中小企業が抱えている経営課題とは?規模に関係なく共通する問題


中小企業庁は毎年、「中小企業白書」や「小規模企業白書」により中小企業の動向などを公表しているため、今どのような経営課題を抱えているのか知ることも可能です。

特に2020年版白書では、中小企業や小規模事業者がどのような役割や機能として期待されているか、それぞれの価値に着目しているためより経営における課題を把握しやすいといえます。

特に新型コロナウイルス感染拡大により経営に影響を受けた中小企業なども少なくありませんが、今どのようなことが課題となり悩んでいるのでしょう。

そこで、中小企業庁の「小規模企業白書」から「中小企業・小規模事業者における経営課題への取組」の内容についてご紹介します。

 

「中小企業・小規模事業者における経営課題への取組」

中小企業庁の「小規模企業白書」から、「中小企業・小規模事業者における経営課題への取組」の一部をご紹介します。

その中には、中小企業が抱える経営課題や課題解決に向けた相談相手の実態などの分析が記載されているため、経営改善の参考にするとよいでしょう。

中小企業が抱えている経営課題について長期的な時系列であらわすと、「売上・受注の停滞、減少」を挙げる事業者が全体的に多いことがわかります。

しかしその足元では、「求人難」を挙げる事業者も少なくありません。

 

どのような経営課題を抱えているのか

直面している経営課題の中で、特に重要と考えられている課題を企業規模や業種に分けた場合には、規模や業種に関係なく「人材」「営業・販路開拓」と回答する事業者が全体の6割を超えています。

中でも中規模企業の非製造業では、8割「人材」と回答しているほど、人手が足りていないことを課題としてとらえているようです。

 

経営状況により抱える課題は異なる

中小企業や小規模企業が重要と考えている経営課題について、経常利益の状況ごとに示すと、黒字企業は「人材」を経営課題として挙げているのに対し、赤字企業は「営業・販路開拓」「財務」などを課題としています。

その経営課題を業歴別にあらわすと、業歴の短い企業ほど「財務」と答えており、業歴の長い企業は保有設備の年数との関係により「生産・製造」を課題として挙げる割合が高くなっています。

 

中小企業の経営者によっても異なる課題

次に経営課題を経営者の年代ごとにあらわすと、40歳以下の事業者は他の年代よりも「人材」「営業・販路開拓」「商品・サービスの開発・改善」「ICT活用」を経営課題として挙げています。

それに対し、比較的経営課題として挙げられる割合が低めなのは、「生産・製造」「財務」です。

 

中小企業のよき相談相手となるのは

中小企業や小規模企業の抱える経営課題は、企業や経営者の特性により様々です。ではそれらの経営課題に誰を相談相手として選んでいるのでしょうか。

経営課題ごとに差はあるものの、財務を除く全体で見ると、「同業種の経営者仲間」「経営陣・従業員」「取引先」に期待する企業割合が高めです。

しかし「人材」や「その他(特許、企業間連携など)」などの経営課題は、誰に相談してよいかわからないという企業がほとんどとされています。

 

いずれも規模が大きければ解決できるわけではない

ご紹介したとおり、中小企業は今様々な経営課題を抱えており、中には大企業にも該当する課題で悩んでいることもあります。

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けてしまった今、課題を解消し経営状況を改善させるためにも、幅広い視野を持ち挑むことが必要といえます。

そもそも中小企業は「規模の利益」で大企業に勝つことは困難ですが、「人材」については大企業も同じく課題としています。

大企業のほうが知名度も高く、福利厚生面でも中小企業より有利といえますが、単に規模が大きければ解決できるとは言い切れません。中小企業でも工夫すれば大企業との競争に勝つことができるといえるでしょう。

 

抱える課題を解決するための支援策

日本の中小企業の割合は企業全体の9割以上といわれているため、中小企業の経営課題が解決されないことは、日本経済にも悪影響を及ぼすことにつながります。

そこで、中小企業が抱える課題解決に向けて、国や地方自治体でも様々な支援策が取られていることを知っておきましょう。

 

資金繰り課題解決に向けた支援策

中小企業が抱える経営課題のうち、「雇用」や「人材」などを解決させるには資金が必要です。他にも設備投資資金や運転資金なども必要とする企業が多いため、信用保証協会の保証つければ審査のハードルを下げるといった融資なども行っています。

 

雇用維持や人材育成の経営課題解決への支援

雇用維持や人材育成などについても、「人材開発支援助成金」などを支援制度として設けています。

もともと「キャリア形成促進助成金」という名称だった制度ですが、従業員に対する能力開発の訓練などを行うときの費用を一部助成する内容となっています。

助成要件緩和や対象範囲・助成金額の拡充など、従来よりも利用しやすい制度となっているといえます。

 

まとめ

中小企業が抱えている経営課題はいろいろですが、「人材」の育成や確保については今後さらにどの業種でも深刻化する可能性があります。

そもそも日本は少子高齢化が進んでおり、限られた人材を取り合うことになる可能性が高いからです。

どの業界でも課題として取り上げられていることが多い「人材」について解決するためには資金も必要です。

必要な資金を準備するため国や自治体などの支援策をうまく活用することも検討してみるとよいでしょう。