ファクタリングの仕組みや資金調達に利用する上でのポイントを徹底解説


売掛金を回収できず、手元の資金が不足してしまう前に、ファクタリングの仕組みを活用して資金調達したいと考える経営者もいるでしょう。

ただ、ファクタリングの仕組みはメリットも多い反面、手数料が銀行融資より高く感じることや一部の悪徳業者などが紛れていてトラブルに巻き込まれるケースもあるようです。

そこでファクタリングをうまく活用し資金調達するためにも、どのような仕組みになっているのか、利用する上で把握しておきたいポイントを徹底解説します。

 

ファクタリングとはどのような仕組みで資金調達する方法?

ファクタリング (factoring)とは、企業などが保有する売掛金(=売掛債権)をファクタリング会社へ売って現金化する仕組みのサービスです。

本来、売掛金は取引先と決めた支払期日にならなければ現金を手にすることはできません。しかしファクタリングを利用することで、期日前に売掛金を現金化させることが可能となり、手元の資金が不足しても補うことができます。

中小企業が売掛債権を資金調達に活用することについて、経済産業省も積極的に推奨していますので安心して利用できる方法といえます。

 

最近ではよりスピーディな資金調達が可能に

もともとファクタリングという仕組みは、イギリスで生まれ欧米を中心として発展しました。

銀行融資のように面倒な書類準備や、長い審査期間が必要となるわけではなく、迅速に資金調達できることが大きな特徴です。

さらに最近では、オンライン完結タイプのクラウドファクタリングなども登場しています。ノンバンクのビジネスローンのスコアリングシステムのように、AIなど最新技術が審査を行うため、よりスピーディな対応が可能となっているといえます。

また、一般的なファクタリング会社でもオンラインや電子契約などを可能とする業者が増えているため、遠方でも郵送を利用せずスムーズに資金調達できるようになりました。

 

ファクタリングの仕組みは大きく2種類

ファクタリングには保証型と買取型という2種類の仕組みがありますので、それぞれの違いを確認しておきましょう。

 

保証型のファクタリングの仕組み

保証型のファクタリングは、取引先が倒産してしまったことで売掛金の回収ができなくなったときに備えることを目的に利用されます。

売掛金が回収不能となったとき、保証会社が保証金を支払ってくれるため、信用面で不安のある取引先の売掛金に保険をかける感覚で活用できるでしょう。

ただ、保証型のファクタリングは取引先が倒産するなど、破綻した事実が確認できたときに保証されます。単に取引先が支払いしてくれないなど、回収が不可能と判断できない状態では保証されないため、保証金が支払われる条件を事前に確認しておいてください。

 

買取型のファクタリングの仕組み

買取型のファクタリングこそが、保有する売掛金をファクタリング会社に売却し現金化する手法です。手元の資金を増やすことや、資金繰り改善など、様々なニーズに活用できる仕組みになっています。

銀行から融資を受けたくても、担保として差し入れる不動産を所有していないこともあれば、連帯保証人をつけることができないこともあるでしょう。

しかしファクタリングは借入れではないため、担保や保証人不要で利用できます。

買取型のファクタリングには2社間と3社間の2つの仕組みがありますので、取引先との関係や手数料などを考慮しながら選択するようにしてください。

 

2社間ファクタリングの仕組み

2社間とは、ファクタリングの利用者とファクタリング会社を指しています。

実際、ファクタリングは日本でまだ十分に周知された資金調達の手法とはいえないため、取引先に利用を知られることで様々な懸念を抱かせる可能性もあります。

しかし2社のみで契約する2社間ファクタリングであれば、取引先に売掛債権を売却し現金化することを知られることはありません。

ただしファクタリング会社にとっては、売掛金が未回収となるリスクを高める契約を結ぶことになるため、その分手数料は高めに設定されてしまいます。

 

3社間ファクタリングの仕組み

3社間とは、ファクタリングの利用者とファクタリング会社、そして取引先を指しています。

期日に売掛金が取引先から支払われるとき、その相手はファクタリング会社となるため、未回収リスクが軽減される分手数料は安く設定されることがメリットです。

ただ、取引先に債権を譲渡する旨の通知を行い、承諾を得ることが必要になります。取引先への相談や交渉に時間や手間がかかる上、ファクタリングの仕組みを理解されていなければその後の取引に影響が及ぶ可能性もゼロではないといえるため、その点は留意しておくことが必要です。

売却する売掛金が診療報酬債権などであれば、取引先が公的機関となるためその後の取引を心配することなく、3社間で資金調達しやすいといえます。

 

ファクタリングで資金調達するメリット

ファクタリングで資金調達するメリットは、何といっても手元に現金が入るまでのはやさです。

銀行融資などで資金調達するときには、まず担当者に相談し申し込みに必要な書類の準備が必要となるでしょう。事業計画書の作成や返済計画の策定、その他、銀行から求められる様々な書類を準備しなければなりません。

やっと書類を準備し、申し込みが終わっても審査に時間がかかり、融資を受けることが可能と判断されたとしても融資実行まで1か月かかることもあるのが一般的です。

しかしファクタリングであれば、申し込み当日に審査が完了し、即日現金化という業者も増えています。

中小企業にありがちな、急いで資金調達しなければならないといったニーズに対応できることが一番のメリットです。

 

他にもこんなメリットが

他にもファクタリングで資金調達することによるメリットとして挙げられるのが、仮に売掛先が倒産し売掛金が回収できなくなったとしても、利用者はその責任を負わなくても良いという点です。

手形を現金化する手形割引の場合、もし振出人が不渡りを出してしまうと、利用者は割り引いた手形を買い戻すことが必要になります。

しかしファクタリングではそのようなリスクは発生せず、売掛金売却と同時に未回収リスクもファクタリング会社に移転できることがメリットといえます。

また、銀行融資は借入金なので返済義務と金利が発生しますが、ファクタリングは借金を増やす方法ではないため返済義務はありません。

 

利用する上でデメリットはあるのか

ファクタリングはメリットが多い資金調達の方法ですが、デメリットとして挙げられるのが資金を調達できるのは売掛債権の金額範囲内にとどまるという点です。

多額の資金を必要とするとき、必要とする金額に匹敵する売掛金を保有していなければ、希望する金額は調達できないこととなります。

 

仕組みを悪用する業者に注意!

ファクタリングの仕組みを活用し、急いで資金を調達しなければならないという弱みにつけこみ、悪質な方法で契約を結ぼうとする業者に注意してください。

ファクタリング業界は法整備が十分ではなく、設定される手数料も業者独自の審査で決まります。そのため法的な上限などがないことを悪用し、違法ともいえる手数料を請求しようとする悪徳業者も存在します。

次のような契約を結ぼうとする場合は相手が悪徳業者である可能性が高いため、契約せず別のファクタリング会社などに相談してみるようにしましょう。

 

好条件であるものの手数料が30%以上

ファクタリングで資金調達するとき、手数料が高すぎてしまえば手元に得る現金が少なくなり、いつまでたっても資金繰りは改善されません。

2社間であれば10~20%3社間なら1~5%が手数料の一般的な相場です。多少前後することはあるでしょうが、この相場を大きく上回る手数料を請求してくる場合には、利用者の資金繰り改善などを無視した契約を結ぼうとしていると判断できます。

あまりに高すぎると感じる手数料で契約しなければならないときは、一旦立ち止まり別のファクタリング会社にも相談してみましょう。

 

2社間なのに手数料が安すぎる

2社間ファクタリングで契約するとき、手数料が高めに設定されるのは3社間と比較したとき、ファクタリング会社にとってリスクの高い取引だからです。

また、債権譲渡登記などが必要という契約の場合、実費なども含まれるため手数料は割高になってしまいます。

しかし、2社間で契約するはずなのに手数料は3社間レベルという場合、後で支払いが必要となる費用が発生する可能性も考えられますので注意してください。

 

2回目以降の利用なのに手数料が安くならない

ファクタリング会社と初めて契約するときには、利用実績がないため手数料は高めに設定されることが多いでしょう。

しかし2回目以降の利用では、すでに実績を積んでいるため手数料は下げてもらえることが多いといえます。

それなのに何度利用しても手数料は当初のままという場合、別のファクタリング会社に乗り換えたほうが手数料を低く抑えることができる可能性大です。

 

手数料の内容を教えてくれない

ファクタリング会社に支払う手数料は、業者の儲け分も当然含まれます。

この手数料は契約前に提示してもらえますが、契約書類に手数料の明記がなく、最終的にいくら入金されるのか明確にしてもらえない場合は取引を中止しましょう。

 

提示されていた手数料より多く費用が発生する

ファクタリング会社から提示されていた手数料と、契約書に記載されている手数料が異なる場合は注意が必要です。

記載されている手数料金額が多ければ、当初予定していた金額を調達できなくなってしまい意味のない取引になってしまいます。

 

契約書の控えを渡してもらえない

ファクタリング契約では必ず契約書が作成されますが、そもそも契約書が作成されない場合や控えを渡してもらえないという場合は契約を中止してください。

後でトラブルになったとき、どのような契約になっているのか、支払う手数料などが確認できなくなってしまいます。仮に裁判などになったとき、証拠として証明する書類が手元にない状態となるのも問題です。

 

まとめ

中小企業や個人事業主などが資金調達することを考えたとき、まずは銀行などの金融機関から融資を受けることや、ビジネスローンなどによる借入れを思い浮かべることでしょう。

しかしファクタリングの仕組みを活用することで、銀行融資などでは得ることのできないメリットを感じることができます。

ファクタリングで資金調達したほうがよいケースとは、

  • ・銀行や自治体などに融資を受けたいと申し込んだものの審査に通らなかったとき
  • ・融資を受けたいけれど担保に差し入れる資産を保有しておらず借入れができないとき
  • ・融資審査を待つ余裕がなく、すぐにでも手元のお金を増やす必要があるとき
  • ・融資を申し込んで資金調達するほど大きな金額ではなく、小口の資金を必要とするとき

などです。

銀行融資を受けて資金調達することを予定しているけれど、ノンバンクなどを利用すると信用情報や決算書に影響してしまうので困るという場合にも、ファクタリングは有効といえます。

また取引先の支払サイトが長めに設定されていることが影響し、資金繰りが悪化しているというケースでもファクタリングの仕組みを活用すれば、サイト短期化による資金繰り改善が可能です。

ファクタリングの仕組みを活用する方法はいろいろありますので、まずは信頼できる業者を比較検討し、厳選したのち相談してみてはいかがでしょう。