借入金に頼りすぎ?健全な経営ができているか知りたいなら借入依存度の確認を


借入依存度とは、総資産に占める借入金の割合ことです。この借入依存度からわかることは、金融機関からの借入金で調達した資金が、資産の規模に対し適当な水準かどうかといえます。

自己資本比率と表裏一体といえる指標として考えられるなど、自己資本の蓄積が薄弱な場合には借入依存度が高くなり、借入金が増えていると考えるべきです。

 

借入依存度で確認しておきたいこととは

企業経営を続けていくためには資金が必要であり、日本の多くの企業は借入金を資金調達に頼っています。

借入金は借金であり、銀行などから融資を受ける以外にも、社債を発行し社債購入者から資金調達することも借金に含まれます。

借金はできるだけ増やしたくないと考える経営者も少なくありませんし、無借金経営が理想と考えられますが、大企業でもほとんどは借入金で資金を調達しているのが実情です。

借入金は当然返済が必要となるため、返済原資を生む経営ができなければ経営は破綻します。

重要となるのは自社の返済能力を正確に把握することであり、それを知る指標となるのが借入依存度です。

 

借入依存度を計算する方法

借入依存度は、自社の総資産のうち、借入金が占める割合のことです。

総資産として挙げられるのは、現金・預金・売掛金・土地・建物・棚卸資産などですが、資産のすべてを自己資本で補うことができていれば無借金企業といえます。

しかし資産のほとんどを借金で補っている場合もあるでしょうが、この場合の借入依存度は、基本的に次の計算式で算出することができます。

借入依存度=総借入(長期借入金+短期借入金+割引手形残高+社債)÷総資産×100

 

借入依存度からわかること

借入依存度を計算すると、借入金によってどの程度資産を調達しているかを確認できます。

たとえ借入依存度が高い場合でも、必ずしも危ない企業というわけではありません。

ただ、資産のうち売掛金や棚卸資産などが占める割合が多い企業の場合において、借入依存度が高いと、運転資金の多くを借入金で補っている状況といえます。

必要な運転資金を確保できなければ、すぐに資金ショートしてしまうリスクが高いといえるでしょう。

反対に借入依存度が高くても、資産の多くを土地や建物が占めているという場合には、資産売却により借入金を返済できると考えれば財務状況の改善余地があると判断できます。

規模の小さな企業ほど、借入依存度が高くなれば資金ショートのリスクが高くなり、廃業や倒産してしまう可能性も上がってしまうと考えておくべきです。

 

借入金に頼るのをやめるための方法

借入依存度は企業の安全性を示す指標ともいえますが、銀行などの融資審査でも判断材料とされることになります。

そのため借入依存度を改善させていくことが必要と考えられますが、主に次のような方法で借入金に頼ることをやめましょう。

 

株主資本を増やす

資本金を厚くすれば借入金に頼ることはなくなるため、新株発行や第三者割当増資などを検討しましょう。

中小企業の場合、代表者にある程度資産があれば、自己が会社に出資するという方法も用いられています。

 

有利子負債を減少させる

有利子負債とは利子の付く負債のことですが、たとえば中小企業では代表者などからの借入れを代表者借入として計上していることもめずらしくありません。

このような場合、借入ではなく出資にすると、資本金を増やし借入依存度を低くすることができます。

ただ銀行融資の審査では借入として借入依存度を計算されることとなるため、決算書の見栄えがよくなっても融資審査ではあまりメリットがありません。

 

リース債務を減少させる

企業の設備や備品をリースで補っているときには、資産を導入する対価としてリース債務で計上します。

リース債務も借金ですので、借入依存度を高めることになりますが、リースに頼らず自己資金で購入することで借入依存度を下げることが可能です。

リースでは減価償却費は計上できませんので、自己資金による購入で減価償却費が発生することとなり、収益が下がることは理解しておく必要があります。

 

ファクタリングで売掛金を売却する

ファクタリングは、売掛金(売掛資産)を売却し資金調達する方法のことですが、借金を増やさず手元の現金を増やすことができます。

売掛金が現金に代わる期間を短期化させることが可能なので、キャッシュフローを改善させることができるものメリットです。

ただしファクタリングを利用する場合には、銀行融資よりも高い手数料が必要となるため、その点は留意しておく必要があります。

 

まとめ

企業の健全性を確認するための指標として用いられるのが借入依存度ですが、銀行融資などの審査でも判断材料とされます。

近年、銀行で行われている融資審査では、収益の向上や返済に十分なキャッシュフローが確保できているかといった部分が重視されているようです。

そのため、借入依存度を下げることばかりに気をとられるのではなく、自社の安全性を知る目安として活用することが望ましいといえます。

借入依存度が高すぎれば、中小企業などの場合には資金ショートにより倒産するリスクは高くなりますので、経営体質を改善させていくことが必要です。