法人がファクタリングで資金調達するときに必要になる登記とは?


登記とは、公開された帳簿に記載することで第三者が不測の損害を被ることのないよう設けられた制度ですが、法人・会社・商業・会社変更・不動産など様々な種類に分かれています。

ファクタリングとは法人などが保有する売掛金を現金化させて資金調達するサービスなので、不動産を担保に銀行から融資を受けるときのように、物件に抵当権設定登記を行う必要はないのでは?と考えてしまうものでしょう。

しかしファクタリングでも登記が必要になることがあり、そのケースとは法人がファクタリングを利用するときでファクタリング会社選びによっても変わってきます。

 

そもそも登記とは?

登記とは、行政の仕組みの1つであり、個人や法人の所有する不動産・物権・債権などの権利関係を広く公に示すために行う制度です。登記を行うことで、登記簿という公開された帳簿に状況や権利・義務関係が記載されます。

明治19年に登記法が公布されてからは、国家・国民の権利や取引活動を支える上で、重要な制度として扱われています。

会社経営をしている方であれば、もっとも馴染みのある登記制度が商業登記ですが、法人登記とは厳密には区別されていることに注意しておきましょう。

 

商業登記と法人登記の違いとは

商業登記とは株式会社・合名会社・合資会社・合同会社などの会社について、法人登記とは会社以外の一般社団法人・一般財団法人・医療法人社団・宗教法人・学校法人・特定非営利活動法人(NPO法人)・社会福祉法人などの法人について、名称・所在地・役員氏名などを公示するための制度とされています。

会社・法人は設立登記を行わなければ法人格を得ることはできません。そして登記で基本的な情報を公開することにより、社会的な信用を維持できるようになるといえます。

取引を安全に、そして円滑に進める上でも必要な制度ですが、実体に合った正しい内容を登記することが必要です。そのため登記の申請では、内容を裏付ける書類を添付することが求められ、虚偽の内容で申請してしまうと罰則の対象となってしまうので注意しましょう。

商業登記も法人登記も新たに会社(または会社以外の法人)を設立するために必要であり、設立以外にも本店所在地の移転・役員(他商号・目的など)の変更・増資・株式分割など登記されている内容に変更があれば必要となります。

また、会社であれば会社法が根拠となりますが、会社以外の法人はそれぞれの法人に合った法律が根拠となる点も違いとして挙げられます。

 

登記の種類は会社・法人登記以外にもいろいろ

会社経営をしていれば商業登記がもっとも馴染みの大きい登記制度ですが、他にも次のようにいろいろな種類の登記があります。

 

不動産登記

不動産登記とは、土地や建物などの不動産を所有しているのは誰なのか、所在地や権利対象の状況などを明確にするために必要な制度です。所有権・抵当権などの権利を公にするために行われます。

不動産売買のときには所有権移転登記、銀行から資金の借り入れるとき不動産を担保にするのなら抵当権設定登記、借入金を完済し設定された抵当権を消すのなら抵当権抹消登記が必要です。

 

船舶登記

船舶登記とは、船舶に関する私法上の権利関係を公にすることを目的に、船舶法や商法などの法律に従い行われる登記です。日本船舶で総重量が20トン以上の場合に対象となり、20トン未満の小型船舶や櫓櫂船などは適用されません。

 

動産譲渡登記

動産譲渡登記とは、企業など法人が保有している機械・設備・在庫などの譲渡について、第三者対抗要件を備えることを目的に登記です。

動産を活用し資金調達することを円滑に進めることができるように、登記でその権利関係を明確にするために行われます。

 

債権譲渡登記

債権譲渡登記とは、法人が行う金銭債権の譲渡について、債務者以外の第三者に対する対抗要件を備えることを目的に行われる登記です。

動産譲渡登記と債権譲渡登記は、どちらも平成17年からスタートした比較的新しい制度といえるでしょう。

 

法人がファクタリングを利用するとき必要になる登記とは?

会社・法人がファクタリングで資金を調達するときに、ファクタリング会社から求められることになる登記とは債権譲渡登記です。

ただファクタリング会社によっては債権譲渡登記がなくても、未登記という形で対応してもらえることもありますし、2社間ファクタリングのときにのみ必要となるため3社間ファクタリングでは不要です。

売却する売掛金に債権譲渡登記が必要となった場合、デメリットとして別途、登記費用が発生することです。手数料に登記費用や登記申請手続きを依頼する司法書士の報酬などが加算されるため、余計な出費が発生します。

さらに登記情報は誰でも閲覧できるため、売掛先が売掛金の権利情報を確認しないとも限りません。売掛先にファクタリング利用を知られたくない理由で2社間を選んだとしても、法務局で確認されては意味がありません。

銀行融資を予定しているときなども、必ず売掛金に債権譲渡登記が行われていないか確認されますので、審査にも不利になると留意しておいてください。

なお、債権譲渡登記は法人のみが利用可能とする制度であり、個人事業主は利用できません。2社間ファクタリングにおいて債権譲渡登記が必ず必要というファクタリング会社では、個人事業主は利用できず法人のみの受付ということになりますので、登記不要で個人事業主も対応してくれるファクタリング会社を選ぶようにしてください。

 

まとめ

会社や法人が必要になる登記にはいろいろな種類がありますが、ファクタリングで資金調達するときにもファクタリング会社から債権譲渡登記を求められることがあります。

しかし債権譲渡登記は余計な費用がかかるだけでなく、債権が譲渡された事実を公に公表することになるため、売掛先や銀行にその内容を確認される可能性も出てきます。

後々の売掛先との取引に影響を及ぼさないとも言い切れませんし、銀行融資の審査では不利な状況に立たされることになるため、未登記・留保という形で2社間ファクタリングを可能とするなど柔軟性のあるファクタリング会社を選ぶことをおすすめします。