ファクタリング業を装った闇金融業者が逮捕?|安心して利用するために


ファクタリング会社を装う闇金融業者が逮捕された事件が以前あったことを覚えているでしょうか。

それまで有効な資金調達の手法としてファクタリングを活用していた経営者などは、自分ももしかして闇金融業者に騙されているのか?と疑ってしまうほど、激震を与えた事件でもあります。

しかし、ファクタリングそのものが違法というわけでもどのファクタリング会社も闇金業者であるわけでもありません。

あくまでもファクタリング会社を装う悪徳な闇金融業者が違法な取引を行った事件ですので、今後騙されることのないようにその手口を把握しておきましょう。

 

ファクタリング会社は闇金融業者ではない?

ファクタリングの仕組みを規制する法律は今の時点ではありません。そのため、売掛債権の売買契約を結ぶファクタリングのやり方が、何らかの法律に触れる行為ではありません。

ファクタリングで資金調達が可能となるのは、企業などが保有する売掛債権が売却されることで、その代金を受け取ることができるからです。

売掛債権という資産の売買契約を利用者とファクタリング会社で結ぶこととなるため、利用者は借金を増やすわけではないため、ファクタリング業を営む業者も貸金業登録の必要はありません。

正規のファクタリングによる取引であれば違法ではないのですが、この法規制の緩さをうまく悪用し、売掛金の買い取りと見せかけた金銭の貸し付けを行う闇金融業者も存在するのです。

 

実際に発生したファクタリング会社を装う闇金融業者の違法行為

2017年1月、ファクタリングによる取引を装った闇金融業者が逮捕されました。逮捕の理由は貸金業法違反(無登録営業)の疑いであり、ファクタリングを装いながらもその実態売掛債権を担保とした高金利による金銭の貸し付けだったのです。

もちろん貸金業登録は行われていない闇金融業者が行った行為であり、超高金利での設定であったため出資法違反という罪にも該当します。

このとき摘発されたのは「東洋商事」と「MINORI」という業者で、2つの業者は平成27年秋から28年11月までに全国約250社に対し総額3億円以上を貸し付けていたとされています。

それにより得た利益は1億円以上であり、資金繰りが悪化した中小企業などがその標的となりました。

容疑者たちの言い分は、「ファクタリングは売掛債権の売買なので貸金業登録の必要はない」というものですが、実態そのものがファクタリングではないため逮捕に至っています。

 

新型ヤミ金といわれる闇金融業者の手法とは

このようなファクタリング取引を装う新型ヤミ金と呼ばれる手法でお金を借り入れてしまう標的となるのは、主に資金繰りが困難な状況にたたされた中小企業です。

今すぐお金が必要だけれどローンなどで借り入れができず、従業員の給料や仕入れ代金の支払いに充てる資金を失った中小企業の足元を見て詐欺行為を行おうとします。ファクタリングを悪用し、高額な手数料を取り立て徴収するという悪徳な手口です。

しかし手数料というのは表向きの名目で、実際には高金利で金銭を貸し付けたことによる法外な利息を請求していました。

この背景には、ファクタリングには貸金業者のような登録制度がなく、設定される手数料にも法的な制限が設けられていないことが関係しています。

正規のファクタリング会社であれば、企業から持ち込まれた売掛債権を買い取り、売掛先から支払われる代金で回収を行います。しかしファクタリング会社を装った闇金融業者業の場合、売掛債権を担保として融資を行います。

金銭の貸し付けを行うのなら法定金利を守ることが必要ですが、この闇金融業者では法定金利の10倍以上という明らかに違法な高金利が設定されていました。

 

何度も繰り返し貸し付けを行う

繰り返しになりますがファクタリングは融資を受けて資金調達するのではなく、売掛債権を売却した代金を受け取る形でお金を受け取ります。

ファクタリングの特徴は、業界そのものの法規制が十分でないこと、手数料には明確な規制が設けられていないことです。闇金融業者が貸金業者と装い金銭を貸し付けようとすると、厳しい法規制の縛りを受けてたちまち取り締まりの対象となり、逮捕されてしまいます。

そこで、法整備の緩いファクタリング業界に目をつけ、ファクタリング会社に衣替えを行った上で手数料という名目の法外な金利を受け取ろうとする闇金融業者が増えてしまったのです。

 

債権譲渡通知も悪用

正規のファクタリング契約において、3社間ファクタリングでは売掛債権の譲渡の事実を売掛先に通知します。その際に作成されるのが債権譲渡通知書ですが、闇金融業者はこの通知を2社間ファクタリングでも作成しておき、お金を返せないのなら売掛先に通知書を送付すると圧力をかけてきます。

返済できないのなら元金は据え置きで、利息だけ支払えばよいと繰り返し貸し付けを行おうとします。このジャンプという行為も、闇金融業者が行う手口であり、いつまでたっても元金を完済させることはできなくなるでしょう。

資金繰りが苦しい中小企業の場合、契約する前段階で相手が闇金融業者だと気がついたとしても、すぐにお金を準備しなければならないからとそのまま契約してしまうケースもあるようです。

しかし一度闇金融業者と取引をしてしまえば、資金繰りを改善させることができなくなるだけでなく、事業を続けることが難しくなるでしょう。闇金融業者からお金を借りることは絶対に行わないようにしてください。

 

中小企業の売掛債権活用は国も推奨

ファクタリングで資金調達するときの原資となるのは売掛債権です。この売掛債権を用いた資金調達は、経済産業省も推奨しています。

そのため本来であれば、もっと中小企業の間で有効に活用されてもよい資金調達の方法でありながら、ファクタリング会社を装う闇金融業者の存在がその足止めをしている状態です。

目先のお金に困り急いで調達しなければならない状況であったとしても、闇金融業者からの資金調達はいずれ経営を行き詰らせることとなります。

危ないファクタリング会社とはどのような業者か把握しておき、闇金融業者であると疑わしいのなら絶対に契約しないようにしましょう。

 

闇金融業者など危ないファクタリング会社の特徴

ファクタリング会社にもいくつか種類があり、銀行系・ノンバンク系・独立系と分かれています。そもそもファクタリング業界には貸金業登録のような登録制度はないので、登録していなくてもファクタリング会社として事業を営むことは可能です。

ただ、償還請求権といって万一売掛先が倒産し、代金の回収ができなかったときその弁済を利用者に請求する権利の設定されたファクタリング契約を結ぶには貸金業登録が必要です。

この償還請求権ありのリコース契約のファクタリングは融資とみなされることがその理由ですが、リコース契約なのに相手が貸金業登録を行っていない場合は闇金融業者と疑うようにしましょう。

 

他にも危ないファクタリング会社ではないか?と判断する基準として、

 

  • ・設定される手数料が明らかに高すぎる
  • ・契約書が作成されない
  • ・または控えを渡してもらえない

 

といったことが挙げられます。

 

手数料に関しては、反対に提案の際には相場よりもあきらかに低い割合で設定し、顧客を誘った後で引き上げてくるケースもあるので注意しましょう。

さらにファクタリングを利用する際には審査が行われます。ファクタリングでは売掛債権が売却されますが、一般的なノンリコースファクタリングの場合には売掛先が倒産してしまうと代金の回収ができなくなり、その責任も利用者が負うことはありません。

ファクタリング会社が貸し倒れリスクを背負う形で契約が結ばれますので、売掛先の信用力は非常に重要な要素となるからです。

期日に確実に代金を回収できる売掛先なのか、利用者は信頼できる相手なのか、提出された書類や面談などで審査を行った上で契約が結ばれます。

しかしこの審査をほとんど行うことなく、提出する書類もないままで契約を先急ごうとするファクタリング会社の場合、闇金融業者である可能性も否定できません。

 

ファクタリングを利用して資金調達したほうがよいケース

本来、ファクタリングは中小企業にとって有効な資金調達の方法です。その理由としてファクタリングの場合、銀行融資のときのように利用者の信用力を重視した審査ではないこと、早ければ即日売掛金の現金化が可能になるなどお金を手にするまでの時間が短いことなどです。

中小企業の抱える資金ニーズを解決してくれる方法といえるため、多くの企業がもっと有効に活用するべきともいえるでしょう。しかし闇金融業者の存在により、利用したくても不安に感じてしまう経営者もいるはずです。

ただ、正規のファクタリング会社を利用すれば何も問題はありませんので、どのような場面でファクタリングを資金調達に利用するべきかご説明します。

 

季節要因で一時的に支払いが増えたとき

製造業などで多いのが、ある一定時期にニーズが高まり、一時的な売上向上と仕入れ代金の増額による資金不足です。

製品はニーズに高まりで飛ぶように売れ売上も高まりますが、それに伴う仕入れ量の増加により支払いも増えてしまいます。売上代金は売掛先から後日入金されますが、仕入れ代金は売上代金入金前に支払いが発生し、一時的な資金需要の高まりで資金不足に陥ってしまいがちです。

このような場合、ファクタリングにより入金予定前の売掛金を現金化し、平月の収支に戻るときまでの一時的な資金源に充てるとよいでしょう。売掛金を前倒しで受け取るには手数料が発生しますが、増えた売上の入金分でまかなうことができるからです。

季節要因で一時的に収支のバランスが崩れてしまうときなどには特に有効な手法です。

 

大口受注への対応に

建設業などを営んでいると、ある日大口の受注が入ったものの材料費の負担ができず困るといったこともあるようです。

このような場合にもファクタリングは有効で、普段の資金繰りを超えた大口案件に対応する利用方法もあります。

 

運転資金が不足してしまったとき

入金予定の売掛先から連絡が入り、支払いを少し待ってほしいといわれてしまうこともあるでしょう。

入金される予定だった資金を自社の経費などの支払いに充てる予定だった場合、売掛金が回収できないことで別途資金調達しなければならなくなります

しかも急な連絡で、自社の支払いまで日数に猶予がないという場合、銀行融資などで資金調達しようとしても審査に時間がかかってしまいます。

このような場合、ファクタリングであればファクタリング会社にもよりますが、持ち込んだ売掛金を即日現金化できるなど迅速な対応が可能です。

ただし注意したいのは、あまりに迅速性を重視するあまり、先に述べたような闇金融業者を利用してしまわないことといえます。

 

オフバランス対策に

貸借対照表のことをバランスシート(BS)といいますが、このバランスシートの資産や負債を減らすことオフバランスといいます。これは企業の財務対策として行われていますが、ファクタリングもオフバランスに有効な手法です。

ファクタリングで現金化させる売掛金は、バランスシート上では資産に含まれています。資産である売掛金を使い、借入金や買掛金の支払いに充てれば総資産額を少なくできます。

バランスシートをスリム化することによって、資本に対する利益率を高めれば企業価値も高いと認められ、銀行からの評価も上げることが可能です。

設備投資や事業拡大などを検討している場合には、まとまった資金が必要となり銀行融資をたよらなければならなくなるでしょう。そのため、銀行からの評価を上げたいという場合にも、ファクタリングは有効な手法といえます。

 

ファクタリングを利用しないほうがよい資金ニーズ

ファクタリングは中小企業にとって有効な資金調達の手法ですが、設備投資用の資金としては不向きです。

設備投資につかった資金は、減価償却により数年に渡って経費計上していくこととなります。

そのため分割返済が可能となる銀行融資やリースの方が資金繰りは楽であるといえ、ファクタリングを利用した資金調達を活用してしまうと翌月の資金繰りが厳しくなりがちです。

先に述べたとおり、銀行融資に向けた資金繰り改善やオフバランスを目的としてファクタリングを実施することは有効です。

ただ、ファクタリングで調達した資金そのものを設備投資に充てるのは、将来的な資金繰り悪化を招きかねないと認識しておきましょう。

 

慢性的な資金繰りには慌てて使わないほうがよい

小売業などの場合、構造的に粗利率が低い状態で常に資金が不足している状況というケースもあります。

月の売上と同額の資金調達を必要とする場面でファクタリングを利用したとしても、翌月移行はまた資金繰りに行き詰ってしまいます。

このような場合、ファクタリング会社の中にも資金調達や経営改善に関するコンサルティング業務も行う業者があります。

取り急ぎの止血策と、経営改善計画の作成などを相談し、長期的な資金繰り改善に向けた取り組みが必要です。

 

最後に闇金融業者を見分けるポイントをご紹介

ファクタリングで資金調達したほうがよいと判断できる場合、ファクタリング会社に相談したくても闇金融業者の可能性があると考えれば、一歩を踏み出すことができなくなってしまいます。

そこで、悪質なファクタリング業者や闇金融業者を見分けるために、そのポイントなどをいくつかご紹介します。

次の項目に該当するファクタリング会社は悪徳業者や闇金融業者である可能性が極めて高いため、急いで資金が必要という場合でも慌てて契約してしまわないようにしてください。

 

  • ・インターネットのホームページに代表者名、資本金額、設立年月など会社概要の記載が詳しく載っていない
  • ・ホームページの本社や営業所所在地にあるはずの店舗が実在しない・またはレンタルオフィスなどである
  • ・ホームページに掲載されている代表番号ではなくいつも携帯電話から連絡が入る
  • ・直接店舗を訪問しようとすると断られる
  • ・面談は店舗ではなく近隣のカフェなどで行う
  • ・審査で必要となる書類が極端に少なく、ほとんど審査を行わない状態で契約を迫る
  • ・契約書の内容の説明がなく、書面の作成がない・または控えを渡してもらえない
  • ・代金は振込ではなく現金での取引を求めてくる
  • ・売掛債権金額とは関係のない金額で契約を求めてくる

 

まとめ

せっかく中小企業にとって有効な資金調達の手法であるファクタリングは、闇金融業者の存在により危ない手法である、または違法だと誤解を受けていることもあります。

しかしファクタリングそのものは違法な取引ではなく、むしろ国も進める売掛債権を使った資金調達の手法です。

ファクタリングを資金調達に活用する上で大切なのはファクタリング会社選びです。1社だけに相談をして即決するのではなく、比較サイトなどで複数社を比べながらどこに依頼するのかしっかり検討した上で決めましょう。

複数のファクタリング会社の手数料を把握しておけば、売却しようとする売掛金はどのくらいで買い取ってもらえるのか相場を知ることにもつながります。