掛金を買い取ることがファクタリング会社にとって重要となることから、個人相手の売掛債権は対象外としているようです。

 

個人事業主でもファクタリングの申し込み・審査は可能か

ファクタリングの利用を希望しているのが法人ではなく個人事業主の場合においても、ファクタリング会社によっては取り扱い不可としていることがあります。

特に2社間ファクタリングで債権譲渡登記を行うことが必須要件となる場合、債権譲渡登記自体が法人のみ可能となるため、個人事業主では対応できなくなることがその理由です。

ただ、すべてのファクタリング会社が2社間ファクタリングで債権譲渡登記を必ず必要としているわけではなく、未登記や留保という形で対応してくれる柔軟な対応を可能とするファクタリング会社もあります。

そのようなファクタリング会社であれば、個人事業主でも申し込み可能としているはずです。

 

ファクタリングの審査で買い取り不可と判断されないために

ファクタリングで資金調達する際、申し込みをしたものの審査に落ちてしまったということのないように、申し込みを行う企業などが注意しておきたい部分を把握しておきましょう。

売却したい売掛債権が月商に対して高すぎないかということ、法人を設立してからの期間と比べて売掛先企業と取引している期間が短くないか誠実ではない行動をとっていないかです。

まず、売却を希望する売掛債権が月商に対して高すぎてしまうと、ファクタリング会社は売掛債権を買い取っても回収できなくなるリスクが高いという判断することになり、仮に審査は通ったとしても手数料は高めに設定されるでしょう。

法人を設立した期間から長く経営を続けているほうが信用力は高くなりますし、売掛先企業との取引期間も長いほうが審査は通りやすくなります。

そしてファクタリングを利用する上で必ず必要となるのがファクタリング会社の担当者との面談です。この面談では、経営者がどのような人物なのか、信頼できる相手かを判断します。面談の時間に遅れたり、書類に不備などがないよう、誠実だと判断してもらえる行動をとることが最も重要となるでしょう。

 

2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの審査の違い

ファクタリングには申し込みを行った企業とファクタリング会社で契約する2社間ファクタリングと、売掛先企業も契約することになる3社間ファクタリングがあります。

この2社間と3社間で審査のハードルが異なるのか気になるところですが、ファクタリング会社が重視するのは買い取った売掛債権が問題なく回収できるかどうかです。

そのため、3社間なら売掛先企業からファクタリング会社に直接売上金が入金されることになるため、2社間よりも未回収となるリスクはその分、軽減されます。

しかし2社間の場合、売掛先企業からの支払いはファクタリングを利用する企業に行われ、そこからファクタリング会社に横流しという形で渡されることになります。

もし税金などを滞納していれば売掛先企業から入金があったタイミングで差し押さえに遭い、回収した売上金を引き出しできなくなる可能性もあるでてきます。

資金繰りが悪化していれば、回収した売掛金を使い込まれてしまう可能性もゼロではありません。

そのため3社間よりも2社間のほうが審査は厳しくなりますし、設定される手数料も高く設定されます

 

ファクタリングの審査に必要な書類

ファクタリングを資金調達で利用する場合、必要となる書類はファクタリング会社によって異なりますが、一般的には次のとおりです。

 

企業の概要がわかる資料

会社概要が掲載されたパンフレットや、インターネット上のホームページを印刷したものなど、名刺と一緒に準備しておきましょう。事業内容や事業規模、経営年数、反社会的勢力との繋がりなども確認されます。

 

過去の決算書類

直近2期分から3期分の決算書を求められることが多いですが、赤字でも審査に通らないわけではなく、定期的に売掛金が発生しているか、期日どおりに入金されているかそのサイクルが確認されます。

 

資金繰り表や取引銀行口座の通帳

ファクタリング後の資金繰りの回復の余地や支払い能力の有無を判断するために必要です。多少債務超過していても問題視されることはありませんが、支払いまでの1か月後の間に企業が倒産してしまわないか確認されます。

また、期日通りに売掛先企業から入金がされているかなどもチェックの対象です。

 

売掛金の発生を証明する書類

本当に売掛金が発生しているのか証明する書類が必要です。

業務基本契約書、請求書や発注書、納品書、個別契約書など、ファクタリング会社によって求められる書類は異なることもあるので、何が必要か事前に確認しておくとよいでしょう。

 

税金・社会保険関係書類

税金を滞納していると売掛金企業から入金された売上金が差し押さえに遭う可能性がありますので、納税証明書や納付済証を求められることもあります。

 

その他必要になる可能性のある書類

他にも3か月以内の商業登記簿謄本など、ファクタリング会社によって必要となる書類は多少異なることがあります。

もし同時に複数のファクタリング会社に見積もりを依頼する場合、依頼する業者分、商業登記簿謄本の部数も必要となるでしょう。

 

まとめ

ファクタリングは銀行融資やビジネスローンなどとは違った部分を重視した審査が行われますので、借り入れで資金を調達するときよりも低いハードルの審査であることが特徴です。

審査が早いファクタリング会社なら、即日売掛金を現金化できるので急いで資金を準備しなければならない場合にもおすすめできます。

ファクタリングは売掛金を保有していれば利用できる資金調達の方法ですので、中小企業などは審査を受けやすいことが特徴ではありますが、どのような売掛債権でも現金化が可能となるわけではありません。

さらに審査で重視されるのは売掛先企業の信用力ですが、ファクタリング申し込みを行った会社の信用力はまったく関係ないとはいえず、場合によっては買い取りを断られてしまうこともあります。

そのため、先にのべたような審査に通過するために事前に把握しておきたいポイントなどを改めて確認しておき、審査が通らず利用できないといった事態に陥らないように準備しておきましょう。

ファクタリングは融資を受ける方法ではありませんので、借金を増やさず資金繰り改善に活用できます。起業したばかりでも売掛金を保有していれば利用できますし、下請けなどの立場で長い売掛金回収サイトに苦しんでいる場合にも有効です。

口コミなどを参考に、優良で信頼できるファクタリング会社にまずは相談してみましょう。