担保は貸し倒れリスクを回避させるために有効!どのようなものが適している?


担保とは、取引先が倒産してしまったなど、万一債権が回収できなくなってしまうリスクに備え引当となるものです。

担保権を行使することで債権の回収が可能となるため、貸し倒れリスクを回避する上で有効な手段といえます。

そこで代金未回収など貸し倒れに備えるためにも、何を担保として扱うことができるのか、その種類や実際にリスクを回避する方法について徹底解説していきます。

 

担保として差し入れた債務者の義務

担保とは、債権者の損害を補うために、債務者が事前に差し出しておく物品などによる保証のことです。

担保としてモノや権利を差し出した債務者は、担保・保証を有する債権者に対し、従来の担保を維持することが義務となります。

たとえモノや権利を担保として差し入れてもらったとしても、支払いができなくなったときなどに担保実行により回収ができなくなれば意味がないからです。

 

担保として扱うことのできるモノとは?

担保は、万一債務者が支払いを行わないときの引当となるものであるため、担保を金銭に換えて債権を回収できるだけの価値が見込めなければ意味がありません。

単に担保といってもいろいろな種類があり、大きく「人的担保」と「物的担保」に分類されます。

人的担保とは、人や法人など第三者に債務を保証してもらうことであり、物的担保とは不動産・商品・売掛金などを担保として扱うことです。

 

人的担保の特徴

連帯保証人などが人的担保の例として挙げられますが、保証する方の財産を債務の引当とするため、資金力や財力のない人的担保では不安定になると考えておくべきです。

 

物的担保の特徴

物的担保には、契約を締結することなく法律上の要件を満たすことで発生する「法定担保」と、当事者同士で担保設定契約を結び発生する「約定担保」があります。

 

法定担保の種類

法定担保として挙げられるのは先取特権と留置権などで、当事者間で担保契約を結ぶことなく、社会通念上優先し保護する必要のある債権の担保としての効力を認めています。

 

約定担保の種類

約定担保の場合は、当事者間で担保設定契約を結ぶことが前提となります。

抵当権・根抵当権・仮登記担保・譲渡担保・所有権留保・質権などが例として挙げられます。

抵当権は一般の方にももっとも馴染みのある物的担保の1つであり、不動産を担保として差し入れてもらい、弁済されないときには差し押さえ・競売などで不動産を現金化し回収が可能となります。

なお、担保として不動産を差し入れていても、債務者は自分のもとにとどめ引き続き利用可能です。

また、動産を対象にする動産担保などもあり、自動車・船舶・小型船舶・航空機などで特別法により対抗要件が設けられていれば抵当権の目的とすることができます

 

担保余力にも注目を

担保として差し入れたモノなどの評価額から、担保設定額や被担保債権額を差し引いた残り担保余力です。

担保の残存価値であり、たとえば不動産を担保とするのであれば、

担保余力=不動産時価合計額-抵当権設定額と根抵当権極度額の合計

となります。

担保余力が認められれば、債務者は他の資金調達の担保にもできるため、与信ではプラスの要素として判断されやすいでしょう。

反対に担保余力が認められないときには、すでに資金調達が限界に達していることを示します。

 

リスク回避が可能となる担保とは

担保として差し出してもらうモノは、リスクが回避できるものでなければ意味がありません。

預金・手形・売掛金・不動産・商品などの資産は担保に取ることができると考えることはできても、担保として価値があるかが重要です。

そのため、リスク回避が可能となる担保を差し出してもらうために、次のことに留意しておきましょう。

  • ・容易に担保権を実行できるか(容易に換価が可能であり、時間や費用が掛からないもの)
  • ・安定した価値の担保目的物か(今は価値が高くても相場変動が激しいもの、短期間で価値が減少するものは避ける)
  • ・優先・独占して回収が可能か(対抗要件を満たし実行する上での手続で、他の債権者と競合しないもの)
  • ・権利関係が明確か(複数の担保権が設定できるものの場合、優先順位や担保される範囲などは明確にしておくことが必要)
  • ・管理しやすいものか(維持管理が困難なものや管理コストが過大にかかるものは避ける)
  • ・心理的圧力で弁済を促すことができるものか(債務者が手放すことは避けたいものを担保とすることが望ましい)

 

まとめ

担保を差し出してもらうことで、債権が未回収となるリスクに備えることができます。

ただ、どのような資産でも担保にできるわけではなく、担保として望ましいものもあればそうではないものもあります。

いざというときに換価し、債権の回収代金に充てることができなければ、たとえ担保を差し入れてもらっても意味がありません。

そのため与信で担保が必要となった場合には、差し出してもらうモノや権利の価値や換価しやすさ、権利関係などを明確にしておくようにしましょう。