新型コロナの第2波で緊急事態宣言がまた発令される可能性は?


緊急事態宣言が発令されると、不要不急の外出自粛の要請が出されることとなり、事業者などは店舗や施設など使用制限も要請されることになります。

新型コロナウイルス禍の影響で発令されていた緊急事態宣言は全国的に解除となりましたが、自体が完全に収束するまでは「新しい生活様式」という従来どおりとはほど遠い生活を送ることとなりました。

緊急事態宣言による自粛要請などで休業を余儀なくされていた店舗や企業など様々な業種で、感染拡大防止対策に気を配りつつ、在宅勤務など可能な範囲で続けながら事業活動を開始している状況です。

実際今は緊急事態宣言が解除された状態ですが、いつ第2波が訪れるかわからないため危機感を抱いている中小企業なども少なくないことでしょう。

今後第2波によりまた緊急事態宣言が発令される可能性はあるのか、もし発令された場合にはどのような事業活動の制限を受けるのか解説していきます。

 

緊急事態宣言解除後に感染者が急増?

ゴールデンウィークを含めて、新型コロナウイルス感染症拡大防止のために発令されていた緊急事態宣言ですが、現在は解除され少しずつ以前のような日常を取り戻しつつあります。

しかし東京都では、緊急事態宣言解除前の時期の感染者は1桁台に落ち着いていたのに、2020年6月2日には34人にまで増加しています。

このままでは第2波が訪れたと判断しなければならなくなるため、都民に警戒を呼びかける東京アラートも初めて発動しました。

緊急事態宣言解除後に第2波が襲来し、今真っただ中の状態であるのが福岡県北九州市で、緊急事態宣言解除から11日間で感染者は119人となり再び緊急事態宣言が出されるのでは?と不安な状態が続いています。

今後は場所を問わず、全国どこで第2波と呼ばれる状況が訪れるのかわからないため、様々な業種がまた休業要請などを受けることになるともう限界だと感じているようです。

 

感染者が増える第2波は避けることができない?

緊急事態宣言が解除された後、感染者は確実に増えていると考えられますが、この感染者増加は避けることができないと見通されています。

その理由として挙げられるのが、まだ新型コロナウイルスはワクチンが開発されておらず、集団免疫を獲得していないからです。

この状況で緊急事態宣言が解除されたことにより、通勤・通学・プライベートなどで外出する人数は増えることとなり、感染拡大の可能性を高めているといえるでしょう。

 

緊急事態宣言後に人の流れは活発に

KDDIは自治体向けに提供している位置情報ビッグデータ分析ツール「KDDI Location Analyzer」を活用し、2020年5月25日~5月31日までの日本全国の県境をまたぐ移動に関しての人流分析レポートを公開しています。

それによると、居住する都道府県から他の都道府県への移動は、感染拡大前と比較すると全日平均約27.9~33.8%減少しているようです。

しかし前週よりは平日と休日どちらも増加傾向にあるとしており、一歩遅れて緊急事態宣言が解除された関東圏と北海道の5都道県は、平日約9.6%・休日約13.3%増加しているという結果でした。

NTTドコモが実施した端末移動データを使った調査でも、2020年6月1日の東京都心への人出は緊急事態宣言解除1週間前の5月25日より約1.5倍まで増加しているようです。

新型コロナウイルス感染から発症まで2週間程度と考えると、6月8日以降は東京など都心部の感染者が増える可能性も十分考えられます。

今後PCR検査や抗体検査などが積極的に実施されるようになると、症状の出ない方たちを含め感染者は全国的に増加することが考えられますが、国はいつを第2波と捉えて再び緊急事態宣言を発令するのでしょう。

 

緊急事態宣言が再び発令されたときに備えておくこと

再度、緊急事態宣言が発令された場合には、外出自粛や施設・店舗などの利用制限・休校といった法律で定められた内容での要請が行われることとなります。

新型コロナウイルス対策での特別措置法による内容は、主に次のようになっているので確認しておきましょう。

 

外出自粛の要請が出される

緊急事態宣言が発令されると、各都道府県知事は住民に対し期間と地域を定め不要不急の外出を自粛する要請を行うこととなるでしょう。

ただし、食料の買い出し・医療機関への通院・職場への通勤など、生活を維持する上で必要な外出は除きます

そして外出自粛は要請という扱いのため、強制力はありません。ただ、新型コロナウイルス感染拡大に協力する努力義務があると認識しておいてください。

 

学校は休校に

各都道府県知事は、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐ上で必要と判断される場合において、学校も休校するように要請または指示することが可能となります。

県が所管である県立高校の場合は知事の判断で休校を決めることが可能ですが、市町村立や私立の学校は知事から休校が要請され、応じなければ指示する形となります。また、従わなくても罰則はないとされています。

 

施設や店舗の使用制限

緊急事態宣言が再度発令されたときに最も気になるのが、施設や店舗の使用制限でしょう。こちらも要請という扱いで、特別措置法第45条2項により多数の者が利用する施設に対し使用制限や停止を要請可能としています。

使用制限の対象となるのは、

  • ・映画館・劇場・観覧場など
  • ・集会・展示施設
  • ・百貨店・スーパーマーケット
  • ・ホテル・旅館
  • ・体育館・ゴルフ場・屋内外プール・ボウリング場などの運動施設
  • ・パチンコ店・ゲームセンターなどの遊技場
  • ・スポーツジム・博物館・図書館・バー・キャバレー・ナイトクラブなど遊興施設
  • ・自動車教習所・大学・学習塾・商業施設などで床面積1千㎡を超える施設

ただしスーパーマーケットについては、食品・医薬品・衛生用品など生活必需品を販売する売り場のみ、営業を継続が可能です。

美容室は日常生活の維持に必要な業種との位置づけから、休業要請の対象からは外れています。ただ、緊急事態宣言が発令されていたときの都内の有名美容室などは、自主的に休業を選んだところも多くありました。

もし要請に従わなければ、各都道府県知事から指示を受けることとなるでしょう。さらに指示を受けた施設名は、各自治体のインターネット上のホームページなどに公表されることになってしまいます。

 

イベント自粛の要請

イベントも同じく特別措置法第45条2項に基づいて、開催しないように要請されることになり、応じなければ指示を受けることになるでしょう。

指示を受ければやはり事業者名などが各自治体のホームページなどに公表されることになるため注意してください。

 

緊急事態宣言発令後に強制的に行われる可能性があること

緊急事態宣言が発令されたとき各都道府県知事は、臨時の医療施設をつくる必要がある場合において、土地や建物の所有者から同意を得ず使用できるとしています。また、医薬品や食品など、必要な物資を保管するように命じることも可能となります。

仮に命令に従わないで物資を隠す・廃棄するという行為を行った場合、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金の対象となるため注意しましょう。

物資を保管している場所への立ち入り検査を拒否したときにも、30万円以下の罰金の対象となります。

緊急事態宣言発令後に強制力のある措置は限定されていますので、できる限り協力することが望ましいといえます。

 

緊急事態宣言発令後の医療・介護・保育の対応は?

緊急事態宣言が発令された場合、医療や介護、保育など生活に密着する施設などはどのような対応となるのかご説明します。

 

医療機関

緊急事態宣言が発令されると、不要不急の外出自粛が要請されることになります。ただし医療機関への通院は除外されているので、通院中の方も特に問題はないと考えられるでしょう。

ただし感染者が増加し、ピークを迎えたときに備え、感染者を重点的に受け入れる医療機関を設定することはあります。他の疾患を患っている方は別の医療機関に移すといった調査などが行われることはあるので、これまで通院していたクリニックや病院に通い続けることができなくなる可能性は出てくるでしょう。

また、厚生労働省ではインターネットを通じて受診するオンライン診療の利用条件も緩和するなど、対面で医師による診療を受けなくてもよい形も取るとしています。

 

介護施設

緊急事態宣言が発令された場合には、デイサービスなどの通所施設やショートステイなどの短期入所施設に限って、使用制限または休業を要請可能としています。

休業になった場合、介護事業所のスタッフが利用者の自宅を訪問するなどで代用し、必要なサービスを提供し続けることができるような工夫が必要になります。

入所施設や訪問介護は休業対象ではないので、新型コロナウイルス感染防止策を徹底して行いながらサービスの提供を行いましょう。

 

保育所

緊急事態宣言が発令されると、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐために必要だと判断されれば、保育所などの使用制限も要請可能としています。

保育所が使用制限を要請された場合には臨時休園される可能性がありますし、要請がなくても各市区町村など行政が保育所の受け入れ規模を縮小するなど検討が始まります。

受け入れ規模の縮小となった場合には、保育所を利用している園児の保護者に対しテレワークでの業務や休業などで対応しながら登園を控えるよう協力を求められることになるでしょう。

ただ、医療従事者や社会機能維持のために働かなければならない方もいますし、ひとり親家庭の方は仕事を休むことができない場合もあります。在宅ワークで対応したくても、業種によっては在宅にならない場合もありますし、残業など必要になることもあるでしょう。

そのような方を対象とし、代わりとなる保育の提供を市区町村が検討する流れです。

 

緊急事態宣言が再び発令される可能性は?

緊急事態宣言が発令されると、各都道府県知事の権限により、施設や店舗に営業自粛を要請されることになります。もし要請を受けた場合にいよいよ廃業に追い込まれる可能性があると不安を抱えている事業者も少なくない状態です。

しかし今後は新型コロナウイルス感染者が爆発的に増加したとしても、警戒は呼びかけられるでしょうが全国規模で緊急事態宣言が発令されるとは考えにくいという声もあります。

実際、東京都は東京アラートを発動しましたが、夜の外出をできるだけ控えるように呼びかけただけです。飲食店など事業者に対して営業時間を短縮することや、営業自粛を要請するまでには至っていません。

国や自治体は休業を要請した場合に補償を行わなければならないこと、さらに対象となる中小企業などが多いため事務処理に手間がかかっている状態です。

再度、緊急事態宣言が発令されることや休業要請することになれば、補償を追加しなければならなくなるため、利用自粛を呼びかけ店舗や施設側の自己責任で問題を回避しようとしているとも考えられるでしょう。

 

再度の緊急事態宣言の発令で経済がさらに冷え込む

また、企業側の人員削減などで失業者が増加しており、再び緊急事態宣言を発令すれば経済をさらに冷え込ませてしまうと考えている可能性もあります。

油断させないように再び緊急事態宣言が発令される可能性を見せながら、できれば発令したくないのが本音と考えられます。

 

東京都の対応は?

ただし小池百合子都知事は、新型コロナウイルス感染拡大の状況によっては休業要請を行う可能性もあるとしています。

もし休業を要請されたとき、手元のお金がショートしてしまう可能性もあるため、資金繰りを悪化させないための資金調達を早めに行っておくことが必要といえるでしょう。

国や自治体などでも新型コロナウイルス感染症対策のための給付金や融資制度などを設け、事業者などが事業継続に必要な資金を確保できるようにしています。

ただし給付金の対象にならない事業者や、融資制度の審査に通らず資金を調達できず、手元のお金が増えないことに悩みを抱えていることも少なくありません。

このような場合、売掛金を保有していれば活用できるファクタリングなどの資金調達方法もあるので、方法の1つとして検討してみるとよいでしょう。

 

まとめ

新型コロナウイルス感染症との闘いは緊急事態宣言が解除された後もまだまだ続くこととなります。ワクチンや特効薬が開発されるまで、コロナと共存する生活を余儀なくされると認識しておくべきでしょう。

緊急事態宣言が解除されたと気を緩めてしまいがちですが、また感染の第2波が訪れることとなり、結果として生活や事業に支障をきたすこととなってしまいます。

感染拡大を防ぎクラスターなどを発生させないためにも、引き続きマスク着用やうがい・手洗いの徹底はもちろんのこと、3密や感染防止対策が行われていない場所は避けることが必要です。

症状が出ない方もいるため、新型コロナウイルスはごく身近に存在すると意識を高く持ち行動することを求められています。

生活や仕事に必要な場合以外は、県域を越えた移動も控え、今以上に事業に影響を及ぼさない行動を心掛けるようにしましょう。