ファクタリングで資金調達することに何かリスクはあるのか?


どのような取引でもリスクについては常に考えておくことが必要です。資金調達においてファクタリングを利用する場合でも、どのようなリスクがあるのか知っておかなければ後々トラブルになる可能性も否定できません。

ファクタリングは将来入金予定の売掛金を売却し、現金化させて資金調達する方法です。そのため自社だけでなく、売掛先も関係するのか?信頼できる業者なのか?など気になることはいろいろでしょう。

そこで、ファクタリングを資金調達に利用する前に、どのようなリスクがそこに存在しているのかその内容を徹底解説していきます。

 

まず把握しておきたいデフォルト・リスク

売掛先が倒産してしまった場合、期日になっても売上代金は回収できなくなってしまいます。このリスクがデフォルト・リスクですが、ファクタリングにおいてデフォルト・リスクを抱えるのはむしろファクタリング会社です。

ファクタリング会社は買い取った売掛金を現金化し、手数料を差し引いた上で利用者に買取代金を支払います。その後、売掛先から期日に売上代金が支払われ、その代金をファクタリング会社が回収する流れです。

たとえ売掛金を買い取った後で、売掛先が倒産してしまい売上代金が支払われなかったとしても、利用者はその責任を負う必要はありません

貸し倒れや未回収のリスクはファクタリング会社が負担する形で契約が結ばれますので、デフォルト・リスクをファクタリング会社に移転させて資金調達できるのはファクタリングの大きなメリットといえます。

 

ファクタリングそのものにリスクはある?

ファクタリングという資金調達の方法はまだ十分に周知されているとはいえません。企業などが保有する売掛債権(売掛金)を譲渡(売却)することで現金化させるといわれても、ピンとこないという方もいることでしょう。

ただ、近年では中小企業の経営者から徐々に浸透しつつありますが、これは平成17年10月3日に「債権譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律の一部を改正する法律」が施行されたことが関係しています。

この「債権譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律の一部を改正する法律」により、売掛債権を債権譲渡登記により第三者への対抗要件に備えることが可能となったからです。

それまでファクタリングは3社間ファクタリングのみの扱いで、売掛債権を譲渡するには売掛先に通知・承諾を得るという流れが必要でした。

その流れがなければ、他にも同じ売掛債権を買い取ったという第三者があらわれたとき、自社が買い取ったものだとファクタリング会社が主張することもできずリスクを抱えきれないからです。

しかし売掛先に対し、十分に周知されていないファクタリングによる資金調達を行うことを説明しても…「ファクタリングとは?なぜ銀行融資を使わないのか?」「よくわからない資金調達方法を使わなければならないほど財務状況が悪化しているのか?」といった余計な勘繰りをされ、場合によっては取引停止に至るというリスクまで発生させていました。

そのため売掛先に対する通知・承諾を必須とする3社間ファクタリングは利用者にとってはリスクが高いと敬遠され、結果としてファクタリングそのものの利用が広がりにくくなっていたのです。

しかし債権譲渡登記が新たに可能となり、対象となる売掛債権が誰から誰に対し譲渡されたものか法的に証明できるようになりました。

売掛先に通知・承諾を必要としない2社間ファクタリングも、この債権譲渡登記を行うのならリスクが回避できるから…と、可能とするファクタリング会社が増えたので中小企業が多く利用するようになったのです。

2社間でも3社間でも、正規のファクタリングは危険なリスクの高い取引ではなく、違法な契約・取引でもないことは知っておいてください。

 

2社間ファクタリングを扱うのは独立系

ファクタリングをサービスとして提供している会社は、大手銀行の子会社や大手ノンバンク、そしてファクタリングを専門として行う独立系のファクタリング会社です。

ただ、2社間ファクタリングを提供するのは主に独立系のファクタリング会社がメインとなります。特に銀行系のファクタリング会社は3社間のみの扱いで2社間は取り扱っていません。

 

ファクタリングは売掛債権の売買で貸金業ではない

2社間ファクタリングで設定される手数料相場は10~20%が一般的ですが、この手数料には法的な上限など規制が設けられていません。

対する貸金業者が金銭の貸し付ける場合には、利息制限法に基づいた範囲で金利の設定が必要です。

貸金業者が守らなければならない上限金利は、貸付額に応じて15~20%と決められており、利息制限法の上限金利を超える金利は民事上無効・行政処分の対象です。さらに、出資法の上限金利を超える金利による貸し付けは刑事罰の対象となります。

現在、出資法の上限金利も20%に引き下げられていますので、貸金業者はこの設定されている上限金利を必ず守ることが必要です。

しかしファクタリングは先に述べた通り、手数料に上限などはなくファクタリング会社の判断次第で決まります。

1か月から2か月の売掛債権の譲渡により設定される手数料は10~20%となるので、仮にこれを利息として考えたときに年率換算すれば利息制限金利を超えます。

もしファクタリングが貸金なら貸金業法違反になるわけですが、売掛金担保ローンや売掛金担保融資は貸金なので利息制限法が適用されるのに対し、売掛債権を譲渡するファクタリングは貸金ではないので利息制限法は適用されません。

ただ、過去にはファクタリング会社を装う悪徳業者が逮捕された事例もあり、万一貸金業だと判断されたときには高いリスクのある取引になってしまいます。そのため銀行系やノンバンク系では取り扱いを行わず、3社間のみという対応のようです。

 

過去に逮捕された悪徳な業者は?

ファクタリング業は貸金業ではないので、貸金業登録も必要ありませんし、利息制限法も関係ありません。

過去にファクタリング取引を主張する悪徳業者が逮捕された事例もありましたが、ファクタリング取引を装い売掛債権を担保とする金銭を貸し付けていた業者だったからです。

売掛債権の売買ではなく、担保にして金銭を貸し付けるのなら貸金業登録が必要となり、設定される金利も上限の範囲で決めることになります。そもそもそのような取引はファクタリングではなく、売掛債権を担保とした融資です。

ファクタリング業者が逮捕された!と耳にすると、ファクタリング自体が悪い取引だというイメージを抱いてしまいがちですが、業者が一方的にファクタリングだと主張しているだけで取引の実態はそうではなかったと判断されています。

ファクタリング自体がリスクの高い違法な取引ではありませんので、勘違いしないようにしてください。

 

債権譲渡登記に隠されたリスク

2社間ファクタリングも債権譲渡登記が可能となったことで、売掛先にファクタリング利用を知られるリスクもなくなりました。

ただ、売掛先にファクタリング利用が知られるリスクはゼロではありません。同時に、銀行融資を予定している場合には、銀行にも知られる可能性があり審査に影響するリスクもあります。

この債権譲渡登記は不動産登記や商業登記と同じく、法務局に売掛債権が譲渡された情報が登記されます。

登記情報は誰でも閲覧可能となっているので、万一売掛先が売掛債権の登記情報を確認したときには知られてしまう可能性もゼロではないといえるでしょう。

特に銀行融資の際、審査において売掛債権については必ずチェックされると認識しておくべきです。

このような場合には、2社間ファクタリングでも債権譲渡登記を不要とする業者を選ぶなど、厳選したファクタリング会社選びが重要といえるでしょう。

 

もっとも注意したい悪徳業者の存在

ファクタリング会社を装い、売掛債権を担保金銭の貸し付けを行う悪徳業者は、法外な利息の設定と完済させず繰り返し貸し付ける手口を実行してきます。

まさに闇金業者といえる手口ですが、一度利用してしまうとなかなか完済できず、いつまでたっても資金繰りは改善されませんし倒産してしまうリスクも抱えることとなります。

そのためファクタリングを資金調達に利用するときには、必ず正規で信頼できる優良なファクタリング会社を選ぶことが大切です。

どのファクタリング会社が信頼できるかわからないという場合には、当サイトでも優良なファクタリング会社を第三者目線の忖度なしで選び紹介していますので、ぜひ参考にされてください。

このファクタリング会社にしようと感じても、1社だけにいきなり絞るのではなく相見積もりを取得し、手数料やサービス内容など比べた上で決めることをおすすめします。

 

まとめ

ファクタリングで資金調達するときには、利用する上でどのようなリスクがあるのか事前に知っておき、どこまでのリスクを受け入れ回避するべきか決めておくべきといえます。

そのためにも、ファクタリングで調達した資金は何に充てるお金なのか、いつまでに資金繰りを改善させるのかなど資金計画をしっかり立てておくようにしましょう。

そしてファクタリングによる資金調達を利用するなら、ファクタリング会社選びが非常に重要です。

いくらよい条件ばかりを提案されても、相手が悪徳業者なら後に様々な費用を請求されることとなるのでしょうし、相手が闇金業者だとしたら事業を続けることができなくなるリスクまで発生します。

何かおかしい・怪しいと不安や危険を感じたら、契約を結ばず他のファクタリング会社に相談して見積もり金額を出してもらうようにしましょう。

売却する売掛債権の買取相場を知ることで、最良のファクタリング会社を選ぶことができることにつながるでしょうし、場合によっては手数料の交渉材料にできる可能性もあります。

不利な条件で契約させられることを避け、少しでもリスクを抑えながら有効な資金調達につながるように、ファクタリングについての知識やノウハウはしっかり身につけておくと安心です。