返済予定表作成に向けた借入可能額などシミュレーションする方法


銀行から資金を借入れるときに、まず重要なのは何のために資金が必要なのかという使途であり、実際に融資を受けたときに向けて返済予定表を作成することです。

仮に資金使途が詳細に問われない事業者向けローンなどでも、漠然と借入れと返済を繰り返してしまえば資金繰りは悪化するだけなので、どんぶり勘定ではなく予定表を作成した上で資金調達するようにしましょう。

さらに返済予定表を作成すれば、実際にどのくらいお金を借入れればよいのか、返済可能な金額なのかなどを予測できます。

 

返済予定表作成に向けたシミュレーションの方法

資金を借入れる時に返済予定表を作成するなら、まずは次の項目についてシミュレーションしてみましょう。

 

常に運転資金として確保しておきたい「経常運転資金」

経常運転資金は常に運転資金として手元に確保しておきたいお金ですが、

経常運転資金=売掛債権(売掛金+受取手形)+棚卸資産-仕入債務(買掛金+支払手形)

という計算式で算出できます。

企業間の事業取引では、入金は後、支払いは先という資金の流れになります。

そこで、経常運転資金を計算し、手元に保有しておかなければならないお金はどのくらいはシミュレーションしておきましょう。

算出した金額であれば、銀行など金融機関は資金を貸付しやすいという考え方もできます。

 

借入可能な金額を知りたいなら「借入金月商倍率」の算出を

借入金月商倍率は、借入金が月商の何倍かを示します。

借入金月商倍率=借入金÷月商

で算出できますが、銀行など金融機関が返済余力を判断するときに用いる指標でもあります。

3倍(=3か月)までなら健全と判断されますが、6倍(=6か月)を超えればリスクが高いと判断されてしまうので、どのくらいまでであれば借入れが可能かを知る上での材料としてシミュレーションするとよいでしょう。

ただし実際に銀行など金融機関から融資を受けるときには、借入金月商倍率だけを目安にするのではなくキャッシュフローベースによる判断がメインになると考えられます。

 

返済原資といえるのは「利益+減価償却費」

お金を借りれば返済しなければなりませんが、その原資となる部分は、

簡易キャッシュフロー=利益+減価償却費

で確認できます。

銀行など金融機関が融資審査を行うとき重視される指標ですが、税引き後の当期純利益で判断しましょう。

年間のうち返済可能となる金額であり、この簡易キャッシュフローの10倍以上で融資を受けることは難しいと認識しておいてください。

反対に、

債務償還年数=借入金÷簡易キャッシュフロー

10年以内に抑えて融資を申し込んだほうが、審査には通りやすいといえるでしょう。

ただし簡易キャッシュフローは正確な数値ではなく、損益計算書をもとにした過去の数値がベースとなった考え方といえます。

お金を借入れるのはこの先の未来と考えれば、今後の資金繰りをベースに判断するべきです。

 

返済予定を適切に立てたいなら資金繰り表

簡易キャッシュフローでは正確なシミュレーションが困難であり、キャッシュフロー計算書を見てもこれまでの現金の動きしかわかりません。

そこで、どのくらいお金を借入れすればよいか、その借入金の返済が本当に可能か判断するためにも資金繰り表を作成しましょう。

資金繰り表は過去の現金の動きだけでなく、将来的な現預金の増減予測も記載していくため、今後の予定が立てやすくなります。

現預金は月商の1~3か月分を維持することで経営は安定すると考えられているため、まずはこの範囲を目指すようにしましょう。

 

 

返済が厳しい場合には一定期間返済猶予してもらう相談を

事業開始すぐに初期投資した資金の回収が可能になるほど利益を出せるかといえば、必ずしもそうではありません。

開業した当初は付き合いや宣伝効果などで売上が上がることはあっても、その売上をずっと継続できるとも限りませんし、ある程度軌道に乗ることができるまで資金調達が欠かせない状況になる可能性もあります。

特に新型コロナウイルス感染拡大の影響で、本来であれば順調に業績が上がったはずなのに、実際には借りたお金が出ていくばかりという状態になっているケースもあるでしょう。

もしこのような懸念がある状態で日本政策金融公庫に借入れを申し込むなら、希望することで最長2年は返済を猶予してもらえる可能性もあります。

ただし猶予可能となるのは借入元本部分だけで利息の支払いは続きますが、返済資金の準備を一時的に免れるのはメリットです。

ただし返済を一定期間猶予してもらったとしても、借入全体の最終返済期限は変更できないため、猶予期間終了後の月々の返済額が増えることになる点には注意しておきましょう。

日本政策金融公庫の公式ホームページにある「事業資金用 返済シミュレーション」では、入力内容に基づき目安の返済金額を試算できます。

返済予定表を作成するときの参考にしてみることをおすすめします。

 

 

まとめ

借入れの際に返済予定表を作成することは重要ですが、先に紹介したシミュレーションは銀行などが融資審査をするときの判断基準であり、これから資金を借入れようとする企業の目安にできるものです。

実際に銀行などが行う融資審査では、事業計画や事業性評価など総合的な視点での判断となりますので、その点は留意しておいてください。