2社・3社で異なる手数料

ファクタリングには2社間、もしくは3社間で行う取引形態がありますが、形態によって手数料も大きく異なります。
結論から述べると、取引形態ごとの掛け目(買取率)が相場になると言えるでしょう。

 

  • 2社間ファクタリングの手数料 買取売掛金額に対する10~30%
  • 3社間ファクタリングの手数料 買取売掛金額に対する1~5%

手数料だけを見た場合には、3社間ファクタリングのほうが得だと思うかもしれません。しかし3社間ファクタリング最大のネックとして、売掛先と協議し、同意を得てからファクタリング契約を締結する必要があるという点が挙げられます。

仮に売掛先に「資金繰りが厳しいので売掛金を早期化したい」と話を持ちかけたとしましょう。多くの企業は「この会社倒産寸前なのだろうか?」「今以上の取引は行わないほうが良い」と否定的な考えを持ってしまう可能性があります。 そのため過半数の会社では、高い手数料が発生するとわかっていても2社間ファクタリングを選ぶことが多くなっています。

一部例外として、診療報酬や介護報酬などの債権を扱う医療報酬ファクタリングの場合には、国保や社保に債権譲渡通知を行うといった3社間契約が結ばれます。一般業種のように、信頼度が低下したからと言ってこれからの取引まで打ち切られる心配は生じませんし、回収リスクも低いことから手数料も3%以下のケースがほとんどです。

手数料は妥当なのか?

手数料が決定される基準として、次の3つの要素が絡んでいます。それぞれの要素の内容を知ることで、10%を超える手数料は必ずしも法外なものでは無いと理解できるでしょう。

リスクの値段

2社間ファクタリングの場合、債権譲渡の通知を売掛先会社に対して行うことはありません。
ただし先方には通知を行わずに進めるため、入金先をファクタリング会社の口座に変更することができなくなります。そのため予定どおりの口座に振込まれた後で、利用会社がファクタリング会社に対して再度送金を行うことになります。 直接ではなく、一旦顧客側の口座に振込まれるということは、他の用途に転用される可能性も、ファクタリング会社に返済される前に持ち逃げされる可能性も否定できません。

まさに火の車と言える利用会社の経営状況を考えた場合、悪意が無いとしても支払われる前に倒産、もしくは入金直後に他から財産差し押さえということもないとは限らないのです。

担保や保証人を伴わずに利用できるファクタリングは、いわば信用貸しですのでこの計り知れないリスクに対して最大30%の手数料が発生すると考えましょう。

※2社間ファクタリングの場合、一時的に売掛先から納入企業に入金されます。

経営者の悪意によって別の支払いにつぎ込むことも可能なため、納入企業の信頼性を図る意味で、現在2社間での【債券売買契約】と同時に契約する【業務委託契約】において代表者保証が必要な場合や、株式を担保にする企業があります。
こうすることで、もし売掛先が破綻して売買した売掛金が入金されなくても、個人補償の担保権を行使して請求してきます。

これが悪徳ファクタリング会社の買戻し特約であり、ファクタリング会社が損しないような仕組みです。
しかしながら、業務委託契約における担保を必要としない企業も存在しますので、事前に契約内容を確認するようにしましょう。

手数料に含まれる諸費用

この手数料には、ファクタリング会社の利益以外に次のような諸費用が含まれますので、その部分だけでも10~15万円という費用が発生します。

ファクタリング契約に関わる諸費用内訳
  • 債権譲渡登記のための司法書士手数料 8~10万円
  • 登記に必要な印紙代 2万円前後
  • その他紹介料や交通費 3万円前後

また、登記通知留保という、未登記でファクタリングを実施することが可能な会社も存在しています。 また、ファクタリング手数料は消費税がかかりませんので、消費税が上乗せされている場合には厳しく問いただしましょう。

利用金額

10~30%と幅広い設定になっているのは、利用金額による部分が大きいからと言えるでしょう。

100万円を買い取ってもらう場合、ファクタリング会社が手数料として30%を受取ったとしても報酬は30万円です。
さらに先に述べた登記費用等を差し引いた場合、ファクタリング会社の利益は10万円程度しか残らないことになります。

しかしこれが1,000万円の売掛債権なら、仮に手数料10%で引き受けたとしても報酬は100万円になりますので、諸費用を加味して考えても80万円以上の利益をあげることが可能になります。

以上のことからファクタリングにかかる手数料は、これら3つの要素を総合的に判断して決まると理解しておきましょう。

「人柄・信用度」も影響

ファクタリングは信用貸しだと先に述べましたが、結局最終的には顧客を信頼できるかどうかがポイントになると考えられます。
多くのファクタリング会社では、買取を実施する前に面談を設定していることが何よりの証拠だと言えるでしょう。

幅広い手数料の設定で相場値もなく、担当者の裁量次第でさらに変動幅は大きくなることも事実です。
経営に対して真剣な姿勢を持っていること、さらに借りたものを必ず返すという強い意志などが伝われば、最終的に提示される手数料額に影響すると考えられます。

さらに融資と同様に、利用回数次第で交渉ができるケースもあります。
初めて利用する場合よりは、2度目、3度目とスムーズに取引できている実績があれば、生じる手数料もディスカウントできる可能性が高くなるでしょう。

利息にすると年利◯%相当!

仮に1か月入金を早期化するために、掛け目10%のファクタリングを利用したとします。
債権譲渡ですので借り入れと性質は異なりますが、10%/月の金利と考えると単純計算で年利120%になります

ファクタリングはあくまでも、一時的に資金がショートしてしまうことを防ぐために補填するという使い方なので、繰り返し利用した場合にはあっという間に首が回らなくなる可能性があります。