ファクタリング契約の流れとSTEP

ファクタリング契約は、次のステップで進められていきます。
審査など銀行融資のようなイメージを持つかもしれませんが、最短即日に完了する迅速さで、その部分でもファクタリングは機動力が高いツールだと言えるでしょう。
シンプルな2社間ファクタリングを例にして解説していきます。

  • まずは申し込みからスタートです。
    急いでいることは承知の上で、各社の強み、手数料、評判などしっかり確認しましょう。
    また、複数会社から相見積もりを取得し、条件や対応の早さなどを比較してもよいでしょう。

    電話やWebフォームからの申し込みが基本になりますが、ここではWeb申し込みを推奨します。
    急ぎの場合も、一度Webから必要事項を送信し、重ねて電話をするといった流れが理想です。

    その理由は申し込みの証跡を残すためです。
    フォームを利用することにより、「申込日時」「希望条件」「希望金額」など、こちらから伝えたい内容が文字で残ります。

    稀に双方の認識違いなどで、契約時に希望条件と違っていたというトラブルになることがあるので、日付と文字を残しておくことによりこちら側の主張を証明することができます。
    このようなケースは稀ですが、仮に法廷で争う自体に発展したとしても申込履歴から明確な物証が揃っていたほうが交渉は有利に進めることができます。

    もちろん複数会社から相見積もり入手する際にも、同じ内容で伝えることができるでしょう。

    申し込みを行ってファクタリング会社から連絡が来るまで、30分から1時間程度で折り返し連絡があります。
    緊急性が高い場合はこちらから入電し、「先ほどフォームで申し込んだ●●ですが…」と伝えるとスムーズに話が運びます。

    審査書類の役割

    ファクタリングだけでなく、金銭のやり取りや契約には審査は付き物です。
    もちろん先方も買い取っていくらの商売ですから、実行したい気持ちは同じでしょう。
    あなたを信頼できる人なのか見極めるため、そして窓口はあくまでも担当者なので彼の上司や審査部を納得させる材料として信頼を証明できる書類を要求してきます

    必要書類一覧

    会社により求められる資料は異なりますが、一般的に必要とされる書類は次の通りです。

    法人・事業の説明資料

    あなたの会社に関しての書類です。
    会社概要、パンフレット、ホームページの印刷をしたものなどで問題ありません。
    併せて名刺も同封しておくようにしましょう。

    会社の事業内容、規模、運営年数を重点的に見られます。反社会的勢力と繋がりがないかなども確認されます。

    過去の決算書

    過去2~3期分の決算書を提出することが基本になります。
    ただ決算書の中身が赤字でも問題はありません。
    ファクタリングで重要視されるのは定期的に売掛金が発生していて、期日どおりに入金されているサイクルがあるかです。

    資金繰り表や銀行口座

    ファクタリングを実行した場合、その後回復する余地や支払い能力の有無を確認されます。
    多少の債務超過は問題視されることはないでしょうが、1か月後の支払いまで会社が持つかという観点で確認されます。
    回収の見込みが立たない場合にはファクタリング会社も二の足を踏むことになるでしょう。
    また、メインバンクの通帳の写しを求められるケースもあります。

    売掛金証明書類

    ファクタリング会社が最も重視する書類がこの売掛金証明書類です。
    確認方法に定めはありませんが主流となっているのは次のような書類です。

    業務基本契約書、発注書/検収書/請求書、通帳の写し

    特に2社間ファクタリングの場合、売掛先に反面確認ができませんので、売掛金の存在を確認する手段はこのような書類しかないと言えるでしょう。

    税金・社会保険関係書類

    納税証明書、領収書/納付済証

    などが該当することになります。
    融資と異なるので多少の税金遅延であれば大目に見てもらえるでしょう。

    ただし利用会社の口座に売掛金が振り込まれた瞬間、税務署等から差し押さえられて現金を横取りされる可能性も否定できません。
    そのため過剰に遅延している場合や滞納がある場合には、税務署と交渉して事情説明や分納の約束などにより差し押さえを行わない裏取りを行うこともあります。

    税務署から売掛先に対して通知が行くことはありませんので、その点は安心しても良いでしょう。

    これらは一例ですので、3か月以内の商業登記簿謄本など、他にも必要書類として指示されることがあります。
    複数社に見積もりを行う場合、各社に対して部数が必要になりますので予め多めに準備することを推奨します。

  • 続いて仮審査ですが、通常は申し込みの電話や折り返し連絡の際に仮審査でヒアリングと併せて実施されます。
    ヒアリングで聞かれるのは次のような内容で、数字はおおまかで構わないので頭に入れておくようにしましょう。

    仮審査でヒアリングされる内容
    • 会社名、会社規模、資本金
    • ファクタリング希望金額
    • 売上規模
    • 業種
    • 売掛金額、売掛先会社
    • 希望入金時期
    • ファクタリング後の使用用途

    仮審査時点では利用会社や売掛先の実在の有無、希望金額が売掛金の枠内かなど、最低限の整合性確認が行われることになります。
    また、融資と誤解される方が多いことから、ファクタリングの仕組みに理解できているかなど確認されることもありますので概要は理解しておきましょう。

    ファクタリング会社の意図

    売上回収さえ焦げつかなければ、その後の経営には興味がない

    乱暴な表現をした場合、ファクタリング会社の心意はこのようなところになるでしょう。
    銀行融資は中長期的な回収を行っていきますが、ファクタリングは1か月後に投資金と手数料全額を回収するといった短期サイクルですので、審査で重要視されるのも1か月後まで生存できる会社かどうかです。

    審査で見られるポイント

    中でも審査時によく見られる部分を挙げてみました。 ここで挙げる部分は詳しく質問される可能性があることを想定しておくと良いでしょう。

    売掛金の種類

    同じ売上でも突発的に発生したもの、そして定期的に発生しているものの2種類があります。
    ファクタリングで優遇されるのは後者のほうで、毎月安定して入る売上なら1か月分の前倒しをしても経営全体への打撃は少ないことから、売掛金回収の確実性も高くなります

    反面、新規の取引先や季節性が激しい取引は、継続性や未回収リスクを考慮することが必要です。
    突発的な取引だから取り扱いはされないということはありませんが、リスクの対価として高めの手数料が設定されることはあります。

    二重譲渡の危険性

    ファクタリング会社が恐れるのは二重譲渡です。
    既に他社に譲渡した後の売上債権だった場合、回収は困難になるでしょう。
    中には二重どころか、三重、四重という譲渡を企む不届き者もいますので、業界の課題になっています。

    差し押さえリスク

    ファクタリングの必要書類の1つである納税証明等に紐付くことになりますが、売上入金に使用される口座が税務当局に差し押さえられていると、税金の延滞などがある場合入金したお金が国に没収される可能性があります。
    税務署に問い合わせるなど、利用会社の口座に対しての安全性を裏取ることもありますし、交渉が必要な場合は経営者本人が税務署と話をつけなくてはいけなくなる必要も出てきます。

    売掛先の属性

    売上金は債権回収の代行という扱いで、一度利用会社の口座に振り込まれてからファクタリング会社に送金される流れですが、売掛先の未払いや破綻の責任は負いません。
    そのため、売掛先会社の信頼性については、徹底的に調査されることになります。

    調査方法としては、直接相手先に連絡は行きませんので、日本信用情報機構(通称:JICC)、指定信用情報機関(通称:CIC)、帝国データバンクなどへの情報開示、行政機関の所持している登記情報開示などで秘密裏に進められることになります。

    また、ファクタリング会社によって、ナイトワーク系、風俗業界、ギャンブル業界など債権買取には難色を示すケースもあります。
    特に大手金融機関では反社会的勢力との取引に敏感なので、警察庁や金融庁で整備された反社リストと照合作業が行われます。

    診療・介護報酬債権

    調剤や歯科を含む医療報酬債権は信頼性が高く、ファクタリング会社側も歓迎するでしょう。
    国民健康保険団体と社会保険資料報酬支払基金からの入金があるため、まず焦げつく心配はないでしょうし、債権譲渡通知で3社間ファクタリングと同様に振り込み先をファクタリング会社口座に指定することもできます。
    そのためかかる手数料も1~5%程度と割安で設定されます。

    相手が気にするポイントを理解しておくことで、条件交渉も有利に進めることができるでしょう。
    また、ファクタリングの審査では、面談が重要なウエイトを占める性質もありますので相手の信頼を勝ち取るために面談対策をしておきましょう。

  • 仮審査、そしてファクタリングサービスに対する理解確認ができた後は本審査に移ります。
    本審査では口頭で伝えた内容が本当なのかを証明する書類の準備が必要です。

    詳しくは「審査に必要な書類」を参考にしてください。

    ファクタリング会社によって幅がありますが、即日から3営業日以内で審査が完了することが一般的です。

    書類以外の評価点

    ファクタリング審査では、書類と同じくらい顧客の人柄が大きく影響します。
    書類にも不備がないこと、そしてある程度再起する目処があることは前提になりますが、仮に際どいラインだとしても経営者が信頼できる人なら前向きに動く会社が多いのは事実です。
    また、申込金額のさじ加減も重要になり、売掛金を全転する無謀な申し出には厳しい評価をすることになります。
    業界では、全売上債権の3割程までに抑えることが、妥当な前倒し比率だと認識されています。

    誠実さをアピール

    資金繰りが行き詰まって困っている時に、誠実さというような精神論は耳を傾ける気にならないという方もいるでしょう。
    しかし審査を行う側からすると、何か問題が起きたとしても責任を持って返済してくれる人だということを見て結論を出します

    知人や仲の良い会社の人が「100万円貸して欲しい、来月の売上から返すから」と言ってきたらどうでしょう。
    死んでも絶対に返すと誓う人であれば、その気迫に負けて信じてみる気持ちになるかもしれません

    準備書類

    審査は書類段階からすでに開始していると思いましょう。

    書類の準備の際に殴り書きや誤字はないか、発行物は有効期限がないかなど確認しながら迅速に揃えましょう。

    入社面接に置き換えた場合、誤字脱字や雑な書体など、履歴書を見ただけで不採用になるケースもあるのと同じです。
    書類は内容以前に、その人の誠実性を伝える重要なアイテムだと言えるでしょう。

    対話・対応

    自社にとってファクタリング会社の位置づけはどのようなものでしょう。
    あくまでも対等なビジネスパートナーとして接することを心掛けましょう。
    手数料を支払っているのだからというような高圧的な態度では、親密な信頼関係を築くことはできません。

    経営状態や会社概要に関してありのままを伝えることが大切です。
    年間数百社の審査を行っている相手はプロですので、決算書や通帳を見ただけで現状は一目瞭然ですし、調査力という点でも隠し事をしたとしても全てバレると思っていたほうがよいでしょう。
    1つ嘘が露呈した場合、まだ何か隠し事があるのではないかと疑われることになり、審査に時間が掛かるといった悪循環が働くことになります。

    担当者もファクタリングを相談して来た時点で、ある程度財務状態が大変であることは十分承知しているはずですので思い切って腹を割って話すようにしましょう

    面談時の服装

    最後に稀に指摘したくなる方を見かけることがありますので確認しておきましょう。

    スーツが無難

    ファクタリングに限らず、スーツは3割増で映ります
    忠実さ、誠実さ、信頼性の高さなど、第一印象をアップさせて欲しいのです。

    サンダルや短パンはNG

    取引先や銀行などと打ち合わせをする時にこのような格好はしないでしょう。 ビジネスシーンにマッチする服装を心がけましょう。

    高級時計や高級車控える

    会社経営と個人資産は全く別の物です。
    ただし高価な装飾品や、冨のシンボルである高級車などは良い印象は与えません。
    直感的にまずはそれを売ったらどうかという否定的な感情を与える危険性もあります。

  • 審査を通過すればホッとひと息したいところでしょうが、安心するのはまだ早いです。
    ファクタリング契約を締結しなければ、入金はされません。

    通常は契約書の雛形が準備されますので、内容に目を通した上で署名・捺印を行うだけになっています。
    ただし書類の返送や印鑑証明書などを手配することに時間を要すると、それだけ入金は遅くなりますので迅速に進めていきましょう。

    2社間ファクタリングの場合は債権譲渡契約だけでなく、利用会社から入金のあった売上金をファクタリング会社に引き渡すことを約束する「集金代行業務委託契約」を交わすことがあります

  • 契約書が締結できた後は送金が実行されます。
    買取売掛金から手数料分が差し引かれ、残りが指定口座に入ります。

  • 2社間では売掛先に口座変更の通知がされませんので、売掛金が入金されたらファクタリング会社に対して送金を行うことが必要です。
    一度利用会社の口座を経由しますので、どうしても他の支払いに流用されてしまわないか、または横領や持ち逃げなどがないかというリスクが発生します。
    このリスクをファクタリング会社が負う分、2社間ファクタリングの手数料は高額に設定されていることを理解しておきましょう。

3社間ファクタリングの場合

3社間ファクタリングも基本的な流れは同じですが、契約時のSTEPがやや複雑になります。
売掛先も含めた上での3社間で債権譲渡契約書に判を押すことになりますので、押印書類を回すといった一手間が掛かることになります。