新型コロナウイルス感染拡大により、資金繰りが悪化している中小企業などがファクタリングを資金調達に活用することは増えてきましたが、2社間と3社間という2つの取引で迷うこともあるようです。
それぞれメリット・デメリットが異なることとなりますが、中小企業にとって2社間と3社間ではどちらのファクタリングがより利用しやすいのか徹底解説していきます。
3社間ファクタリングの特徴と一般的な流れ
3社間ファクタリングでは、ファクタリング会社と顧客、そして売掛先がファクタリング取引に関係することとなります。
ポイントとしては、
- ・売掛先に対し売掛債権を譲渡する旨の通知または承諾を得ることが必要
- ・売掛金の支払いは売掛先からファクタリング会社に直接
という2つです。
ファクタリング会社にも銀行系やノンバンク系、独立系といろいろありますが、銀行や貸金業者などが行うファクタリングはこの3社間ファクタリングで契約することになります。
売掛先に対しファクタリングを利用することを通知してから、ファクタリング会社は買い取りを行うこととなり、本来の売掛金回収期日には売掛先からファクタリング会社に対し入金される流れです。
この流れにより、ファクタリング会社は間に顧客を挟むことなく、直接買い取った売掛金の回収が可能となるため、そのリスク軽減分手数料は安く設定されます。
2社間取引ファクタリングの特徴と一般的な流れ
2社間ファクタリングで契約すると、3社間のときのように売掛先は取引に加わりません。当然、売掛先に対する売掛債権が譲渡される通知もなく承諾を得ることもないため、売掛先にファクタリング利用を知られたくない場合に利用しやすいといえます。
そして3社間ファクタリングとの大きな違いは、期日に売掛先から支払われる売掛金は顧客が一旦回収後、ファクタリング会社に引き渡さなければならないという点です。
売掛先に対する通知や承諾を得る流れを省くことができる分、売掛金が現金化されるまでのスピードは3社間ファクタリングよりも早めです。ファクタリング会社によっては、即日現金化というケースもめずらしいことではありません。
ただ、売掛金を顧客が回収した後でファクタリング会社に引き渡さなければならないという流れは、ファクタリング会社にとって未回収となるリスクを高めます。もし顧客が売掛金回収時点で資金不足に陥っており、そのまま使い込んでしまったり他の支払いに流用したりという可能性を秘めているからです。
もちろんその場合には、業務上横領となるため控訴など法的手続に発展するケースもありますが、リスクの高さがそのまま手数料に反映されると留意しておきましょう。
2社間と3社間はどちらを利用するべきか
ファクタリングは保有する売掛金を現金に換えて資金調達する方法であることは、2社間と3社間のどちらを選んでも変わりません。
ただ売掛債権が現金化させるまでの流れや、誰が売掛先から売掛金を回収するかなど違いがあるため、どちらを利用するべきか迷ってしまうものでしょう。
そこで、資金調達において何を重視したいかを基準とし、2社間と3社間のいずれかを選ぶようにしてみてください。
売掛先に余計な勘繰りをされたくないなら
ファクタリングで資金調達することを売掛先に知られたくないのなら、2社間ファクタリングを選んだほうがよいといえます。
売掛先に売掛債権譲渡の通知がされてしまうと、「売掛金を売らなければならないほど大変なのか?」「資金繰りが悪化していてこの先危ないのでは…」といった余計な勘繰りを入れられる可能性はゼロとも限りません。
急いで資金調達したいなら
3社間ファクタリングの場合、売掛先に対し通知または承認が必要となるため、その分2社間よりも時間がかかってしまいます。
しかし2社間ファクタリングであれば、ファクタリング会社が売掛先の業績や近況などの信用調査を行い、契約がスムーズに進めば最短即日に買取代金が支払われます。
急いで資金を調達しなければならないときには、3社間よりも2社間を選んだほうがよいといえるでしょう。
手数料を安く抑えたいなら
ファクタリングを利用したとき、ファクタリング会社に支払う手数料は3社間ファクタリングのほうが安く抑えることができます。
支払う手数料の高さはファクタリング会社が背負うリスクの大きさと比例するため、リスクを軽減できる3社間のほうが低コストでの資金調達が可能です。
まとめ
2社間と3社間という2つのファクタリングのうち、どちらを資金調達に選んだほうがよいか迷うこともあるでしょう。
仕組みそのものに大きな違いはなくても、利用することで及ぶ影響は大きく変わってくるため、何を重視してファクタリングで資金調達するのかにより選ぶことをおすすめします。
また、いずれの場合でもファクタリング利用の際には、信頼できるファクタリング会社選びが重要です。ファクタリング会社によっては、2社間のみ対応という場合や反対に3社間のみという場合、どちらにも対応可能など違いがあるため事前に確認しておくようにしましょう。