黒字なのに倒産してしまう理由とは?会社を存続させるための方法


一般的な用語として使われている「倒産」という言葉は実は正式な法律用語ではなく、さらに赤字続きのときだけでなく理由次第では黒字でも起こり得ることです。

赤字が続けば資金がなく、倒産してしまう理由として納得できるでしょうが、黒字でも事業を続けることができなくなる理由は何なのでしょう。

そこで、黒字倒産する理由やその背景と、防ぐためには何をすればよいのか徹底解説していきます。

 

「倒産」は正式な法律用語でない

「倒産」という言葉は正式な法律用語ではなく、東京商工リサーチが1952年から「全国倒産動向」の集計を始めたことによって知られるようになった言葉です。

「倒産」の定義については、

「企業が債務の支払不能に陥り経済活動を続けることが困難になった状態」

とされ、「法的倒産」と「私的倒産」に大きく分けることができます。

「法的倒産」は再建型の「会社更生法」と「民事再生法」、そして清算型の「破産」と「特別清算」の4つに分類されます。

これらのことから、「倒産」とは「企業が経済的に行き詰まったことで支払能力を失い、事業を存続させることが不可能となった状況」といえます。

 

赤字でなくても会社は「倒産」する

倒産してしまった会社を想像すると、売上が上がらず赤字経営が続き、その結果つぶれてしまったとイメージしてしまいがちです。

しかし倒産した会社のすべてが赤字続きだったわけではなく、損益計算書上は利益が出ていた黒字経営の会社でも倒産することがあります

「黒字倒産」とは、

「利益は計上されていても手元に運転資金などが残っておらず、資金が枯渇したため支払いができなくなり倒産すること」

です。

キャッシュフローが尽きてしまうのは「勘定合って銭足らず」という状況であり、「どんぶり勘定」による経営で資金管理が正常に行われていないために起きやすくなります。

日々の経理や会計など、必要な業務を適切に行うことができなければたとえ黒字だとしても倒産するリスクは高くなってしまうと留意しておくべきです。

現金資金が手元にどのくらいあるか確認することは、会社を存続させることで重要なことと意識した経営を続けるようにしましょう。

 

黒字倒産が起こる理由

返済に充てるお金が必要なのに、自己資金で債務の返済ができず、さらに借入れなどで資金調達できなければ経営は行き詰まります。

その結果、会社は倒産してしまいますが、黒字なのに倒産するのに対し赤字なのに倒産しない会社がある理由は、会計上の収入と支出が実際の現金の入出金と一致しないからです。

仕入れを増やし売上が増えても、仕入代金の支払いは1か月先に訪れるのに対して、売上代金は2~3か月待たなければ入金されません。

その間は自己資金で賄うことになりますが、資金調達ができなければ仕入れ代金の支払いができず、銀行取引停止処分を受けることや裁判所に破産手続を申請することで対外的に倒産したとみなされます。

しかし損益計算書を確認すると、先に売上が計上されているため赤字販売でなければ黒字を示します。さらに大量に仕入れ、在庫を多く保有していると仕入費用は販売されるまで支出として計上されないため、赤字にはなりません。

しかし仕入代金を支払うタイミングは先に訪れ、現金が手元になければ支払いができず、黒字なのに倒産してしまう状態となります。

 

なぜ赤字なのに倒産しないのかその理由とは

黒字なのに倒産する会社がある一方、赤字なのに倒産しない会社がある理由として考えられるのは、主に次の3つです。

  • ・現金資産を多く保有している
  • ・赤字でも担保価値の高い資産を保有しているため銀行から融資を受け資金調達できている
  • ・その他、赤字でもその他の方法で資金の調達ができている

赤字状態が長く続けばいずれは倒産する可能性は高いですが、手元の資金が枯渇しない限りは倒産しません。

大切なのは手元の現金をショートさせないことであり、適切な時期に必要なお金を調達することです。

そのためにも銀行融資だけに調達方法を頼るのではなく、その他の資金調達方法を見つけておく必要があります。

 

黒字倒産を防ぐために必要なこと

黒字倒産することを防ぐためには、経営者が自社のキャッシュフローを正確に把握し、現金不足に陥らないようにすることです。

もしも不足することが予測されるのなら、事前にその対策を立て実行することが必要となります。

実際の現金の流れを把握するために、資金繰り表などを作成することをオススメします。

資金繰り表にはこれまでの現金の流出入だけでなく、将来予測される入出金まで記載しておくことで、支払い直前になってお金が足らなくなり慌てることを防ぐことができます。

さらに仕入代金の支払いはできるだけ先へと延ばし、売上代金はできる限り早めに入金して貰えるよう、取引先と交渉することも必要です。

簡単に交渉に応じてもらえない場合には、売掛金を現金化できるファクタリングなどで資金調達することも検討し、手元の資金を枯渇させないような対策を取っておくようにしましょう。