経産省も推奨するファクタリング


「売掛金を活用したファクタリングは真当な資金調達法である」

経済産業省が公表した「中小企業における資金調達の課題」によると、日本のファクタリング利用率は米国と比較すると圧倒的に低く、売掛金に代表される流動資産で資金調達を活性化させる必要があるとしています。この課題に早急に取り組む必要性を明言しているなど、経産省がファクタリングを推奨する理由には次の点が挙げられています。

①巨大な売掛債権規模

国内の中小企業が保有している売掛金は76兆円を超えており、担保不動産の総額87兆円と同等の規模です。

しかし、融資の担保として利用されている売掛債権はそのうちの0.6%に過ぎず、資金調達手段としてはほとんど周知も利用もされていません。
米国では全体の15%程が証券化されており、ファクタリングは一般的なファイナンス手段として利用されています。それに対し日本では、たったの1.7%に留まっており、まだまだ周知が必要だと考えられているようです。

国家予算に匹敵する売掛金が有効活用されず、宙に浮いたままの状態では経産省の目線から見ると余りに非効率だという見解でしょう。

②低迷する不動産価値

中小企業融資の9割は、担保として不動産を入れた契約になっています。その一方で不動産価値は年々低下の一途を辿っており、築年数が経過することで価値が薄れていく不動産の性質や、そもそも不動産担保が乏しい弱小企業にとっては担保不足となり十分な資金調達ができないことが問題視されています。

そこで不動産以外の資産を活用する資金確保の手段として、売掛金を現金化するファクタリングが注目されています。

③金融機関の審査対応問題

レポートでは金融機関の中小企業に対して実施される厳しい審査に対する言及も行われています。

  • 大手企業の巨額融資と比較した場合の
    審査コストに対するリターンの薄さ
  • 会計監査や情報公開が
    義務付けられていない中小では検討材料の少ないこと
  • 保証能力が低く経営状況も外的要因に左右されやすいこと

などがネックとなって、銀行から貸し渋りが起きることは政府も周知の上です。
このような問題を打開する策として、借入ではないファクタリングでの資金調達を提案されています。

環境整備も積極的に!

ファクタリングの利用を拡大するために欠かせないのは、風評被害撤廃と契約の慣例是正です。

まず風評問題に関しては、3社間で契約する際に売掛先企業に債権譲渡を承認してもらう必要があります。この打診段階で現在運転資金に困っているという事実を伝えることが必要になります。

  • 今の時点で売掛金に手を出さなければやっていけないのか?
  • この会社はもう長くないだろう
  • 念のため他社に取引を切り替えるべきだろう

多くの企業では残念なことに、このようなネガティブな感覚が根付くことになる可能性があります。しかしファクタリングは真当なビジネスツールであり、経営を悪化させるものではないことを再周知させる必要があるでしょう。
具体的な策として、中小企業庁が売掛債権担保に対して90%保証を約束する「売掛債権担保融資保証制度」を導入するといった積極的な姿勢が見えます。

また、もう1つ二重譲渡等の不正を防ぐ目的で債権譲渡禁止特約の存在があります。
日本の売掛取引の50%は、この譲渡禁止ルールが適応されていますので、ファクタリングの足枷になっているため経産省を中心に特約解除が働き掛けられています。

環境整備が進むことで調達コストの高い2社間ファクタリングばかりでなく、3社間も積極的に利用されることになるでしょう。

ファクタリングの潜在的ニーズ

みずほ総合研究所の調査によると、ファクタリングを利用したくない理由として、資金繰り困難であると判断されたくない(30%)、調達コストが高くなる(25%)というように、半数以上でイメージと手数料が理由であることがわかりました。
仕組みが理解できないと回答したのは3割程度であり、7割以上はファクタリングを知っていても利用を控えているという結果が見えています。

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