給与ファクタリング業者が次々に廃業!その背景と撤退した業者のまとめ


2020年3月に、金融庁は2020年3月、給料ファクタリングは貸金業に該当すると発表し、さらに同月東京地方裁判所からも給料ファクタリングは貸金業との判例を出しました。

それにより、廃業・撤退という結果に至った給与ファクタリングを業者が続出している状況ですが、そもそもなぜ廃業しなければならなくなったのでしょう。

そこで、給与ファクタリング業者の廃業が続出した理由と、すでに廃業してしまった業者などをまとめましたので参考にしてください。

 

問題となっている給与ファクタリングとは?

そもそもファクタリングとは、一般的な中小企業などが資金調達の方法として活用する仕組みです。保有する売掛金(売掛債権)をファクタリング会社に売却(譲渡)し、取引先からの入金を待たなくても前倒しで現金化させ資金調達する方法として活用されています。

一方の給与ファクタリングはこの中小企業などが活用するファクタリングの仕組みを利用したもので、個人が勤務先から受け取る給与(賃金債権)を給与ファクタリング業者に買い取ってもらいお金を受け取る仕組みです。

手数料は差し引かれますが、給料日を待たなくても先に現金を手に入れることができます。

 

給与ファクタリングの何が問題で廃業に?

中小企業が資金調達に活用しているファクタリングはあくまでも売掛金を売買し、資金を調達する仕組みです。そのため利用者はお金を借りるわけではないため、ファクタリング会社も貸金業登録する必要はありません。

しかし今回、給与ファクタリングに関しては貸金業に該当すると判断されたため、貸金業登録を行っていない業者が給与ファクタリングを行うことは違法行為です。

廃業に至る給与ファクタリング業者が続出しているのは、いずれも貸金業登録を行っていない無登録業者だったからといえます。

 

給与ファクタリングが世の中に与えた影響

個人が将来受け取る給料を買い取ってもらう給与ファクタリング。しかしその実態は給料を担保に業者から給料日よりも前にお金を借りる仕組みです。

融資を受けるのなら当然、給与ファクタリング業者は貸金業登録をしていなければ無登録業者=ヤミ金融業者に該当することになります。

インターネットの掲示板やSNSなどに、「給料を即日現金化可能」といったうたい文句を書き込み、年利換算で数百%の手数料(利息)を詐取する業者が横行し多重債務に苦しむ利用者も増えてしまいました。

 

給与ファクタリングが広まった理由

給与ファクタリングがインターネットサイトなどの口コミから広まったのは、新型コロナウイルス感染症が個人にも大きく影響していることは否定できません。

新型コロナウイルス感染症による営業自粛や店舗の閉鎖などにより、売上が低迷した企業が倒産してしまった例もあります。サラリーマンの給料も減額されるなど、多くの人たちにいろいろな影響が及んでしまったといえるでしょう。

減ってしまった収入により、何らかの方法で不足分を補わなければならない。そのような状況の中、本来なら銀行や消費者金融のカードローン、クレジットカードのキャッシングなどを活用するでしょう。

しかし返済能力が十分でないと判断され、審査に通らず融資を受けることができない人は、ブラックでも即日利用できる現金入手方法の裏道として給与ファクタリングを利用するようになったといえます。

 

なぜ廃業しなければならなくなった?

急遽お金が必要なときでも、信用情報の審査を受けずブラックでも利用可能な方法として広がった給与ファクタリングですが、令和2年3月24日に東京地方裁判所が給与ファクタリング取引を貸金と判断したことで事態は一変します。

貸金の上限金利には該当しないという理由で年109.5%を大幅に超える金利で契約していた取引が違法・無効、そして刑事罰の対象という判決が言い渡されました。

貸金に該当するとされたことで、廃業・撤廃を余儀なくされた給与ファクタリング業者が続出することになり、現在でも次々と廃業しています。

 

休業・廃業した業者一覧

すでに廃業となった給与ファクタリング業者を月ごとにまとめると以下のとおりです。

 

2020年3月に休廃業

  • ・Qpay

 

2020年4月休廃業

  • ・ミナミ実業
  • ・レンタルキャッシュ
  • ・キャッシュ代行サービス(木の芽)
  • ・マエガリ君
  • ・大吉
  • ・Musubi Support
  • ・千羽鶴
  • ・ウォレットリンク
  • ・Get給

 

2020年5月休廃業

  • ・七福神・ENZO(エンゾウ)
  • ・ビアペイ
  • ・PayPAT (ペイパット)
  • ・エスポーワール
  • ・ファク太郎
  • ・給料マン
  • ・レス給
  • ・ペイマネー
  • ・NEXT(ネクスト)
  • ・東京給料ファクタリング

 

2020年6月休廃業

  • ・GOファクタリング
  • ・テンキュー
  • ・AZABU(アザブ)
  • ・ファクタリンク
  • ・Posme(ポスミー)
  • ・給料ファクター

 

2020年7月休廃業

  • ・オリオン

 

2020年8月休廃業

  • ・セカンドサラリー
  • ・ファクタエイト
  • ・PayDay
  • ・毎日給料日くん
  • ・キューラック

 

2020年9月休廃業

  • ・PRONTO(プロント)
  • ・エンピース
  • ・ファイナル
  • ・エース
  • ・即給びん
  • ・プリペイメント
  • ・スピードペイ
  • ・Kファクタリー

 

2020年10月休廃業

  • ・先給

 

新型コロナウイルス感染症の影響で仕事を失った方や、働く時間が少なくなったことで収入が減少してしまった方などが増加し、給与ファクタリングの利用が拡大されたといえます。

しかし生活困窮者による給与ファクタリングの利用者急増について、ニュースなど各種メディアが多く取り上げるようになり、世間からの風当たりも強くなり運営を行うことが困難になり廃業した業者もあるようです。

 

廃業したものの法的にはグレー?

現状では給与ファクタリング関連の法整備が整っておらず、グレーなサービスという状況です。

しかし個人の給料(賃金債権)を買い取った後でお金を渡し、個人を通じ債権に係る資金を回収することは貸金業に該当します。

貸金業なのに登録せず営業している業者はヤミ金融業者ですので、年利換算数百~千数百%といった法外な利息を請求されることもあれば、大声で恫喝され勤務先にも連絡されるなど違法な取立被害に遭う可能性も考えられます。

仮に貸金業登録を行っている給与ファクタリングで契約したとしても、本来受け取るはずの給料よりも少ない金額を受け取ることになります。新規契約するだけだから…と考えつつ、繰り返し利用すればより経済的生活が悪化してしまうでしょう。

いずれにしても違法なヤミ金融業者からお金を借りることに何のメリットもありません。正規の貸付けと比較したとき負担が重いどころで済まなくなりますので、絶対に契約しないようにしてください。

 

違法な貸付けを行うSNS個人間融資にも注意

SNSやインターネット掲示板などで貸金業登録を受けていない個人が、個人間融資を装い業として貸付けを行うSNS個人間融資も発生しています。

たとえ個人でも反復・継続する意思で金銭を貸付ける場合には貸金業に該当するため、国または都道府県の登録を受けなければなりません。

さらに不特定多数が閲覧できるSNSや掲示板などで、お金を貸すといった内容を書き込んで契約締結を勧めることも罰則の対象です。

個人間融資では違法な高金利での貸付けになること、さらに個人情報が悪用されるリスクが高いため、さらに大きなトラブルに巻き込まれる危険性があるため利用しないようにしてください。

 

まとめ

すでに給与ファクタリング被害に遭ってしまったという場合や、ヤミ金融業者からお金を借りて違法な取立などで困っているのなら、まず最寄りの警察署に相談しましょう。

給与ファクタリングは賃金債権の売買契約という表向きですが、実態は貸金です。中小企業などが資金調達で活用するファクタリングとは異なる仕組みですので混同しないようにしてください。

廃業に至った給与ファクタリング業者は、そのままの営業形態では事業継続できないので、廃業せざるを得ない状況に追い込まれたことによる決断といえます。

貸金業登録を受けていないのに給与ファクタリングをサービスとして提供している業者は違法なヤミ金融業者です。もし契約してしまうと高い手数料で返済できなくなり、繰り返す自転車操業や多重債務でより生活が苦しくなることは目に見えていますので注意してください。