借入れで資金調達|どのくらいの運転資金が必要か判断する方法とは?


運転資金は事業を続ける上で欠かすことができませんが、準備するときに銀行からの借入れを頼ることもあります。

中小企業の資金調達の方法として最も馴染みがあるのが銀行からの借入れですが、余計な借金を増やさないためにも、まずはどのようなお金をどのくらい準備しなければならないのか判断する方法を理解しておくようにしましょう。

 

運転資金の役割

事業を営むときには、

  • ・商品仕入れや諸経費支払い
  • ・車両や機械を購入するため

などの資金が必要です。

経営を行う上で欠かすことのできないお金が運転資金ですが、設備資金以外に必要となるお金といえるでしょう。

性質や使途はいろいろで、種類も細かいことから専門的な観点で分類されています。

 

運転資金に余裕があるか判断する方法

仕入後に販売し、その代金を回収することが一般的なビジネスの流れとなります。

ここで確認しておきたいのは、買掛金・売掛金・在庫の3項目です。

売掛金営業上の未収代金であり、買掛金仕入代金や外注加工費の未払い分、そしてまだ販売せず手元に保管してある商品在庫となります。

売上が順調に伸びているときには、販売の機会を失わないためにも、在庫は保有しておきたいと考えるものです。

しかし仕入れには資金が必要になり、実際に販売してもすぐにその代金を回収できるわけではなく、取引先からの入金期日を待つ必要があります。また、仕入れを増やしたとしても、売れなければ過剰に在庫を増やしてしまい、在庫管理にコストがかかるだけでなく売れ残ってしまうリスクも高めます。

そこで、仕入れから販売、回収までの流れを円滑にし、ビジネスを回していくうえでどのくらいの資金が必要なのか把握しておく必要があります。

必要となる運転資金は、

運転資金=売掛金+在庫-買掛債務

で計算しましょう。

どのくらい運転資金に余裕があるか判断するときには、

運転資金調達高=売上債権+棚卸資産-仕入債務

で運転資金調達額を確認します。

もしマイナスとなれば資金が不足している状態をあらわし、プラスであれば余裕があることを示しています。

 

運転資金を確保しただけではダメ

もしも運転資金が足らないのなら、不足する前に確保するなど資金不足に陥らない対策を取ることが必要です。

しかし、単に運転資金を確保するだけでなく、売掛金はできるだけ早く回収し買掛金の支払いはできる限り遅くすることも大切です。

仮に売掛金を早く回収できれば、その回収代金を買掛金の支払いに充てることができるため、資金不足に陥りにくくなります。

売上がどれほど伸びたとしても、手元に現金がなければ追加で仕入れはできませんし、支払いもできなくなり会社なら倒産してしまいます。

売上高が急増すれば仕入れも増え、在庫の水準や売掛金も急増します。必要になる運転資金の水準もあわせて急激に増えるため、増えた運転資金分だけ資金繰りが悪化し、営業利益は出て黒字なのに現金は不足する事態を引き起こすのです。

利益が出ているのに倒産してしまう黒字倒産のリスクを防ぐためにも、売上がアップしているときこそ運転資金が不足しないよう注意が必要といえます。

 

借入れで資金を調達する方法

資金不足を補うため、金融機関から融資を受けて資金を調達する場合、中小企業なら次の借入れを頼ることが多いといえます。

 

民間の地方銀行からの借入れ

全国展開せず、商圏内の中小企業と取引を積極的に行うのが民間の地方銀行です。

特に信用金庫や信用組合などであれば、中小企業に対して運転資金の貸し付け相談にも積極的に対応してくれます。

ただし地方銀行は決算書の内容を重視するため、融資可否は銀行ごとの格付けなどの影響を受けることは意識しておくことが必要です。

 

政府系金融機関である日本政策金融公庫からの借入れ

日本政策金融公庫とは政府が100%出資し運営されている金融機関です。

そのため起業したばかりで実績のない企業でも、無担保・無保証人で融資を受けることができます。

民間の銀行などに借入れの申し込みを行ったものの、審査が通らずお金を借りることができなかったときにも頼ることができます。

 

都市銀行からの借入れは頼りにくい

大手メガバンクと呼ばれる都市銀行の場合、取引先はほとんどが大手企業のため、継続して利益が出ている優良な中小企業でなければ融資を受けることは難しいと考えられます。

中小企業では絶対に対応してもらえないわけではありませんが、都市銀行よりは地方銀行を頼ったほうがお金は借りやすいといえるでしょう。

 

借入れ以外で運転資金を調達する方法

運転資金を調達する方法は金融機関からの借入れ以外にもあります。

先に述べたように、仮に売掛金を早く回収できれば資金繰りは悪化しにくくなりますが、実際には取引先に早く入金してもらうように交渉することは容易ではありません。

その場合、ファクタリング会社に売掛金を売却し、入金される期日よりも前に現金化させるファクタリングを活用するとよいでしょう。

お金を借りる方法ではないため、借金を増やすことなく手元の売掛金の範囲で、前倒しによる現金確保が可能となります。