中小企業と零細企業は何が違う?新型コロナ支援で対象となる会社の定義


新型コロナウイルス感染症の影響で、中小企業や零細企業を対象とした給付金や補助制度などが国や自治体から用意されるようになりました。

しかし中小企業・零細企業とはどのような会社を指すのか、規模や資本金などはどのくらいなら申請できるのかわからない経営者もいることでしょう。

そこで、一般的な中小企業や零細企業の定義と、新型コロナ関連の給付金で対象になる企業についてご説明します。

 

中小企業と零細企業の違いとは?

まず、一般的に中小企業と零細企業はそれぞれ意味が異なるのか、それとも同じなのかを理解しておきましょう。

零細企業とは、法律上において明確な定義はありません。慣例的に使われることが多い言葉であり、中小企業のうち資本・設備・従業員数などが少ない、小規模の会社を零細企業と呼んでいます。

慣例的には、零細企業と呼ばれるのは資本金1,000万円以下・従業員が5人以下の中小企業を指していることが多いといえます。

 

一般的に中小企業と呼ばれる会社

中小企業と呼ばれる会社は、中小企業基本法では定義がされており、業種により資本金額または出資総額・常時使用する従業員数どちらかの要件を満たすことで該当することになります。

 

中小企業基本法による中小企業

 

  • ・製造業・建設業・運輸業・その他の業種…資本金額または出資総額が3億円以下もしくは常時使用する従業員数が300人以下の会社
  • ・卸売業…資本金額または出資総額が1億円以下の会社もしくは常時使用する従業員数が100人以下の会社
  • ・小売業…資本金額または出資総額が5千万円以下の会社もしくは常時使用する従業員数が50人以下の会社
  • ・サービス業…資本金額または出資総額が5千万円以下の会社もしくは常時使用する従業員数が100人以下の会社

 

これらの中小企業の定義は、中小企業政策での基本的な政策対象範囲を定めた原則なので、制度や法律によりこの範囲は異なることもあります。

補助金・助成金などでみなし大企業とし、大企業と密接な関係を有する企業などは対象から外れることもあると認識しておきましょう。

 

中小企業関連立法による中小企業

政令により、

 

  • ・一部を除くゴム製品製造業…資本金3億円以下または従業員900人以下
  • ・旅館業…資本金5千万円以下または従業員200人以下
  • ・ソフトウエア業・情報処理サービス業…資本金3億円以下または従業員300人以下

 

の場合に中小企業とすることがあります。

 

法人税法上の中小企業

法人税法における中小企業軽減税率の適用範囲資本金1億円以下の企業となっているため、こちらも中小企業基本法の中小企業の定義とは異なる点に注意してください。

法人税法上の定義による中小企業は、資本金1億円以下の会社すべてとなっています。

 

小規模企業者と呼ばれる会社が零細企業

零細企業とは、わずかな資本や設備で事業を営んでいるごく小規模の会社を指していますが、小規模事業者のことを指すと考えられます。

小規模企業者についても中小企業基本法で次のように業種ごとの定義が定められています。

 

  • ・製造業・建設業・運輸業・その他の業種…常時使用する従業員数が20人以下の会社
  • ・卸売業…常時使用する従業員数が5人以下の会社
  • ・小売業…常時使用する従業員数が5人以下の会社
  • ・サービス業…常時使用する従業員数が5人以下の会社

 

小規模事業者支援法などによる零細企業

小規模事業者支援法(商工会および商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律)・中小企業信用保険法・小規模企業共済法の3つの法律では、政令により宿泊業および娯楽業を営む従業員20人以下の事業者が小規模企業であると定義しています。

 

零細企業であることのメリット

小規模企業者(零細企業)に該当する会社の場合には、設備を導入するときの購入代金の半分を無利子で借入可能となる制度が設けられていますし、設備をリースや割賦販売で導入可能となる制度などが利用できます。

国が小規模企業者を積極的に支援する理由は、日本のすべての企業数のうち、中小企業・零細企業が99.7%を占めているからです。

日本の経済や雇用を支えているのは中小・零細企業であるため、会社が倒産してしまうと経済も雇用もストップしてしまう可能性が高くなってしまうため、今回の新型コロナウイルス感染症の影響をはじめとする様々な支援の対象となっています。

 

大企業とはどのような会社?

大企業と呼ばれる会社について、法律上は定義がされておらず、中小企業の基準を超える場合に該当するといえます。

ただ、会社法上では次のいずれかを満たす会社を大会社として分類しています。

 

  • ・最終事業年度に係る貸借対照表の資本金として計上した額が5億円以上
  • ・最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が200億円以上

 

さらに慣例としては、

 

  • ・大手企業…誰でも企業名を知っている有名企業のうち、各業種のトップを占める数社から十数社
  • ・準大手企業…大手と中堅の中間的な位置にある企業
  • ・中堅企業…大企業に属する会社のうち、資本金10億円未満の企業および中小企業に属する会社のうち資本金1億円以上の企業

 

に分わけられることがあります。

会社法上で大会社に含まれる企業の場合には、資本や負債の金額が大きいため、投資家や債権者を保護するため計算書類を適正に処理し情報開示することが必要となっています。

 

持続化給付金・家賃支援給付金における中小企業

新型コロナウイルス感染症の影響で、国が準備した施策である持続化給付金や家賃支援給付金を活用しようと考える中小・零細企業もあることでしょう。

これらの制度による中小企業とは、

 

  • ・資本金の額または出資の総額が10億円未満
  • ・資本金の額または出資の総額が定められていない場合は、常時使用する従業員の数が2,000人以下

 

であることが必要とされています。

持続化給付金の場合には2020年4月1日時点において上記の中小企業の定義に該当するだけでなく、

 

  • ・2019年以前から事業により事業収入(売上)を得ており、今後も事業を継続する意思があること
  • ・2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、前年同月比で事業収入が50%以上減少した月(以下「対象月」という。)があること

 

が必要です。

 

家賃支援給付金2020年4月1日時点で上記の中小企業の定義に該当するだけでなく、

 

  • ・2019年12月31日以前から事業収入(売上)を得ており今後も事業継続する意思があること
  • ・2020年5月から2020年12月までの間において新型コロナウイルス感染症の影響により次のいずれかに該当すること
    ①いずれか1か月の売上が前年同月比50%以上減少している
    ②連続する3か月の売上合計が前年の同じ期間の売上合計と比較したとき30%以上減少している
    ③他人の土地・建物を自身で営む事業のために直接占有し、使用・収益をしていることの対価として賃料を支払っていること

 

が必要となっています。

どちらも申請期限は2021年2月15日までとなっていますので、まだの場合にはできるだけ早めに申請することをおすすめします。

 

まとめ

中小企業と零細企業は厳密にいえば異なるといえますが、零細企業も中小企業に含まれています。

そしてこれらの企業は日本の経済や雇用を支える大切な存在のため、日本でも今回の新型コロナウイルス感染症による影響などがあったときでも、積極的に支援しています。

給付金や補助、緊急的な融資制度なども利用できますので、もし資金繰りに難航しているのなら検討してみましょう。

また、売掛金を保有していれば現金化して手元のお金を増やすファクタリングも利用可能です。融資を受けなくても資金調達が可能な方法であり、負債を増やしたくない企業や決算書を汚したくないと考える経営者、即日などすぐにお金が必要なタイミングにも有効な方法で利用しやすい方法といえます。

支援制度とあわせて、ファクタリングも資金繰り対策にうまく活用してみることをおすすめします。

 

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