中小企業は年末年始の資金繰りが重要!なぜ資金需要が拡大する?


年末年始には、資金繰りが悪化し倒産してしまう中小企業が増えてしまいがちです。年末を無事乗り越えても年が明けて年始になると無理な資金調達が原因となり、事業を継続できず倒産に至る時もあります。

特に年末は中小企業にとって資金繰りの山場といえるタイミングですが、その理由は年末年始に資金需要が拡大するからといえます。

そこで、年末年始にはどのような要因が中小企業の資金繰りを悪化させるのか、資金需要が大きくなる理由も踏まえて把握しておきましょう。

 

年末年始は注意が必要な理由

年末年始は資金需要が高くなるため資金繰りが悪化しやすい傾向が見られますが、その理由として次のようなことが挙げられます。

 

年末年始は取引量が増える

年末にはクリスマス需要年末年始商戦など、イベントによる取引量が増加してしまいます。そのため、普段の資金繰りに余裕がない場合、経営者からの貸し付けなどで資金を調達しているケースも多いようです。取引量が拡大している中で年末の繁忙期を迎えるダブルパンチにより、資金繰りが悪化しやすいといえるでしょう。

 

年末年始に取引量が増えることへの対策

年末年始に、一時的な取引量の増加は売上向上につながるためメリットではあります。ただ、取引量が増えれば仕入れ代金など支払う金額も増加してしまいます。そのため多く発生した売掛金を保有したままでいると、たちまち資金不足に陥りやすくなるものです。

特に月末が入金予定の売掛金は、当日入金されなければ年始の銀行営業日まで引き出しができません。売掛先の経営状況などにも注意し、与信管理を徹底してリスク要因は特定し対策を講じておくようにしましょう。

 

年末年始は金融機関が多忙

銀行など金融機関は大みそかから三が日にかけて休業するため、休業まで顧客が集中することになります。年が明けたタイミングも同様に、金融機関には多くの顧客が詰め寄せることとなることが一般的です。

そのため、通常であれば銀行から融資を受け資金を補うことが可能なケースでも、審査に時間がかかってしまい資金調達に至らないケースも出てきてしまいます。

 

銀行の繁忙期を認識しておくこと

銀行などの金融機関は、3月(年度決算)・9月(中間決算)・12月(第3四半期決算)・6月(第1四半期決算)繁忙期です。

このような時期の銀行に融資の申し込みを行っても、スムーズな融資実行には至らず時間がかかると考えておくべきです。また、審査に通るとも限りませんので、万一融資を受けることができなかったときの資金調達方法を検討しておくことが必要といえます。

 

年末独自の支払いに追われる

年末は社員への賞与や法人税・消費税など税金の仮払い、そして年末調整による社員への還付金準備などで支払いが増えます。いずれも年末だからこそ発生する支出ですが、会社の資金繰りを悪化させやすい要因として挙げられます。

 

税金負担が資金繰りを悪化させる

このうち法人税は、前事業年度の税額が20万円を超えるとよく事業年度に中間申告と納付が必要になります。

中間申告の際には事業年度の前半6か月分の法人税を納めることになりますが、中間申告を行うのは前半6か月を経過した日から2か月以内です。

日本の企業は3月決算の会社が多いですが、この場合の中間申告による納税は11月30日が支払い期限となると理解しておきましょう。

また、社員に対する年末調整還付金を12月の給料に上乗せする場合などは、その分を会社が一旦立て替えて支払うことになりますので注意してください。

 

黒字でも資金繰りはあなどれない!

ずっと黒字が続いているので年末年始に資金繰りが悪化することはないと甘くみていると、突然の資金不足に困ることになるでしょう。

中小企業など会社は成長するに従って取引量や金額も増えていきますので、売上が増えると同時に仕入れも大きくなります。

日本の商取引は掛けによる取引が一般的ですので、現金商売でない場合は売掛金の回収遅れや買掛金支払いのため黒字でも資金不足になる可能性が出てくると考えておくべきです。

黒字でありながら資金繰りがうまくいかず、経営が行き詰まり倒産してしまう黒字倒産は避けなければなりません。

 

中小企業が行う年末年始の資金繰りのまとめ

中小企業が年末年始に資金繰りを悪化させないためには、事前にいつどのタイミングで資金を必要とするのか算出しておくことが必要です。

もし年末年始に一時的に支払いが増えたとしても、事前に必要となる金額やタイミングを把握しておくことで慌てず対処できます。

中小企業が特に注意しておきたいのは年末の臨時的な支出であり、年末倒産と呼ばれるほど倒産リスクが高まります。いろいろな要因が重なると資金繰りが悪化しやすい点を理解しておきましょう。

年末を無事乗り越えても年始にも資金繰りは悪化しやすいため、資金不足に陥ることで慌てることのないよう、事前に資金を調達しておくことが必要です。